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vol.9 私の中の少年。《新婚妻、放浪の旅に出る。》

今回は、前々回のvol.7で下のように書いた「わたしの性別自認」について書こうと思います。

また、これは今後このシリーズ内で書くことになると思いますが、家を出てから私はどんどん「少年」寄りになっていって、あまり自分が「女性」という感じがしていませんでした。女性である自分を拒否していたわけではなくて、性別がない感覚というか…「まだ性のない少年」という感じが近いでしょうか。だから「家出少年」という言葉がピッタリな雰囲気を醸し出していたと思います(笑)。そんなわけで私は少年だったので、「妻」というのはなんかオカシなポジションなわけです。違和感しかない!

この私の「少年化」は、Yとシンクロしていた現象でもありました。
Yは、女性です。でも性別自認がコロコロ変化していて、私と一緒に旅をしていた間は、主に男でした。
たぶん、お互いに「内なる男性・少年」を引き出しあっていたのではないかと思います。
一緒に歩く私たちは、遠目に見たら性別不明だったと思います。ショートヘア、派手な髪色、リゾートファッションみたいなパジャマみたいなユニセックスな服装。
実際、私たちを二度見した通りすがりの人の独り言「え?女の、人???」を聞いたこともあります。

家を出る少し前、放浪したい…とウズウズし始めていた頃から私の少年化は始まっていて、一人称は「僕」がしっくりきていたし、「夫」という存在がいることにも違和感を感じていました。スキンシップも違和感しかなくて、「これは…BL(ボーイズラブ)だ…」と思っていました。
そういう感覚になっていたことも、家を出たくて仕方なくなった要因のひとつでした。

私の中の「少年」や「性別がない存在」は、以前から居たと思います。

数年前にも、「自分は女性である」という感覚が薄くなった時期がありました。心身ともに病気になって仕事を辞め、しばらく引きこもっていた頃です。色々と整理して仕切り直したかったので、持ち物や人間関係を断捨離し、その延長線で「自分の性別」も一旦クリアにしたくなりました。男でも女でもないエネルギーになりたかった。
また、その後、FtM(Female to Male。身体は女性、性自認は男性。)の人やバイセクシャルの女性とお付き合いする機会があり、私自身の性別自認もその都度微妙に変化していました。

性別もそうですが、一人の人間の中には色々な質が含まれていると思います。
静かで大人しい。子供みたいにはしゃぐ。
いつも穏やかで笑っている。些細なことでぷんすか怒る。
全部があって、その質の比率というか、どういうブレンド状態か、は瞬間瞬間でどんどん変化していきます。
自分は男なのか?女なのか?バイセクシャル?アセクシャル? と、わからなくなって少し悩んだこともありましたが、分類に自分を当てはめようとしても当てはまらないからもうやめよう、なんでもいいや、と思うようになりました。

放浪の旅を終えた今は、「妻」であり「女性」である自分を違和感なく楽しく生きています。

💫🛸ほよよ〜🛸💫