絵とワードの物語 『きっかけはきらめいて』
「ボトルメールだね」
首をかしげた私に向けて、手に持った本をポンポンと叩く。タイトルだけ聞いたことある海外の小説。ちょっと怖そうだから読んだことはない。
「手紙を詰めた瓶を海に流すんだよ。誰かに拾われますように、って」
そんなことしたって、誰にも読まれないかもしれないのに。差し出された本を受け取ってぺらぺらめくるけど、びっしりと並んだ文字に、読もうと思った気持ちはすぐに消えていった。
「でも、拾ったでしょ」
そうだけど。
机の上に置いた瓶は、海で見たときみたいに輝いて