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村上春樹と「僕」 

 最近、村上春樹を読んでいた。言わずと知れた有名作家で、僕もつねづね読みたいと思ってはいたし、高校生くらいのときに『ノルウェイの森』や『海辺のカフカ』を読んだこともあった。しかしそのときはいまいちピンと来なかったし、とくべつ記憶に残ったわけでもなかった。  きっと彼の小説を読むには若すぎたのだろうと思うけれど、これを書いている今の僕が若すぎないと言い切ることもできない。ただ、高校生の頃より歳を重ねたことは確かだし、その歳で抱く感想はその歳でしか抱けないと思えば、これを書いて

    • 愛するということ、とは

       高校生の頃、エーリッヒフロムの「愛するということ」を読んだことがある。思春期という多感な年頃でもあり、我ながら大人ぶったチョイスだったなと思うが、久々にこの本を読み始めたのでつらつらと書いていこうと思う。 「自由からの逃走」などの著書で知られるエーリッヒフロムのベストセラーである。精神分析学者のフロムは、今までの哲学や精神分析学を通した社会や大衆、ファシズムの分析やフロイトの精神分析への批判で知られる。 この本はそんなフロムが、「愛すること」はどういうことかについて論ず

      • こしあんパンとギャップ萌え

         最近こしあんパンがマイブームである。世のアンパンは大抵がつぶあんであるが、ふと買ってみたこしあんパンが思いの外美味だったのである。たまにコンビニで餡饅を買った際、こしあんもいいな、と思っていた頃からその兆しはあった気がするがどうなのだろうか。  こしあんパンの魅力は何といってもその滑らかな餡である。舌触りがよく、自然な甘さがたまらない。そして、その中に見え隠れする絶妙な塩味がまたよい。  そう、塩味である。甘い、甘ければよいあんこの中になぜ塩が必要なのだろう。僕は塩系の

        • Wish you luck, Have a nice day.

          僕は卑屈な人間である。 こんな一文から書き始める人間が卑屈でないわけがないのであるが、太宰治に憧れるデカダン気取りのニヒリストだと笑ってくれればいいと思う。誰も読まない前提で書いているし、誰も読まないので関係ないけれど。 この世は自分の上位互換で溢れている。僕よりも頭のいい奴なんて腐るほどいるし、僕よりも運動ができる奴となるとそれこそ全人類の半分以上がそうであろう。何をするにしても自分よりもうまくやる人間ばかりで嫌になる。しかも出来るやつってのはたいてい頭もよくて運動もでき

        村上春樹と「僕」