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【取材】国分寺おもちゃ病院を訪ねて

以前、noteでスイッチを使って色んな可能性が広がることを書きました。
スイッチで広がる「できること」[前編]
スイッチで広がる「できること」[後編]
今回取材させていただいた「国分寺おもちゃ病院」も、スイッチの製作や、おもちゃの修理など、素敵な活動をされているということで、院長の角 文喜先生にお話を伺いに行きました。


国分寺おもちゃ病院とは

国分寺おもちゃ病院は壊れたおもちゃの修理や、障がい児のためのスイッチの製作・おもちゃの改良を行っています。
国分寺おもちゃ病院は、角先生のご自宅で開院され20年になり、今まで修理したおもちゃは、なんと6900件を超えているそうです!
そして、おもちゃの治癒率は95%とのことです。(素晴らしいですね!)

おもちゃの修理依頼は全国からやってくるそうです。
コロナ以前は、子ども達の科学の目を育てるきっかけになればと、対面で修理しているところを見てもらっていたそうですが、現在は全て入院と配送で対応しています。


おもちゃ病院を始めたきっかけ

角先生は元々、知的障がい児の養護学校の教員をされていらっしゃいました。当時は教材も自分で用意しなければならなかったそうです。
手作りの教材を使って教えていくなかで、ある日、スーパーの横に安いおもちゃを売っている露店のご主人と仲良くなり、そのご主人から壊れたおもちゃを貰い、改造して教材にしていったのが、おもちゃとの関わりのきっかけだったそうです。
そういった流れでおもちゃの改造や修理に携わるようになり、退職後、本格的におもちゃ病院をやられるようになりました。


電子工学を学びに専門学校へ

おもちゃの修理をする中で、より専門的な知識を学びたいと思った角先生は、教員を退職後、専門学校へ通い電子工学を学んだそうです。2年間、電子や電気のことを学び、3年目はロボット工学も学ばれました。
卒業時にはロボットの大会で優勝されたそうです。凄いですよね!

左上の写真が、二人一組で参加したロボットの大会で優勝した時のもの。


専門学校在籍時の3年間で、なんと7つの資格を取得されたそうです。凄いですね!
こちらがその一部。無線技士から電気工事士、家電製品エンジニアまで幅広い資格の数々です。


おもちゃ病院の風景

確かな技術と専門的に学んだ知識で、依頼のおもちゃを治していく、国分寺おもちゃ病院。棚には、そんなおもちゃの一部が並んでいます。
また「病院」と名が付いているように、修理されたおもちゃにはカルテも付けられています。

修理されたおもちゃや、スイッチの一部が並べられています。


修理されたおもちゃはカルテとともに、手元に戻ってきます。
どうやって治したかを分かりやすく理解してもらうための工夫だそうです。


カルテが入っているファイル達。
このファイルの厚さと量が、どれだけ修理したかを物語っていますよね!


数々のスイッチをご紹介!

おもちゃの修理も沢山やられている角先生ですが、Everyday heroの取材ということで、今回は先生が作られた色々なスイッチをご紹介したいと思います!

面スイッチ

丸い面を押すタイプのスイッチです。


中の構造はこんな感じ。
タッチ面の丸い部分は、実はダイソーのまな板を使用しているそうです!


実際におもちゃに繋いでみせてくださいました!
スイッチを押すと、ロボットが光って歌います!


紐のスイッチ

こちらの木の立方体のスイッチは紐で引っ張るタイプのものです。
透明の輪っかを使って引っ張ります。


面スイッチ(縦型)

手を横倒しにするようなかたちでスイッチを押します。


ビックリスイッチ

こちらの丸い球面タイプは押すとライトが点きます。


こちらは、なんと録音ができます!
どんどん進化していきますね!


タッチスイッチ + 振動

スイッチを押すと振動が感じられます。
タッチ部分のケースはダイソーのリップケースを利用しているそうです!


奥の緑のスイッチは、タッチ部分を大きくした振動タイプです。
手前のスイッチは、マジックテープで指に固定できる振動タイプのものです。


タイマー式スイッチ

タッチ面から手を離してしまうと動作が止まってしまうことから、
入力時間を延ばすためのタイマーもあります。


リモコン型スイッチ

繋ぐタイプではなく、リモコン操作型のスイッチもあります。


おうたえほん

こちらは、角先生が最高傑作と自負されておりました!
左上のツマミを回して選曲ができます。


色々なスイッチ

紹介していただいたスイッチの数々!


沢山の種類のスイッチが一堂に会すると圧巻ですね!
それぞれのスイッチも、もっとこうしたら?などの試行錯誤の結果、改良されていった変遷も伺えて、とても面白かったです。

あと、意外と100円ショップなどをうまく活用しながら作られている話を聞き、スイッチを自作される方にも、参考になるのでは?と思いました!
(教えていただくまで、まさか100円ショップのものを使ってるとは思わず、ビックリしました!さすがの高クオリティです。)


仕事場の風景。沢山の工具が並んでいます。


たくさんの器具で、あのスイッチが作られたり、おもちゃが修理されているんですね。


自分が楽しんでいることで、人が喜んでくれる

実際に作られたものやお話など、色々と伺った今回の取材で、印象に残ったのは、
「この活動は趣味でやっていることです。自分が楽しんでやっていることに、人が喜んでくれるのは、二重の喜びです。」
という、お言葉でした。
そして、実際に訪れた仕事場の様子や、製作されたものを見ると、本当に楽しんでやられているんだなということが、ひしひしと伝わってきました!


仕事場をバックに1枚。

角先生、貴重なお話をどうも有難うございました!
国分寺おもちゃ病院の活動の詳細は、ぜひホームページからご覧ください。


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