不定期連載小説『YOU&I』37話
中野は小金井に話しかけるべく、次の授業の教室への走っていった。そして教室内に着くと、小金井の姿を見つけ、声をかける。
「こんにちは! 隣座っても大丈夫?」
急に話しかけられた小金井だったが、まるで驚く素振りも見せず、
「いつも一人だから大丈夫」
と答えた。
「ありがとう! 私は中野亜希って言うの。よろしくね!」
対する中野も、全く気にせず自分のペースで話しをしていく。
「私は小金井立夏。よろしく」
「立夏ちゃんって言うんだ! 凄いいい名前だね!」
「! あ、ありがとう」
それまで何も動じてなかった小金井だったが、中野に名前を褒められると少し顔を赤らめた。
「あ、あなたの名前も素敵だと思うよ」
「えー! 本当に! ありがとう! なら亜希って呼んでくれていいよ! 私も立夏って呼んでもいい?」
「うん。よろしく、亜希」
「こちらこそよろしくね! 立夏ちゃん!」
さすが中野と言うべきか、小金井の性格も相まってか二人はこのやりとりだけで仲が深まっていた。
「立夏ちゃんはさ、夏休み何か予定あるの?」
「ううん。バイトがあるくらいで、その他は特に何にもないよ」
「へー! だったらさ、私たち夏休みに旅行に行こうと思ってるんだけど、一緒に行かない?」
「旅行? どこに行くの?」
「どこかはまだ決めてないんだ。でもせっかくだから1泊くらい出来たらなって考えてるよ」
「……私、そんなにお金持ってないけど大丈夫?」
「うん! 私たちも全然お金ないから、そんな高いところなんて行くつもりもないよ! もし良かったら、安く行けるように一緒に考えよう!」
「それでよければ私は全然大丈夫だよ」
「本当に! ありがとう!」
こうして小金井はあっさりと一緒に旅行へと行くことが決まった。
「……その旅行に春樹も来るの?」
小金井は中野へと質問をした。
「うん! 春樹くんも一緒に行く予定だよ! それと、私の友達の智美と冬真も一緒に行く予定だよ!」
「そっか」
「あ、今度その二人も紹介するよ! 二人とも凄い良い人たちだからすぐ仲良くなれると思う!」
「うん、ありがとう」
そして、この後も中野と小金井は色々なことを話した。二人とも人見知りをしない性格もあってか、どんどんとその距離は縮まっていく。授業が終わる頃には、お互いの連絡先も交換し完全に打ち解けていた。
▶To be continued
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