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不定期連載小説『YOU&I』19話

「今度の飲み会、お店の予約とれたよ!」

そう元気に話してきたのは神田だった。中野の引っ越し祝いという名目で、いつもよくいるメンバーたちで飲み会を開くことになっており、國立もそのメンバーの一人である。

「明日の6時に駅前のコンビニに集合で! そこから歩いてすぐのところだから! 一応お店の情報をLINEで皆に送るね!」

神田は皆をまとめるだけでなく、気を使えて優しい性格だなと國立は改めて感心した。そして、國立にとって初めての飲み会。楽しみ半分、緊張半分といったところであった。

「明日休みだし、飲み会前に遊ばない?」

神田の話しを聞いたあと、市ヶ谷は國立にそう話しかける。

「え? い、いいよ。明日一日暇だし」

「よし、ならどーする? 何かゲームとかしたよな? ウイイレとかやったことある?」

「ウイイレってサッカーゲームだっけ? いや、やったことないかな」

「マジ? ならパワプロは?」

「あぁ、野球ゲームだよね。いや、俺ゲーム自体あんまりやらないんだよな」

「マジで? え、なら今まで暇なときとか何やってたの?」

「んー、本を読んでばっかだったな」

「マジかよ、スゲーな。……よし、ならゲームやるぞ! 春樹にゲームの楽しさを教えてやるよ」

「本当に! 実はこっそりとやってみたいって思ってたんだよ」

「なら決まりだな! どこでやる?」

「そうだね。うちにはそもそもゲームないし、冬真の家は?」

「いや、うち狭いし兄弟いるからなぁ。……ゲーセンだと金かかるし、どうするかな」

二人はどこでゲームをやるか頭を悩ませる。その時、

「ならうちでやろうよ!」

と後ろから元気な声が聞こえた。二人が振り返ると、そこにはドヤ顔の中野がいた。

「……え?」

市ヶ谷が聞き返すと、

「うちだよ! うちなら一人暮らしだからゲームでもなんでもできるよ! それに何て言ってもうちにはPS4もあればスイッチもあるのです!」

と中野は自慢げに答えた。

「マジで? お前ゲーム好きだったっけ?」

市ヶ谷は意外そうな顔で問いかける。

「うん! さすがにウイイレとかパワプロは持ってないけど、RPGとか結構やるよ。ソフトとコントローラーは冬真が持って来てくれたらみんなで出来るでしょ?」

「確かに……。てか俺ら男だけど家入ってもいいの?」

「全然いいよ! うち寮とかじゃないから、特に男性禁止でもないし」

「……そっか。でもさすがに俺らだけで押しかけるのもあれだから、智美も呼ぶか?」

「いいね! そうしよう! 智ちゃんに声かけておくね!」

「よし! なら決まりで! 明日の昼過ぎくらいに行くよ。あとで家の場所LINEしといて」

「OK! ならまた明日ね!」

市ヶ谷と中野の話はスムーズにまとまり、明日の昼に中野の家に遊びに行くことになった。國立が口をはさむ隙は全く無いままに。

(……待て待て待て。え? 俺明日中野さんの家に行くの?)

そう考えただけで、國立は顔から血の気が引いてくことを感じた。

▶To be continued

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