【詩】『廃墟にて』
廃屋へ巡礼
思い出のなかに沈殿する私の青白い肉体
思案
巡らせる
傷に触れる行為だ
傷を抉る悪意だ
やめてしまいたい
シナプスの歯車はうたっている
無名の詩(うた?)
無名の詩(うた?)
無名の詩(うた、?)
無為は積み重なる
廃屋にて眠る
口ずさまれゆく黒の文字列
総ては葬列になっていく
魂はあの腐り落ちた窓辺から逃げるの?
問に解はない
廃屋の中で歌う
胸が痛む理由を知りたい
退屈の寝返り
古傷を寄せ集めたような
遠い街の呼吸がきこえる
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