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医師はMRのコミュニケーションをどう感じているのか?

株式会社ユカリア データインテリジェンス事業部の城前です。

「医師の見ている景色、考えていることを、いかに理解するか」
「医師といかに円滑に、有意義な対話をすることができるか」


これは、製薬企業のMRの方、また、MRの方のディテーリング方針や手法を検討するマーケティング部門、研修部門の方にとって、最も関心の高いことの一つなのではないでしょうか。

この連載企画では、日々の診療業務の傍ら、

「MRと医師のコミュニケーションはどうしてうまくいかないのか?」

という問題意識を常々持たれているある先生にお願いし、先生ご自身の言葉でその事例や解決策を語っていただきます


先生の略歴

匿名のため概要のみとなりますが、
先生は外科を専門とされ、卒後約30年のベテラン医師です。

国立大学の医学部をご卒業後、これまでに大学病院、一般病院、海外の大学での勤務を経験されています。
診療業務に加えて、製薬企業のアドバイザリーとしても多くの課題解決に関わって来られた方です。

それでは、さっそく先生にお話しいただきましょう。

MRと医師のコミュニケーションにおける課題

医師のAです。
私は臨床医として日々診察を行う傍ら、製薬企業向けに、MR向け研修の企画や指導なども行っています。

研修というと、どうしても

  1. 疾患の理解

  2. 薬の理解

にフォーカスすることが多いのではないでしょうか。
しかし、それだけだと、MRは単なる「情報のメッセンジャー」となるだけです。

医師からすると、

  • よくまとまった資料だけど、病気のことは、言われなくても知っているよ

  • 薬の情報なら、WEBで見ておくよ

で終わってしまいます。

以前は、MRと医師はよくコミュニケーションをしたものです。

お酒の席でのコミュニケーションの弊害が問題となり、現在はいろいろと規制がありますが、医局の席で膨大な資料を囲んでいろんなアイディアを医師もMRも時間を忘れて出し合いっこする・・・そんな濃密なコミュニケーションもありました。

ですから、今の医師とMR、製薬企業の間の分断は、いろんな面で不幸です。

現在のよくある製薬企業からの資料提供だけでは、薬に対する医師の理解は実際には深まりません
また、患者や医師サイドからの、薬の改良や新薬のニーズは製薬企業に伝わりません
更に言うなら、医師だけでは、臨床データから新しいエビデンスを発想し、新薬に繋げていこう!というモチベーションが醸成されません。

コミュニケーションの前提として、MRが理解すべきことは何か

今のこのような状況だからこそ、いろいろな制約の中でも、MRには医師と質の高いコミュニケーションを行う能力が求められているのではないでしょうか。

では、何をすればその能力を身に付けることができるのか?

  1. 疾患の理解を深める

  2. リアルな臨床を知って、ペイシェントジャーニーを理解する

  3. 疑問や仮説を持って、自分で考える力を養う

  4. 症例を囲んで、MR同士で議論する

  5. MRに不足している知識がどこかを知る

といったことはまず必要でしょう。
しかし、必要な理解は、さらにその先にあります

実際の治療では、ときに患者の治療に医師が四苦八苦します。
それこそが臨床のリアルで、それをMRも知ることで初めて、病気をみること、患者を診ることの難しさを医師と共有することができます

そして、その難しさに共感できるようになれば、MRと医師のコミュニケーションが真によいものになると思っています。
そこからきっと、未来の医療が生み出されると私は期待しています。

このコラムでは、症例を使用しながら、MRが医師のリアルを理解しコミュニケーションを行うための観点を示していきます
2回目以降も、よろしくお願いします。

第2話はこちら


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