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(48)あの時のあの運命のビビビッ!の正体=”ご近所運命共同体”

マトさんがいない日々の子育てが本格的に始まったミリタリーハウジングでの生活です。今までは守ってもらう立場だったけど、娘が出来て母親になった私は


私は守られる側から守る方側


今まで両親、親戚、そしてマトさんから守られてきた人生は、娘の誕生によってまさに逆転です。

この頃はなんとなくわかっていましたが、約20年の結婚生活で、これからミリタリーワイフ、またはハズバンド(夫)になる方々にアドバイスできるとすれば、

”配偶者ほぼ留守と思う方がいい”

いないと思えば期待しないので楽です(笑)頼ればいいと思ってればそれだけ自分が大変です。例えば自分の国で配偶者なしならば、言葉とかは心配ないし、いろいろ自分で対処できますけど、外国に暮らすという事はそれなりに大変だとは思います。でも大変なことばかりに目を向けても始まりませんからね。何かしら自分が楽しいと思える時間や物事があればなんとかなるはず。私はそれは料理だったかもしれません。ちょっとのろけてみるならこの頃は”マトさんの帰りを楽しみにする”ことだったりした(笑)帰ってきたらあれを作って食べさせたいとか、ここに一緒に行きたいとかそんなことを楽しみにしてましたかね。。。そんな日々もあったなぁ・・・と。

しかし、やっぱり一人きりって寂しいんですよ。ご近所さんとの軽い挨拶や交流なんかがあるけれど、やっぱり”会話”がしたくなるんです。娘はまだ話さないし愛犬とも会話はできず。

そんな寂しい時間だったけどマトさんの同僚が近所に引っ越してきたりして、ちょうど子供達も年が近かったので、奥さんが私を散歩に行こうとか買い物に行こうとか誘ってくれるようになった。ただ、奥様は純アメリカ人。アメリカ人100%でだから会話はもちろん英語だし、そして育った環境も違い、考え方も、暮らし方も、趣味も好みもすべてが違った。正直な話をすれば、英語での会話はちょっと疲れたし、果たして相手が私といて楽しいのか疑問だった。ある日一緒に買い物に行って、フードコートで食事をした時の話。彼女はチャイニーズフードを食べると言う。小食の彼女は1品だけ”Fried Rice(チャーハン)”をオーダーした。そして私は驚愕した。


チャーハンを、米と具に分別している。


えっ?何してるの?って思ってみていたら彼女は言った。


”I don't like vegitables”(野菜嫌いなんだー)


だそうで。

ほうほう、フムフム、なるほど、野菜が嫌いなのね。だから米と野菜を分けて食べるのね、納得納得。。。。



する訳ないだろーーーーーっ!



心の中でおいでやす小田くらい叫んだ。


だったらチャーハン選ばないで、もっと食べやすい物を頼めばいいだろー!


と、もう一発おいでやす風に叫んだ。


ハワイのフードコートで食べるチャイニーズのチャーハン、お米がめちゃくちゃパラパラというかパッサパサ、しかも野菜細かいから、それを取り除きながら米の部分だけ食べる。しかも一粒の交じりもない野菜だけが端っこに小さな山の様になっていく。それはある意味職人技ともいえるくらいの技術、そりゃもう衝撃でした。私がこれやったら多分親に注意されてるし、私もこれは娘を注意すると思う。

いろいろツッコみたいけど、ツッコめるような関係にまだあらず、それよりも何よりも


”英語でツッコめる技術がねぇ・・・(泣)”


この衝撃をどうしたらいいものかと思いつつ、帰宅したあとマトさんに話したら、

”キライ ナラ シカタナイ”

の一言で済まされた。まぁ、そりゃそうだけど。アメリカ人って他人の事や、周りにどう思われるとか全然気にしないんですよね。マトさんもまた、アメリカ人だから、残念ながらこの違和感を分かち合えない。お笑い番組見て笑いを分かち合えないくらいに悔しい。


”自分は自分、人は人”


という考え方の人が多い自由の国アメリカ。私は日本で育ってるから”周りの目”って結構気になっちゃう方。服装1つにしても気になる。例えばマトさんがめちゃくちゃお気に入りの思い出いっぱいの高校生の時に買ったというボッロボロのTシャツを着て買い物に行かれるとちょっと気になるけど、本人は全く気にせず。

”他人がどう思おうと、自分は自分”

という考え方に揺るぎない人種、アメリカ人。日本人は”協調(ハーモニー)”という文化が根付いてるから、人に気を遣う事がとっても得意だと思う。私も周りの目を気にしてというか、一人だけはみ出さないようにみたいな感じが当たり前だった。だけど、はみ出すことは悪いことではないと、アメリカに暮らしてみたら身に染みたのも事実。


”はみ出しても、周りに迷惑をかけてなければいい”


と思えるようになった。突飛なデザインでおったまげな見た目でも、ボッロボロの思い出いっぱいTシャツ着ていても、うちのマトさんは基本優しい人だし。日本にいると”枠にはめる、はまる”事が結構当り前だったりするけど、

”ブレない自分”

をしっかりと持ったクセスゴアメリカ人や、世界の人々の中に飛び込むと、周りに合わせて生きる必要はないかなって気が付く人も多いと思う。ちなみに自分の信念を通すことと、自分勝手に生きることは違うので、悪しからず。


そんなこんなで、チャーハンから衝撃をいただいた彼女とはもう10年以上会ってないけど、今だにFacebookとかでたまに連絡が来る。文化や習慣が違くても一緒に夫がいない時間を過ごし、子供たちを遊ばせたりした、ネイビーワイフネットワーク的に繋がっている。

その彼女が、彼女のご近所さんからいい情報を仕入れてきてくれた。

”コミュニティセンターで朝のプレイグループがあるらしい”

という事だった。早速行ってみようという話になって、1人で踏み込むのはちょっと緊張するけど2人で子供を連れて朝の散歩がてら参加してみることにした。


”Play Morning(プレイモーニング)”


文字通り”朝に遊ぶグループ”だった。ミリタリーのYMCAが主催するそのグループは、コミュニティで暮らす奥さんや旦那さんが、子供達を連れて集まって、YMCAが準備してくれたおもちゃで遊んだり、工作をしたり、歌を歌ったり、読み聞かせをしてくれる2時間くらいのイベントだった。しかも無料だった!まだよちよち歩くか歩かないかくらいの娘を連れて参加したこのグループ。そこで私は運命の出会いをした。しかもたくさんの運命の出会いだった。


”日本人妻たち、発見!”


結構衝撃の出会いだった。ハワイに戻ってきて数か月、ハワイに暮らしていても、私の周りには日本人がいないなって思っていたら、こんなところにいた!うちの娘と歳の近子供がいるママ達、発見です。

週2で行われているというこのプレイモーニングに通った事で、それはそれは色んな人とお友達になる事が出来た。いわゆるママ友という関係だけれど、子供達が成長し、それぞれ違う学校に通い、ハワイを離れていった家族もたくさんいるけれど、このプレイモーニングを通して出会い、今でもかけがえのない存在となっている友達みんな、


”私の人生の宝物”


大変だった子育ても、外国での生活も、楽しかった時間も、みんな彼女達と一緒だったから乗り越えてこられた。それは友達なんていう言葉では片づけられないほど濃ゆーい関係。助け合い、支え合い、そして分かち合う。友達以上家族未満なあたし達。困った時でも”みんながいてくれる”という安心感があったからこそ、夫達が留守の日々も乗り越えられた。


マトさんと出会った時は”ビビビッ”とは感じなかったけど、この友達以上家族未満の多くの仲間との出会いは割と”ビビビッ”と感じた出会いが多くて、目と目で通じ合う~♪感じだった。その中の1人、93mamaとの出会いは強めのビビビッとだった。何だろう、この感じ。初めて会ったけどすでに家族のような・・・。一気に打ち解けて仲良くなった93mamaは、プレイモーニングから出来た私たちのネットワークをこう名付けてくれた。


”ご近所運命共同体”


まさに、しっくり来るこの名前。私が出会った仲間達とは人生を分かち合って共に過ごしてきた存在です。ハワイを離れても、子供達が育って自立しても、一緒に過ごしてきた日々は人生の宝物だと思う。離れていても近くにいても、その関係は現在進行形。


中2の夏休み、家族で降り立ったハワイで感じたあの”ビビビッ”の正体。


私はやっぱりハワイに来る運命だったと思う。もちろんマトさんとの出会いもそうだけど、あの時感じた何かはきっと彼女たちに、宝物たちに出会う為のビビビッだったと、今ではそう思う。

そんな宝物を手に入れた私のハワイ生活は100万倍心強くなり、そして楽しくなり、マトさんがいない日々も”ちゃーらーへっちゃらー!”くらいになっていった。

1人1人の名前は書ききれないけど、きっとわかっている”ご近所運命共同体の仲間達ー!” 聞こえてますかー!届いてますかー!


You達、私のタカラモノだよ





《今日のヒトサラ》

・Fried Rice(チャーハン)

”パラパラチャーハン”って美味しいチャーハンの条件の1つみたいな感じだと思うけど、アメリカの米は元々”パラパラ”というか”パサパサ”な物が多いため、パサパサチャーハンに出会う確率が多い(笑)そのパサパサチャーハンの米と具を分けたアメリカ人のお友達の技というか、意地でも野菜を口にしないという信念はすごいなと思った(笑)私のチャーハンはもちろん春美さん(母)仕込みの作り方。多めの油に卵を溶いて、半熟のうちにライスを入れて、ここでよくほぐし炒めて、米をパラパラにするのがコツだと教わった。今でも忠実に母の教えを守って作るチャーハンですが、最近の我が家では娘がチャーハン担当になってます。母から私へ、私から娘へ。







エッセイに登場する”出演者”である家族に”出演料”として温泉旅行をプレゼントするのが目標です。イッテQ!の温泉同好会の様な宴会をすべく、各自芸を磨いて待機中との事ですので、サポートしていただければ幸いです。スキ、シェアだけでもすごくうれしいです。よろしくお願いしますm(‐‐)m