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不定期連載小説『YOU&I』57話

翌日、國立と小金井は授業で一緒になり、昨日のことを話していた。

「このあと冬真たちと授業一緒になるからさ、昨日のことを話そう。断られてもしょうがないと思うから、無理にお願いとかするなよ?」

國立は小金井に釘をさすように言うと、

「うん、わかった」

と小金井も返事をした。

そして、二人で教室へと向かうと、そこには既に市ヶ谷と神田が座っていた。

「お、春樹おはよう! あ、小金井さんも一緒なんだ」

市ヶ谷は國立のことを見つけると、笑顔で挨拶をした。それに続いて、

「春樹くん、立夏ちゃんおはよう!」

と神田も挨拶をした。

國立は、この二人の笑顔を見ると少しだけで心が痛む。自分はこんなに卑屈なのに、この二人は何も気にせず接してくれる。それがありがたくもあり、申し訳なくもあった。

「お、おはよう。あ、二人とも今少しだけで話し大丈夫かな?」

國立はそう話しかけ、昨日の大久保の件を小金井と話し始めた。

「……ってことで、その大久保さんって方が車を出してくれるなんて話も出たんだけど、いきなり知らない人が参加するのも微妙だよね。嫌だったら断るから、無理しなくてもいいんだけどどうかな?」

と、國立が話すと

「でも大久保さん、本当に良い人だから」

と小金井も少しだけで口を挟んだ。

神田と市ヶ谷は二人で顔を見合わせてから、

「うーん、俺はまだその人ニ会ったことないから何とも言えないけど、逆にこんな知らない俺たちのために車出してもらってもいいのかな?」

「そうそう、逆に申し訳ないというかね」

と話した。

「そこら辺は大丈夫だよ。大久保さんも運転好きらしいし、人見知りとかする人じゃないから!」

二人の話しを聞き、小金井は笑顔で答える。

「……おい立夏、無理に勧めるんじゃないって言っただろ」

國立は小声で小金井に注意をしたが、小金井は気にしていない様子。

「もし良かったら、今度みんなで一緒にご飯でも行かない? それで大久保さんに会ってもらって、決めてもらえば一番いいかなと思って」

と二人へと提案をする。

「まあ俺は全然大丈夫だよ。小金井さんがそんなに推す人なんて、どんな人か会ってみたいしね」

市ヶ谷がそう言うと、

「私も全然いいよ! 亜希も会ったことあるなら嫌がらないと思うから、私から亜希に話しておくよ!」

と神田もそのことを了承し、あっさりと食事に行くことが決まった。

「ありがとう! なら私から大久保さんに連絡しておくね!」

小金井は笑顔でそう答えるが、國立は苦笑いをしていた。

そうして授業が始まり、1日もあっという間に過ぎていく。國立は全ての授業が終わり、一人で大学をあとにした。

一人で帰りながら、

「はぁ……。なんでみんなあんなに良い人かのかなぁ。なんか俺だけ大久保さんに反対して嫌な奴みたいじゃん。あーあ、もう旅行もご飯も行きたくないなぁ」

と肩を落としながらつぶやいた。しかし、そうは思っていても断れないのが國立の性格。その後も話は進んでいき、今週の土曜日の夜、みんなで集まってご飯に行くことが決まった。

そうしてあっという間に土曜日を迎えたのだった。

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