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不定期連載小説『YOU&I』48話

小金井は、バイト先の先輩である大久保に國立らのことを相談していた。

「やっぱり、二人の仲が悪いことを周りに言うべきでしょうか?」

「うーん。ちなみに、なんでその二人は仲が悪いの?」

「そこまではわかりません。ただ、お互いを避けるようなことをしているのは事実です」

「ふーん……。よくわからないのが、なんでその人たちは一緒に旅行に行こうとするんだろ。お互い避け合うくらいの仲なのに、旅行は一緒行こうとしてるって何か変な話しだよな。俺だったら、さすがに嫌な人とは旅行行かんけどね」

「二人とも良い子なんですよ。お互い、友達に気を使わせちゃダメだって思ってるから、言い出せないんじゃないでしょうか」

「……ちなみに立夏は元々その二人と仲が良いの?」

「そのうちの一人とは、あることがきっかけで仲良くなって、もう一人とは本当に最近話すようになりました」

「へー。なら、元々仲良かった方に旅行に誘われたとか?」

「いえ、旅行に誘ってきたのはもう一人の方です」

「え? 知り合って間もないのに旅行に誘われたの?」

「はい。そうなんです」

「……よく一緒ニ行くって決めたよね」

「?」

「いや、そんな知り合って間もない人たちといきなり旅行に行くって中々じゃない?」

「……そうですか? 私はあんまり気にしませんが」

「……そ、そう。ま、まあそれはいいや。で、立夏はどうしたいんだっけ?」

「……私は二人とも好きなので、二人が嫌がるようなことにならなければいいなって思ってます」

「つまりは、どちらかが旅行に行かないってこと?」

「……多分そうだと思います」

「それなら話は簡単じゃない? その仲の良い方に、立夏から話して色々な理由つけて旅行キャンセルしてもらえばいいだけじゃん」

「……そうなんですが……」

「ん? まだ何かあるの?」

「……本音を言うと、私はその彼に旅行に一緒に行ってほしいんです」

「へ? なんで?」

「……それはよく分かりません。ただ、このまま簡単に彼だけ旅行に行かないっていう選択はとりたくないんです。だからこうやって先輩に相談をしたんです」

「えー? そんなこと言われてもなぁ。他に方法なんて思い浮かばんよ。第一、俺はその二人のこと会ったこともないしな」

「……確かにそれもそうですね。……会いますか?」

「は?」

「その子たちに会いますか? そしたら、私の言っていることがよりわかりやすくなると思うんです!」

「まあそれはそうだろうけどさ。会うっていつ会うの?」

「今から行きましょう! 片一方の子のバイト先を知ってるんですよ! すぐ近くのカフェなのでそんな時間もかかりません!」

「ちょ、ちょっと待ってよ。急展開すぎない?」

「でも、せっかくなので少しだけお願いしたいです! 顔を見るだけでも大丈夫なので!」

「ええ……」

こうして、小金井の勢いに押され大久保は中野がバイトをしているカフェへと向かうことになった。

▶To be continued

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