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みんなのセンス・オブ・ワンダー

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自然の神秘さや不思議さに目を見はる感性=センス・オブ・ワンダーを綴った記事を集めます。 Top Photo by Kanenori on pixabay
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記事一覧

文系主婦によるひとり自然観察【12月】

狭山公園で自然観察 第2回 2021年12月 今回も平日午前中のガラガラの電車で向かいます。満員電車のイメージのせいで苦手意識があったのですが、空いている電車は最高ですね。乗り物に乗ることの純粋な楽しさを思い出すことができました。それに、この路線特有の、時間がゆっくり流れているような感じが私は好きです。窓から入る日光と足元の暖房で体がほかほかして、ちょっと眠くなりました。 公園の最寄り駅に到着しました。終点なので乗客全員が降りますが、誰ひとり私と同じ出口へは向かいません。

令和の歳時記 フユシャク

冬だけにしか命を全うしない虫がいる。それがフユシャク蛾という昆虫だ。この昆虫は蛾の仲間で冬にしか現れない。 もっとも夏は尺取り虫という幼虫(英名メジャーリングワーム)として有名だが成虫として活躍する季節は雪も降りしきる寒い季節である。 夏に出現する色とりどりの絢爛たる蛾とは違って地味なクリーム色である。フユシャク蛾の最大の特徴はメスの羽が退化して飛べないこと。芋虫のように太っている。大きさは1cm程。 変わってオスは驚くべきことに氷点下の中でも元気よくメスを求めて飛び回

伝道師に学ぶ、コケの魅力と楽しみ方

Author:高野丈(編集部) きのこや粘菌など、足もとの小さな生きものを観察して楽しむ人が増えています。コケもその一つで、たいへん人気があります。その魅力と楽しみ方について、2021年4月に開催された「コケの伝道師」鵜沢美穂子さん(ミュージアムパーク茨城県自然博物館主任学芸員)のオンライン講演を元にご紹介します。 鵜沢さんがかぶっているのは、ゼニゴケをモチーフにした帽子です。 コケは植物の中で2番目に大きなグループ。世界で約2万種、日本では1912種が知られています。

自然に触れる価値を教えてくれる最良の本

世はインターネット全盛時代。電車ではほとんどの人がスマホを見ているし、IT系のサービス業・市場はここ数年、十数年で飛躍的に増えた。多くの人が起床時間の多くをインターネットに接続されたモニタの前で過ごしているのではなかろうか。 一方で自然に触れる機会というのはますます少なくなっているように感じる。その自然に触れることの価値を教えてくれる最良の書だと思うのが、冒頭に引用した『センス・オブ・ワンダー』だ。 センス・オブ・ワンダーとは「神秘さや不思議さに目を見はる感性」。道端の小