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不定期連載小説『YOU&I』47話

勘違いが勘違いを呼び、人間の関係は複雑になっていく。糸さえほぐれてしまえば、何てことはないことでも、その糸はどんどん絡まっていく。

國立を中心とした5人は、まさにそういった状態となっていた。そして、また新たに一本糸が加わろうとしていた。

小金井は、授業が終わり家へと帰っていた。その道すがら、國立らの関係をどうすればいいのか悩んでいた。神田たちに相談すべきか、それとも自分一人で何とかするべきか。

そんなことを考え道を歩いていると、

「あれ、立夏? 何してんの?」

と自分を呼ぶ声が聞こえた。振り返ると、一台の車が小金井の横へとついた。そして、その車には一人の男性が乗っていた。

「大久保さん?」

声をかけてきたのは、小金井のバイト先の先輩である大久保俊哉だった。大久保は、小金井とは違う大学の3年生。いつも明るく、人見知りの小金井ですら懐くような人柄の先輩だった。

「学校帰り? 良かったら近くまで送ろうか?」

「え! いいんですか! ありがとうございます!」

そうして小金井は大久保の車へと乗り込んだ。

「先輩も学校帰りですか?」

「ああ、そうだよ」

「今日はバイトですか?」

「いや、今日は休みだよ」

「……じゃあ、少しだけお茶でもしませんか?」

「え? 今から?」

「はい。どうしても相談したいことがありまして」

小金井は、國立たちのことを大久保に相談しようと考えた。

「うーん。まあそんなに時間とれないけど良い?」

「はい! 少しだけで大丈夫です!」

「なら、コンビニで飲み物でも買って、車の中とかでも大丈夫?」

「もちろん!」

そうして小金井たちはコンビニの駐車場に車を止めた。

「はい、これ飲み物」

大久保はコンビニから戻ると小金井へと飲み物を渡した。

「ありがとうございます! お金いくらでした?」

「いいよこれくらい。で、相談って何なの? 確かにさっき難しい顔して歩いているなって思ったけど」

「ありがとうございます。で、相談したいことっていうのは、人間関係についてです」

「人間関係? なんか揉め事?」

「私自身のことではないんですけど、友達と友達が仲が悪いみたいで……。でも、どうやらそのことは周りには隠しているらしく、他の人たちは気づいていないんです」

「へぇー。何で隠してるんだろうね」

「私も詳しいことは知らないんですけど、何か事情があるみたいですね。で、それが悪いことに一緒に旅行に行こうなんて話が出てまして」

「旅行? その子たちも一緒に?」

「はい。私も一緒に行こうって誘われてるんですけど、どうもその友達は行きたくなさそうで。こういう時どうしたらいいのかなって思って。先輩は人付き合いもたくさんありそうなので、相談できればと思いまして」

小金井はそうして大久保へ相談を始めた。

▶To be continued



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