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13.入院中に起こる内的要因を向き合う

ピエロの涙。映画ジョーカーは見ましたでしょうか?この写真、切ないシーンです。私は退院してから見始めたんですが、つらくてまだ最後まで見ることができていません。ところでこのシーン、なぜ涙を流しているのでしょうか?自分ではどうしようも抑えられない衝動とずっと戦っているように私は感じました。

今回は私に起きた内的要因、それに対してどう向き合ってきたか、脳出血してから一番つらい経験でしたが共有できればと思います。

入院生活を送っていると心を揺さぶられてしまうショックなこと(外的要因)は日々起こりますが、自分の反応を受け入れ、呼吸し心が落ち着くまでやり過ごすことで対処してきました。下記は前回書いた内容になります。

ゆっくりですが平常時間を重ねることで自分の自信に繋げていくことができると思います。ただこれは自分の周りで起こったことに対して自分がどんな反応をするのかコントロールできるようになるというお話でした。

新たな困難

本当に怖かったことは自分自身にも色々な症状が現れてくるということです。もしかしたら脳障害の一つかも知れないという恐怖との戦いでした。自分の身に起こることをありのままに受け入れることはとても難しいことです。

一番苦しんだのは笑いを抑えることができなくなってしまったことでした。長い間克服することができず、これが原因で仕事復帰(と言うよりも人前に出ることすら)を諦めかけました。

それは突然始まる

最初は友人とのメッセンジャーで他愛もない話をしていた時のことでした。その会話がおかしくつい声に出して笑ってしまいました。そこから変なスイッチが入ったかのように笑いが止まらなくなってしまいました。

ベットの上で声を押し殺して笑い続け、むせて咳き込んでも笑いを止めることができず10分ほど笑い続け突然止まりました。汗と涙とよだれが大量に出てしまいました。自分でコントロールできたわけではなくただ止まりました。頭がガンガンして激しい目眩に襲われました。

目に入ってくるものが全て怖い

キッカケは面白い話でしたが、笑いのスイッチはどんどん緩くなり、視界に入ってくるもの全てが対象になってしまいました。とは言っても全てに対して笑ってしまうのではなく、笑ってはいけない状況を察すると笑い出してしまいます。たとえ面白くないことでも全てです。

例えば看護師さんやリハビリの先生と目を見て話をする時、同じ病室の患者さんの顔を見た時、検査に行く時すれ違う人の顔を見た時などです。メッセンジャーを開くことも怖かったです。

相手の分かってもらえない辛さ

看護師さんに相談しても出血の部位は感情をコントロールするところではないので障害では無いと思いますとのこと。もちろん先生に聞いても同じ見解でした。

この症状は退院してからもしばらく続いており、怒っているより笑っている方が良いじゃないとみんな励ましてくれますが、その笑いも話せないくらいむせてその状態が10分も続いてしまいます。呼吸するのも辛いくらいです。

さすがに相手も顔が引きつってしまいます。そのリアクションが一番恐怖でした。ジョーカーは映画の中で笑いが止められなくて相手にカードを差し出すシーンがあるんですがまさにあの状況です。

失笑恐怖症

これは脳障害ではなく(脳障害でもそういう症状はある?ようですが私は違ったようで)強いストレス下にいると発症するようです。

父も退院後やはり笑いを止めることができないことが長く続いていました。30年も前の話なので心の病であることも広く知られていたわけではなく脳障害の一部だろうと思っておりました。私は笑い出したら止まらなくなってしまう父親が本当に情けなくて嫌でした。そんなことを思ってしまっていたバチがあたったのかも。。。

ストレスの原因が特定できれば良いのですが、入院中はさまざまな状況が重なっており具体的に何が作用しているのか特定は難しかったです。

入院中は、先の日記で書いた外的要因も大きかったと思われます。さらにベットの硬さがなかなか合わず寝付きが悪いこともありました。常にケーブルが繋がっていることもストレスでした。書き出したらキリがありません。

体力の低下が原因?

退院してもなお笑いを抑えることはなかなかできませんでいた。入院中のストレスだけではなかったようです。そこで少し考え方を変えました。

もともと私は笑いを止めることが苦手だったのかも?そういえば思い当たる節がありまして脳出血する前から思い出し笑いが人より多かった気がします。

潜在的な弱い部分が体力が低下してくると出てくるのかもしれないと考えました。そうすると他にもいろいろなことが説明つきます。

・歩くことができなくなった。
・字を書くことができなくなった。
・悲しいことに遭遇すると涙が止まらない。
・気をつけていないとよだれが出てしまう。
・薬指と小指に力が入りにくくキーボードが打てない。
・ゆっくり話さないと(酸欠状態になり)頭が痛くなる。

体力と共に回復→確信を持つ

上記症状は体力の回復と共にひとつひとつ改善されていきました。最後の項目のゆっくり話すに関しては2ヶ月経ったいまも頭が痛くなりますが、これは嘆くことでもなく、今までがせっかち過ぎたと思い良い機会だからゆっくり話すようになろうとしています。ゆっくり落ち着いて話せば相手の状況も把握でき、話もよく聞くことができるようになった気がします。まだまだ修行の途中ですが。

結局は自分次第

結局外的要因も内的要因も全て受け入れ、起こっていること、感じていることに逆らわず心を落ち着けること。心の落ち着けかたはそれぞれ違うと思うので自分にあった方法を見つけられると良いですね。


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