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不定期連載小説『YOU&I』64話

大久保との電話が切れたとき、國立は自分の中でも何かが切れたような感覚を覚えた。

大久保は皆と旅行に行っており、自分は家にいる。

ついこの間までは全く知りもしなかった人が旅行に行っていて自分はいない。もちろん、これが全て自分の責任だということは理解していた。全ては自分で蒔いた種。

しかし、本当に旅行へ行かなかったことを少しだけ後悔した。もうこれで全てが終わる。皆とも距離が出来てしまい、この後も普通に接することは出来ない。

そう思ったとき、中野たちと出会ってからのこの数ヶ月が一気に頭の中に流れ込んできた。

初めて親友になりたいと思った市ヶ谷のこと。そして、その笑顔を見るだけで幸せになれた中野のこと。

もう全てが過去のことになる。

國立の頬に、一粒の涙が流れた。

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