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千国街道・塩の道を白馬から南小谷まで

 千国街道(ちくにかいどう)は、長野県松本市から新潟県糸魚川市に至る街道である。また,ここは塩の道として、古代から利用されてきた道でもある。
白馬から南小谷まで約10kmを自転車で走った。

 白馬八方を出て,148号線よりひとつ中に入った道を行くと,平川神社があった。

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 祭神の誉田別尊は応神天皇,息長足比売令はその母の神功皇后である。応神天皇を祀った神社の多くは八幡神社。ここも鳥居の扁額には「八幡宮」と書いてあった。

 少し行くと,白馬は「雪女」の里,という案内板があった。倒れているのは「信濃路自然歩道」の道標。

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ここでの雪女の話は,小泉八雲の「雪女」によく似た話だが,小泉八雲の方が恐ろしいのに対して,こちらは少し違う。

 ある日,岳山(たけやま)へ猟に行った箕吉は,吹雪のため山小屋に逃げ込んだ。そこに娘の声がして,「山がどんなに荒れようと,私はおまえさんを守ります。でも里に帰ったら,わたしのことは誰にも言わないでください」と言って吹雪の中に消えた。
 二年が経って,やはり吹雪の夜,「旅のものです,泊めてください」と娘が来る。
娘の名は小雪。箕吉はその娘と夫婦になり,子どもも産まれ,評判の働き者だった。
 ある吹雪の夜,箕吉は岳山での出来事を小雪に話す。すると「おまえさん,とうとう約束を破って」と言って小雪は姿を消してしまう。

という,なんとも切ない民話である。
 このような,「○○をやってはいけない」と言われていたのにやってしまって・・・ という話は結構ある。異類婚姻譚というらしい。子ども向けの民話では鶴の恩返し,日本神話では,ホオリノミコト(海幸彦山幸彦の山幸彦の方)と豊玉姫の話,倭迹迹日百襲姫命(ヤマトトモモソヒメノミコト)と大物主の話など。

 さて,148号線に合流し,松川にかかる橋から北アルプス方面を眺める。(タイトル写真)安曇野からずっと,少し大きな川では,このような風景が見られる。いかにも清流。

道は,大糸線とほぼ並行しながら北上する。

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小谷村に入る。地酒の石川商店。ここで,小谷錦,白馬錦,大雪渓,の3本を買う。もちろん宅配。大雪渓はうちの近所の酒屋にもその後入ったが,小谷錦は地元だけのようだ。そして,これがいい酒だった。

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 南小谷駅到着。白馬からやはりほとんど下りで(若干の登りはあったが)余裕の到着。

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さらに少し行った,おたり名産館で,そばと山菜のてんぷらを食べた。

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 実は,バスで雨飾山方面に向かい,蕎麦屋「蛍」を目指したのだが,長野県神城断層地震(2014年)のあとで休業中だった。そう,訪れたのは2015年の7月だったから,まだ被害のあった小谷村付近は復旧していないところが結構あったのだ。

 姫川に降りてみた。上にあるのが南小谷駅。後日,この姫川の源流を目指して行くことになるのだが,その話はまたいずれ。

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