球団を"創る"ということ ②
昨年まで国内の独立リーグ3球団で3年間プレーさせていただき、
引退後は創設間もない福井ワイルドラプターズというチームで球団広報を担当している三木田と申します。
今日は表題について、
自分が「選手」から「職員」という立場に変化したことで気づくことができたたくさんの視点について少しばかり皆様と共有できたらと思います。
「選手時代の自分に向けたメッセージ」という切り口で、今伝えたいことを書いてみます。
ですのでこの文章が、現在独立リーグという世界に身を置いている選手や、将来スポーツ業界に飛び込みたいと考えている人の参考になれば幸いでございます。
①なぜ球団が存在できるのか
②球団関係者がキャストとして来場者にgiveできること
③明日から選手ができる行動
という3部構成で書いてみます。
本日は②です。
前回の①はこちら
"球団を創る"ということ ①|三木田龍元 @RyugenMIKITA #note https://note.com/ewhexa/n/n30e76b5d0221
---
前回のnoteでは、応援される球団となるために、球団関係者は品格・人間性といった幹となる部分を育て、地域に社会的価値を提供できる存在となっていく必要があるといった旨を書きました。
抽象的な表現の多い書き方となってしまったため、今回はもう少し具体化して書ければと思います。
まず前提として、私たちプロ野球球団が球場での来場者に与えられる価値の大きなものは、「野球」というスポーツそのものです。
「野球というスポーツが好きで球場に足を運ぶ人」にとっては当たり前すぎることかもしれませんが、選手の全力プレー、高い技術、そしてチームの勝利によって来場者の皆様は多くの感動を受け取ることができます。
しかし、これはあくまで野球という興行を構成する上での"部分"であり、最重要ではないと考えます。
特に、地域に根差した独立リーグにおいてはなおさらです。
私は、「野球が好きではない・野球に興味がない人でも楽しめるスタジアム」、「応援しているチームが負けてしまっても楽しめるスタジアム」を作ることに大きな価値があると強く強く思っています。
そのためには、球団関係者全員が”キャスト”となり、「来場者に全力で楽しんでもらおう」といった気概を持つことが非常に重要となります。
よくウチの球団社長は、”キャスト”という表現を使います。そのため、私も最近はよく意識するようになり、今日の記事のメインテーマでもあります。
選手のみならず、球団スタッフやボランティア、施設関係者といった方々も含めて、我々は一つのチームとなり、ディズニーランドで働くキャストになりきり、全力で来場者を楽しませるためのおもてなし精神を持ち続けたいと考えています。
川崎フロンターレのプロモーション部部長を務めている天野春果さんの著書を最近読みました。
そこで何度も出てきた表現が「来場者」。
決して「観戦者」とは呼ばずに、テーマパークに来てくれた「来場者」としてもてなすことを徹底している様子が述べられていました。
(その影響をモロに受け、このnoteでも「来場者」という表現を採用しております)
こうした心構えを持つことにより、選手の意識、そして行動も変わってくるのかもしれません。
自分が活躍すればOK、どんな手を使ってでも勝てば構わない、相手チームへヤジを飛ばして来場者の子供たちを不快にしても気にしない、自分がユニフォームを着れていることは当たり前。
私も曲がりなりにも3年間、独立リーグという世界でプレーさせて頂きました。
そのため、自分が活躍すること・そしてNPBへ行くことが最優先事項になってしまう気持ちも十分に理解はできます。
しかしながら、ファンがあってのスポーツ、来場者があってのスポーツという視点を持つことができれば、より外へ外へと目が向くようにもなるのではないでしょうか。
福井ワイルドラプターズは、球団としてYouTubeに注力しているために、必然的に見られる機会が増えてきたことは選手にとってすごくプラスな現象だと思います。
個人的には、ベテラン選手が中心となってくれて、チームでのSNS発信の輪が広がってきているという実感もすごく嬉しいです。
このあたりについては、次回の「③明日から選手ができる行動」というテーマで詳しく書いていければと思います。
今日は、球団を取り巻く”人”は、”キャスト”であり、球場に足を運んでくれた”来場者”の皆様に楽しんでもらうために全力を尽くそう。という話を書いてみました。
本日も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
シェアや、コメントいただけると喜びます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?