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2023(令和五)年7月3話・8月1話「妹達の夏祭」

私小説『地球学徒の日記』

 この作品は、夢小説『スタウロライト 十字石の追憶』の外伝です。登場人物は本篇と同じですが、こちらは現実世界の日本国内(令和時代)を舞台とし、実在の事象を題材にしております。本篇と併せて、お楽しみ頂ければ幸いです。



2023(令和五)年7月3話・8月1話
「妹達の夏祭」


7月29日(土曜)大塚リアライズ

東京 豊島区 西巣鴨町 大塚駅
ナナミ
ナナミ

「お兄ちゃん、今日は宜しくね~!」

「宜しく、ななみん」

 今日は、妹のナナミと一緒に、北大塚(豊島区)のライブコンサートを観に行きました。まず、大塚駅の喫茶店でナナミと待ち合わせましたが、駅の内外には同じ名前のカフェが二つあるので、少しだけ迷いました。その後、合流して挨拶を済ませると…。

ナナミ
「大好きなお兄ちゃんに、ななみんからプレゼントだよ!」

 店内で買える飲食物の、クーポンをプレゼントしてくれました。

「あ…ありがとう!」

 それを使わせてもらい、昼食を頂きました。大塚駅の南口(南大塚)には、大塚天祖神社があります。鎌倉時代の元亨(げんこう)期(1321~1324)に建てられたと言われ、お馴染みの天照大御神のほか、江戸時代には大乗仏教(法華経)の神々であるじゅう羅刹女らせつにょ(信者を守護する10人の鬼神)も祀られていたそうです。

 大塚天祖神社の石碑には、鈴木貫太郎海軍大将の署名が見られます。鈴木将軍は、英米との和平を目指す「条約派」の軍人で、1936(昭和十一)年の二・二六事件で反乱軍(皇道派)に襲われ重傷を負いましたが、反乱は昭和天皇によって鎮圧され、鈴木将軍も重態から奇跡的に回復しました。そして1945(昭和二十)年には首相に就任し、天皇の御助力を得て、太平洋戦争を終結させました。お二方の絆が、日本の未来を護ったと言えるかも知れませんね。

「…メグミさんの好きそうな話だ、後で伝えておこう」

 そんな事を考えながら、会場に向かいます。


スミレ
スミレ

「…いらっしゃ~い! あれ、 隣の女の子は…恋人でも出来たの~?」

「あ、妹です…」

ナナミ
「初めまして、宜しくです!」

スミレ
「可愛い妹さんだね~、宜しくね~!」

 今回も、以前からお世話になっているぽんこつこるく様やTanZ様らが出演され、私達も一緒に記念写真を撮らせて頂きました。こるく様は、事前にチケットを予約していた私に、手紙を書いて来て下さいました。また、前から気になっていたりべる様にも挨拶する事ができました。浴衣を着て来たナナミも、とても楽しそうで良かったです!

「この後は、どうする?」

ナナミ
「もっと、お兄ちゃんと遊びたい! とりま、池袋に行かない?」

 そういうわけで、隣の池袋駅に移動します。


「池袋にも色々あるけど、どうする?」

ナナミ
「ゆっくり休める漫画ネット喫茶カフェとかどう?」

「分かった、そうしよう」


西巣鴨町 池袋副都心
西巣鴨町 池袋副都心

 明日も休日なので、今日は池袋のネットカフェに泊まる事にしました。

ナナミ
「今日は、いっぱい遊んでくれてありがとう! お兄ちゃん、大好き!」

「こちらこそ、ありがとう」

 多分これで店名を特定できそうですが、ここは飲み物だけでなくソフトクリーム食べ放題なので、特に甘い物が好きな人には最適です。が、くれぐれも体重には御注意を…。


 その頃、自宅では…。

ヒジリ
ヒジリ

「…あの子達、帰りが遅いですね…一体、どんな夜遊びをしているのやら…」

メグミ
メグミ

「…」


 結局、翌朝どころか翌晩までナナミと池袋で(イチャイチャ)遊んでしまいました。朝限定のカレーライスを一緒に食べたり、池袋のほかのカフェにも寄ったりして、楽しい二日間を過ごす事ができました。

「…もう、こんな時間か」

ナナミ
「また遊ぼうね、お兄ちゃん!」

 ナナミとは(大人の事情で)別居中ですが、また逢いたいと思わずにはいられない二日間でした!


8月4日(金曜)私が一番輝ける場所

東京 淀橋(新宿区)大久保
東京 淀橋(新宿区)大久保

 時は過ぎ、晩夏こと8月(葉月)を迎えました。

 今日は、大久保駅(東新宿)周辺で「ONE SHINING STAGE 私が一番輝ける場所」というイベントが開催されました。出演した歌手の中には、ノベルゲームの声優として活躍されている方もいらっしゃいました。

「歌も演劇も、とても良かったです! 今後とも、宜しくお願い致します!」

 終演後、演者様に挨拶・記念写真撮影をさせて頂き、キーホルダーも頂きました!


 大久保駅の周辺には、前々回に紹介した韓国キリスト教会を始め、アジア諸国の多様な宗教や食文化が見られます。

 この地域の鎮守神である皆中かいちゅう稲荷神社は、1533(天文てんぶん二)年に建てられ、鉄炮(鉄砲)や願い事が「皆、的中する」という御利益から「皆中」と名付けられました。また、神社や教会だけでなく…。

メグミ
「あれ、この寺院は…?」

ヒジリ
「こちらは…中華国の民族宗教である、道教の寺院ですね」

 この「東京媽祖廟」には、中華道教の女神である媽祖まそ菩薩などが祀られています。媽祖は、台湾などの中華南部(華南地方)で信仰されてきた海神で、中華民族の海外進出と共に、その信者も世界中に広まりました。

 媽祖菩薩への信仰は、まず明帝国から琉球王国に伝わりました。17世紀には、南明政権鄭成功が台湾島を制圧した事もあり、媽祖信仰が台湾にも伝わりました。更に、中華・琉球と交易していた江戸時代の日本でも、常陸ひたち水戸藩(茨城県)などで媽祖が祀られ、神社神道に取り入れられて「弟橘おとたちばなひめ」と呼ばれました。

メグミ
「仏教や儒教学だけでなく中華道教も、日本神道に影響を与えているんだね」

 そんな媽祖菩薩は現在、中華から海外に移住した華僑の人々を含め、世界中で2億人以上の信者に親しまれています。東京媽祖廟も、日本で生活する台湾(中華民国)の人々によって建てられ、台湾華僑の心を支える寺院になっています。

 当廟は、台湾出身の皆様の信仰と心の拠り所になる事を目的としています。宗教や信仰を持っている人は、非常に前向きで心が安定しています。長期間日本に滞在している人、また日本に移住した人は、特に台湾の故郷や親族を想う気持ちが強いものです。このような人々にとって、台湾文化に満ちている媽祖廟は宗教・信仰の中心となり、魂の安定の拠り所となる事でしょう。

東京媽祖廟の設立趣旨と目的

ヒジリ
「素敵な理念ですね」


 その後、私達は新大久保駅の近くで「ソフトクリームチュロス」を買おうとしたですが…。

スミレ
「いらっしゃいませ…あれ? 君が被ってるのって、もしかして矢■にこ先輩の帽子!?」

ネネカ
ネネカ

「あ、はい。そうですが…」

スミレ
「チェキ撮ってもいい!? 私も、そのキャラ推してるの!」

 新大久保の韓流スイーツっぽい店で働く店員さん、実は秋葉原系アイドルコンテンツのファンだった件。


8月5日(土曜)白姫祭

 今日は、小説・漫画・音楽・映像などの作品創りに取り組んでいる数名の仲間達と、相談室で自己紹介し合う時間が持たれました。各自の制作活動、主人公の造形、好きな楽曲、伝えたいメッセージなど、文芸について自由に語り合いました。


横浜市 瀬谷区
横浜市 瀬谷区

 その日の夕方、横浜市の西端にある瀬谷(せや)区に向かいました。瀬谷区は多摩丘陵にあり、境川が流れ、数年前まではアメリカ海軍基地もありました。この町では、8月最初の土日に白姫神社の夏祭が開催されます。

 白姫神社は、伊勢神宮(三重県 伊勢市)からいらした蚕祖神さんそしんという蚕の神様を祀っています。1909(明治四十二)年に建てられ、町の養蚕業の盛衰を見守り、1957(昭和三十二)年に現在の地へ移転したそうです。


2023(令和五)年10月10日(火曜)
デジタルDアートAセンターC横浜(アキラ


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