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10.窓がある!(入院5日目)

表紙の写真は当日のインスタ・ストーリーズ。生きてるよ!を発信したい気持ちが強くなってきた頃です。
窓は本当に有難いです。ICUには窓が無かったので久しぶりに外の世界とインターフェースが持てた気持ちでした。
時計を見れば時間がわかりますが、そういうことではなく陽の光をみて時を感じることがどれだけ有難いものか、しみじみと思いました。

個室の価格

そういえば入院初日に渡された紙について妻と会話したことを思い出しました病室の1泊の料金について共有します。
大部屋7,000円、個室15,000円、VIP150,000円!入院初日に突きつけられると少しつらい気もしましたが明るく考えました。
もしかしたら死んじゃうかも知れないからどうせなら一番高いのにしてみるかー?と冗談を言ったところ、即答でNO!が返ってきました、そんな金を使うなら高級旅館に泊まりに行こう!ってそりゃそうですね。
結局SCUから退院できたので一般病棟(これらのプライスのお部屋)は使わなかったんですけどね。

こんにちは!SCU

車椅子を押してもらい引っ越してきた先はSCU(脳卒中集中治療室)です。生きるか死ぬかの危機は脱したとは言え、まだまだ集中管理下です。

それにしてもこの窓!デッカくてサイコーでした。外が見えるだけでこんなにも晴れやかな気分になるとは元気な時は思いもよりませんでした。
6ベットのうち大きな窓のあるのは窓側でもひとつだけでした。やっぱり私は何もかもツイている!と思うことにしました。
遠くにはオペラシティが見えるのも良かったです。、私はあそこで寝食も忘れガムシャラに働いていました。もう20年くらい前です、懐かしきオペラシティ。

歩いてトイレに行く!

もともとこれがピラティスをやる動機でした。命が消える寸前まで自分の足でトイレに行きたい。
訪問看護にたずさわっていた頃、現場のメンバーと同行させてもらった時のこと、裕福なご家庭のおばあちゃんの願いはただ一つ、最後まで自分の足でトイレに行く。お金ではない大切なことがある。こんなに早くに実体験するとは想定していませんでしたが。
この頃には点滴も外れておりトイレの頻度も落ち着いていましたが、それでも心電図の機械をつけてないといけなかったのでトイレが面倒でした、手順にするとこんな感じでした。

1.もよおす
2.ナースコール押す
3.ベットから車椅子に移る
4.心電図の三脚みたいな棒を引き出す
5.車椅子押してもらう
6.トイレ着く
7.トイレ済ます
8.ナースコール押す
9.迎えにきてもらう
10.車椅子押してもらう
11.ベットに移る
私:どれくらいすると一人で歩いていけるようになるかなー?
看:あ、大丈夫ですよ、歩いて行ってみます?
私:えっ?いいの?
看:この棒を支えにしてみましょうー

最初は立ち上がるのもおぼつかなかったですが次第に足の先まで力が行き届き、ゆっくりではありますが支えがあれば歩けるようになりました。足の再起動完了!
こうして点滴棒ガラガラさせながら歩く入院患者スタイルになり、すんなり車椅子を卒業しました、車椅子生活約半日で終了です。

これで入院生活の基本である、起きる、食べる、トイレ、寝るは全て自分のものにできました。大きな一歩。そしてここから体の方は飛躍的に回復していきました。

その日の夕方に新たに私の隣のベットにおじいさんと、同い年くらいの患者さんが越してきました。ここも出入りが激しいそうです。

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