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ケーキの切れない非行少年たち

以前から気になっていた本です。
図書館の話題になった本のコーナーに
置いてあったので借りて読みました。

自分の文章の書き方と似ているせいか、
長文もとても読みやすかったです。

はじめにインパクトのあった内容と言えば
誉める教育についての提言でした。
短所を直すより、長所を伸ばす指導の
是非をとわれると、
長所を伸ばす方が良いと思うのですが、
この著者の先生は、本当に伸びる可能性が
ないのか、それともあるのか?をきちんと
見極めないといけない。と説く。

もちろん、スポーツと意味合いが違うのかも
知れないが、できている部分を誉めても
できていないことが改善されないなら
ちゃんと、できていないことにも目を向け
改善してやらないといけないと思いました。


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更には、認知機能が対人関係にも大きな影響を及ぼす、というところです。
自分に言われた事、自分が観た事が歪んでいれば、他人と良好なコミュニケーションが確立できるはずがない…。

相手がニコニコして話しても、ニヤニヤ馬鹿にされていると映ったり、
良かれと思って指摘された事を、上から見やがって!と怒れば、
当然、トラブルに、ひいては犯罪につながっていくだろうと…。

また、本書で指摘されている中で、妙に説得力があった事との1つとして、
コミュニケーション能力に問題がある人は仕事がなくなっていくという事。
昔は、自然を相手にする第1次産業や、職人と言われる人の仕事である第2次産業の割合が多かったが、現在の仕事というのは、70%近くが第3次産業に分類されるサービス業と言われるものになるそうです。
つまりは、他人とコミュニケーションを取る事が苦手な人が、
1人でコツコツ、黙々と…で成り立つ仕事ではない職業、
他人とコミュニケーションを取るのが必要な仕事に
つかないといけないということです。

更には、SNSの発達により、対面せずとも、容易にコミュニケーションが
取れるようになったことが、コミュニケーション能力を養う機会を
奪っているということです。

何となく私自身にも思い当たる節があり、
人見知りもするし、コミュニケーションが上手とは思えない部分がある。
身につまされる話だなと思いました。

日本を変える‼️
【自覚状態理論】
自己洞察や自己内省が生じる背景。
自己に注意が向くと、自分にとってとても
気になっている事柄に強く関心が向くようになる。その際、自己規範に照らし合わせ、
その事柄が自己規範にそぐわないと、
不快感が生じる。
この不快な感情を減らしたいという思いが
行動変容のための動機付けになる。
それゆえ、学校でのグループワークは
大切になってくる。

自分が変わるための動機付けには、
集団生活の様々な人との関係性の中で、
自己への気付きがあること、
そして、様々な体験や教育を受ける中で、
自己評価が向上すること。

全国の少年院在院者約2300人(2001年)に
行った調査では、約半数の子どもに
虐待の被害体験があった。
つまり、虐待を受けると非行化するリスクが
ある。いじめも同様だそうだ。


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