Webデザイナーを振り返る〜3年目の学びと反省
こんにちは。Eveです。
デザイナー人生を振り返る記事を書いています。
3年目に突入です。
1年目と2年目の記事はこちら ↓
3年目は1社目を退職し、別の制作会社に転職をしました。
1社目は、とある業界専門のポータルサイト運営が主軸だったこともあり、それに伴い、サイト作成の主要顧客もほぼ同業で、サイト自体もパッケージ売りを行なっていました。
よって、ある程度“ルール”があり、それを掴みながらデザインしていくようなやり方で進めていました。
デザインの基礎はたくさん学ばせていただいたのですが、「さまざまな業種のデザインがしたい」という気持ちが強くなったかつ、組織でモダンなコーディングはできておらず、これからもそこまで重要視されないだろうと感じていたため、幅広い業界のクライアントワークをメインに行なっていて、フロントエンドも担当させてもらえる制作会社へ就職を決めました。
しかしながら、環境を変えればまた新たな壁にぶち当たるわけですね。
3年目の業務内容
1ヶ月、2~3案件を常に同時進行
ディレクター業務もやり始める
保守更新
3年目は環境を変えたことで、新しい技術を一気に覚えた年でした。
サイトビジュアルの作成ツールをPhotoshopからXDに変え、
ターミナルの黒い画面にコマンド打ちまくり。
Git、SourceTree等を使用したソース管理もこの年でやっと実務経験を得ます。
3年目の壁
デザインの引き出しが少なすぎた
前述の通り、これまでは同業種のデザインを熱心に行なっていたため、スポーツ系・不動産・音楽フェス・フレグランスのECサイトなど、目まぐるしく依頼いただく多業種の案件に対し、自分の手数が少なすぎることを痛感しました。
デザインデータを見て先輩方の技を盗み、フィードバックの内容を叩き込み、過去の実績を研究し、トレンドデザインをインプットし…と、1年目とさほど変わらない自己研鑽を行なって、なんとか納品日に間に合わせる毎日でした。
ただ、1社目で経験したデザインレビューが活きたのか、FBをもらう際の意図の説明や「どこに悩んでいるからアドバイスが欲しい」などを明確に伝えられるようになっていましたし、インプットの際も以前と比べると注視するポイントが細かくなったためか、質が高くなっていることは実感できました。それは良かった。
案件のスピード感半端ない
1社目でも「早く納品して」と言われることはあったのですが、「素材と色変えるだけでいいから」「コードもアニメーションもそのままでいいから」のような、“手抜き”承諾でスピードを求められることがほとんどでした。(あるあるになってる末端の制作会社多いと思う…)
また、進め方も、ほぼ変わらない機能のサイトをデザイン・コーディングして、1つ終わったら次の案件というスタイルでした。
ただ転職してからは、細かい打ち合わせの上に設定したコンセプトがあり、機能もサイトごとに違い、しっかり作成したトンマナ、コンテンツが備わった上で、スピード感のある作業が求められました。
また、担当している間に次の案件の依頼が来て、うまく頭を切り替えながら業務を推進する、という一生マルチタスク状態で業務を進める能力も必要でした。
3年目はこのスピードに血眼になってついていっていた気がします。
深夜帯まで作業をしてしまい、「あんまり無理しないで…」と声をかけれられたこともあります…。
ただこれに関しては、キャパオーバーというより、自分の技量不足であることが明白だったので、なんとか追いつこうと必死になっていました。
スピードと丁寧さの両立
ただ速ければいいってもんではないのがさらに壁でした。
1社目では見た目に崩れがなければ、コードレビューをされることはほとんどありませんでした。個人的に興味があってCSS設計の学習はしていましたが、それチームで取り入れていたわけではありません。
転職後はチームでのコーディングルールも策定されており、「マークアップはこっちの方が適切だよ」「このCSSだと機能追加するときに運用しづらいかも」と指摘いただくことが多くなりました。
またJavascriptも「わざわざ重いプラグイン使わなくてもかける」「競合することもあるからできれば純粋なJavascriptで書こ」という意識や、やり方が組織的に浸透していました。
私はjQueryプラグインに頼りまくっていた人間だったので、エラーのデバッグがまったくできない状態で、「console.logを上手に使いなさいな!!」を3年目になってようやくやり始めています。
更新作業の際に、先輩方が作成したソースを触った時、設計がしっかりできたコードの場合はすぐに作業が完了します。「コードの設計ってめちゃくちゃ大事じゃねーか」と実感しました。
デザインデータに関しても、以前は一度作ったらもう二度と触らないようなサイトが多かったのですが、転職後はXDのクラウド共有で何度も同じデータを編集していく作業が多くなりました。
これまでの私は、ぐちゃぐちゃで書き出しづらいレイヤー・コンポーネントやパディングなど利用していないために可変しない要素…など、ほんとに「汚データ」を作ってしまっていました。
コーディングのみの案件で先輩が作成したデザインデータを見た際にかなり衝撃を受けたことを覚えています。
「画像が一定のサイズで、一気に、スムーズに書き出せる…!」「レイヤー名でどこの要素かわかる!」「コーディング中に要素を増やして欲しいと言われても、わざわざ新しい要素を作らず、既存の要素のテキスト調整だけで解決できる…!」
などなど…なんて丁寧で気遣いに溢れたデータなのだと…
一旦の完成に向けたスピードばかり意識して、ぐちゃぐちゃのデータを作ってしまうと、結局その後に無駄な作業で苦しむことになったり、チームで作業しづらいことになるのだと身をもって感じました。
3年目の学び
技術的にも新しいことを覚えたので、成長実感が強い1年でした。
業界を変えたこともあり、対応するデザインの幅も広がりましたし、フロントエンドに関しての知識も格段に増えました。
マルチタスクはシングルタスクの積み重ね
複数案件を一気に担当することが増えたたため、1日に案件を跨いで作業することがかなり増えました。
初めの頃は頭の中の整理ができておらず、あれもこれも一気に考えて、蓋を開けたら何も終わってない!という状態になっていることもしばしば…
そこで、混乱する頭を整理するために、1つずつと向き合う時間をしっかり作るようにしました。
以下が考え方のbefore/afterです。
before(マルチタスク大爆発)
after(シングルタスク戦法)
もちろん、打ち合わせがあったり、急ぎの更新が入ったり、毎日同じスケジュールで動くことはまずないですが、すべて切り分けて考えるようにしました。
基本即レス女ですが、さっと見て急ぎなければリアクションだけして連絡対応の時間に返信をしますし、基本的にその作業中は他の作業を差し込まないように意識していました。
この意識だけで着実に作業が終わるようになりましたし、頭の切り替えもかなり上手にできるようになったと思います。
思ったことはしっかり伝え切る(感じ良くね)
転職後は、部署を横断して関わることが増えたり、私自身、ディレクションを担当する機会もいただいていました。
言われたことをこなすだけでは立ちいかないことがたくさんありましたし、入社初期は構成がひっくり返ったり、急な要望を受けた時もあたふたしながらすぐ着手しようとする私に、デザイナーの先輩方が「待った!」をかけて、間に入ってくださる状況も多かったです。
先輩方の仕事の進め方を見ているうちに、「おかしい!」と思ったことや、デザイナー視点で思うことなどはしっかり伝えた方がいいのだと学びました。
例えば、よく遭遇していたのは以下の状況です。
例1)クライアントからの無茶な要望
前日の夜中に「明日の12時までにバナーを一枚作って反映してください」の連絡。
こちらがその連絡を確認したのは当日の出勤時。
この日は、午前中に会議・もともと予定していた公開作業があり、社内のメンバーもそれぞれ案件対応がある。
この場合は以下をしっかり伝えるべきです。
依頼のスケジュールでは対応ができないこと
急ぎであれば「いつまでなら対応できる」
就業時間外の依頼で、次の日の午前中までの更新は基本的に難しい
例2)意図のわからないデザイン変更要望
「ここを目立たせたいので、太字で大きく赤にしてください」
言われた通りに作業するのは簡単ですが、「このまま作業したらサイトのこれまでのコンセプトが崩れるバランスになる。トンマナもめちゃくちゃに…
というかそれで目立つのか?悪目立ちしない?」という疑問がある場合。
なぜ「目立たせたい」のか、誰に向けて目立たせたいのか
「太字にしたい」「大きくしたい」「赤にしたい」に本当にやりたいことは入っているのか、「目立たせるといえば」で指示がでているのではないか
「太字」「大きく」「赤」以外にもやりようがあることを提示
コミュニケーション不足は、悪手なクリエイティブを生み出す原因になると思っています。
また、クライアントにお金をいただいて制作をしているものの、だからと言って私たちとの間に変な序列が存在しているわけではないとも思います。
思ったことはしっかり伝える。現実的な提案をする。
またその際に次も気持ちよく伝え合えるように柔和なコミュニケーションを心がける。
これだけでかなり業務がスムーズになりましたし、より信頼して仕事を任せていただけるようになったと感じています。
3年目の私を助けた書籍
サルでもわかるGit入門
3年目で、Git管理デビューを果たしたので、この本には大変お世話になりました…
もうコンフリクトが怖くない。
CSS設計完全ガイド
主要なCSS設計手法について、考え方や実践方法まで実例を用いて丁寧に記載されています。
たま〜に外部からソースをもらって作業する際も、こちらの書籍のおかげでそれぞれの設計に合わせて記載できましたし、この考えを持っていたらどんなレイアウトが来てもスムーズにコンポーネントが作れます。
豊富な作例で学ぶAdobe XD Webデザイン入門
今やFigmaユーザーですが…
XDデビューした私にコンポーネントとはなんぞや。運用しやすいデザインデータとはどんなもんかという基礎を与えてくれた本です。
こちらの知識を用いて作成したデザインデータは更新しやすいと評価してもらえました。
オブジェクト指向UIデザイン
3年目後期になると、複雑な機能を持つ管理画面の構築や、UIが要になる案件が増えました。
ただビジュアルを作るのではなく、「このゴールに向かうためにどういう設計をすべきか」の基本の考え方を専門的にがっつり学べます。
まとめ
技術面がかなり向上した年でした。
やっぱり新しい知識が身になっているという充実感は何ものにも代え難いですし、より仕事が楽しく感じるな〜と思います。
また、チームで仕事を進めるために必要なことは何か、仕事をどうやって進めていくと気持ちよく終えれるかを自分なりに理解できたことも非常に大きな一歩だったと思います。
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