【詩】『星』

無為の果実を手にとって
冷たい孤独の床に臥せる黒髪

傷創を撫でる指先は夢うつつ

爪先で映し出す白昼夢は

遥か一億光年先にある君が住む遊星

どうか連れ出して

ここは退屈で仕方のない

孤独の小惑星

じわり、

融けていくだけの時間を

硝子瓶に詰めて

無重力の空白へ放とう

そして

無垢なる星の在処をたずねよう

歩みは跳ねる

まるで月の兎のように

ステップを踏んで、

手をとって、

ふたり。

わたしたち

重なるふたつの星

呼吸で瞬くふたつの星

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