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〜モウリーニョ×ヌーノ?!〜 21/12/19 《プレミアリーグ21-22 第18節》 トッテナム vs リヴァプール レビュー

こんにちは。えつしです。


今回は、プレミアリーグ21-22 第18節、トッテナムリヴァプールの試合をレビュー。
ECLレンヌ戦、16節ブライトン戦、17節レスター戦の3試合がコロナのクラスターの発生により延期となり(レスター戦はレスター側の人数不足によって延期)、2週間ぶりの試合となったスパーズ
お互いにコロナウイルスによる欠場者を抱える中での一戦はどのような展開になったのか?!


1. スタメン

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・スパーズ
ロリス
サンチェス-ダイアー-デイビス
エメルソン-エンドンベレ-ウィンクス-デレ・アリ-セセニョン
ケイン-ソン

64’ エンドンベレ⇄スキップ
81’ デレ・アリ⇄ルーカス・モウラ
86’ セセニョン⇄レギロン

スパーズは、直近のノリッジ戦からタンガンガスキップホイビュアレギロンルーカス・モウラに代えてエメルソンエンドンベレウィンクスデレ・アリセセニョンを起用した〔3-5-2〕

ロメロが怪我、恐らくホイビュアヒルゴッリーニがコロナウイルスの影響で欠場。


・リヴァプール
アリソン
アレクサンダー=アーノルド-マティプ-コナテ-ロバートソン
ケイタ-ファビーニョ-ミルナー
サラー-ジョタ-マネ

リヴァプールは、直近のミッドウィークニューカッスル戦からチェンバレンヘンダーソンチアゴに代えてケイタモートンミルナーを起用した〔4-3-3〕


ファン・ダイクファビーニョカーティス・ジョーンズチアゴがコロナウイルスの影響で欠場。ヘンダーソンは病欠。


2. 1st half

試合の構図としては、リヴァプールがボールを持ってスパーズがカウンターを狙う形。


スパーズは、バックライン5枚に中盤3枚に2トップの〔5-3-2〕の並びで構えます。2トップの2人はCBにはプレスをかけずにアンカーのモートンを抑え、その2トップの脇でボールを受けられたときにはIHがスライド。WBが縦スライドで出ていくことをせず、中盤3枚の運動量に委ねる形です。

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そんなスパーズの守備ブロックをリヴァプールがどう攻略していったかをみていきます。


本来今シーズンのリヴァプールでは、ヘンダーソンエリオット右IHに入ることでアーノルドの立ち位置に合わせてサイドに流れてボールを引き出したり、サラーにボールが入ったときにチャンネルランで深い位置からのクロスを入れたりと、アーノルドが大外に張らない新たな攻撃の形を作り出すことができていたのではないかと思うのですが、この試合はそのIHの2人がどちらも欠場で、ケイタが右IHを務めていました。


ケイタミルナーのようにCB脇に降りてくることはほとんどなく、ミルナーもあくまでもロバートソンへのパスの中継地点としての役割で、後ろ3枚を作ってビルドアップしようという感じではなかったので、マティプがあまり右に開くことができず、アーノルド高い位置を取ってセセニョンを釣り出すことができなくなっていました。

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アーノルドサラーが2人とも大外に張った状態でアーノルドからサラーにボールが入り、後ろ向きでボールを受けなければならないサラーセセニョンにボールを奪われる場面もありましたし、リヴァプールの右サイドの攻撃は停滞していました。


リヴァプールが光明を見出したのはミルナーコナテの脇に降りた際の左サイド。
ミルナーが降りて大外に張ったロバートソンエメルソンを釣り出し、チャンネルランでその裏をつくマネのランニングからクロス。
クロスはデイビスがカットするもロバートソンに拾われ、二度目のクロス。真ん中のCBのダイアーマネに釣り出され、マークが曖昧になったゴール前でジョタがヘディングを叩き込み、34分28秒リヴァプールの同点弾が生まれました。

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スパーズは、12分51秒の先制点をウィンクスケイタへのパスをカットしたところからのショートカウンターで決めましたし、前半通してカウンターがうまくいっていました。
ケインソン2トップが前残りしてカウンターに備え、ファン・ダイクのいないリヴァプールのCBに対してソンの背後へのスプリントで度々チャンスを演出していました。


しかしその前残りにはリスクもつきもので、サイドチェンジを繰り返されて押し込まれた際に、中盤前のフロントスペースを2トップで抑えられていないことによって、リヴァプールCBを経由せずに単純な横パスを繋いで素早くサイドチェンジをすることができるように。


その素早いサイドチェンジからサイドでサラー仕掛けるスペースを与えてしまったり、3センターの脇でボールを受けたアーノルドからのクロスミドルシュートで何度も危ない場面を作られたりしていました。


スパーズ諸刃の剣として2トップに前残りさせ、何度もカウンターで得点のチャンスを作ったものの数字としては1点止まり。リヴァプールの巧みに背後を取る攻撃にやられ、1-1で試合を折り返すことに。


3. 2nd half

後半、リヴァプール60分モートンに代えてフィルミーノを入れて4-2-3-1に変更。
トップ下のフィルミーノがアンカーのウィンクスをみる守備に変え、より一層スパーズのボール保持の時間を奪おうとしますが、スパーズ64分エンドンベレに代えてスキップを投入し、ビルドアップ時は2ボランチのような形でスキップが低い位置でサポートしてウィンクスを監視するはずのフィルミーノを迷わせます。


前半同様スパーズはカウンターでのチャンスと、CBからの裏へのフィードデレ・アリが抜け出したところから再三チャンスを作りますがなかなか決められません。
そしてそのフィードをアリソンにキャッチされたところからひっくり返され、最終的にはアーノルドのクロスにロバートソンがヘディングで合わせて68分48秒に失点。


いつも通りリヴァプールの勝負強さを見せつけられる結果になるかと思いきや、ウィンクスダイアーからのパスをワンタッチでデイビスに落とし、ボールを奪いに飛び込んできたケイタの裏にすぐ走り込み。デイビスからパスを受け直してリヴァプールのFWラインを超えてから、DFライン裏に走ったソンにスルーパス。飛び出してきたアリソンがそのボールの処理をミスってソンがガラ空きのゴールにシュートを流し込んで73分45秒に同点に追いつきます。
ウィンクスケイタの軽率な飛び込みを見ての即座の動き直しと、デイビス怖がらずに狭いところを通した配球力はすばらしかったです。


その後77分にロバートソンの退場があり、81分デレ・アリに代えてルーカス・モウラを投入して数的有利の状況で勝ちにいったスパーズでしたが、リヴァプールゴールをこじ開けられず。2-2、ドロー決着となりました。


4. 感想、総括

今回格上を相手にして、今まで見せてきた顔とは少し違った顔を見せたコンテスパーズ
まだ自分たちがボールを支配したり、リーグ戦ここ数試合で見せたハイプレスだったりで主導権を握る戦いはリヴァプール相手にはできないと踏んだのか、モウリーニョ時代を彷彿とさせるカウンターサッカーで難敵リヴァプール相手に勝ち点1をもぎ取ることができました。


モウリーニョ時代と違うのは、SHが必死に戻って相手のSBに対応したりボランチがチャンネルランしてくる相手についていったりするのではなく、最初から後ろ5枚でスペースを埋めてしまっているところ。
モウリーニョ時代にホイビュアシソコがやっていた、ミスれば即失点に繋がるであろうチャンネルランする相手に毎回ついていくというタスクよりは、自分の視野内にいるSBや降りたIHに横スライドするタスクの方がデレ・アリエンドンベレといった決して守備的ではない中盤の選手たちにもやりやすいでしょう。
ここに来て彼らがヌーノ時代の3センターでのスライド守備をやっていたことが活きてくるとは。。。


懸念なのは、格上相手にこのような戦い方もできることを見せられ、勝ち点を取れたことはよかったものの、ケインとソンの前残りが本当にプラスになっているのかということ。
彼らが下がってこないことによって3センターの前を横パスでサイドチェンジされ、何度もアーノルドの高精度クロスやミドルシュートでピンチを迎えていました。
ファン・ダイクファビーニョがいないことによってDFラインの統率などで明らかに今回のリヴァプールにはお粗末な部分があり、ケインソンの前残りによるカウンターの威力は絶大なものになっていましたが、他のプレミアリーグの強豪にも同じようにチャンスが作れるでしょうか。
個人的にはもう少し彼らにもプレスバックさせた方がいいのかなと思った部分でした。


リヴァプールの右サイドの停滞に助けられた部分もありましたし、今後こういった格上相手にどう戦っていくのかには注目です。


5. おわりに

2週間ぶりの試合で、コロナの影響で色々と難しいことがあったにも関わらず、リヴァプール相手にすばらしい戦いでした。


コンテ就任後ある程度順調にいっていたものがここで一気に崩れてしまうこともありえると思っていたので、この引き分けには満足です。


改めてコンテの凄さを再認識した一戦となりました。


ここまで読んでいただき、ありがとうございました。



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