22/3/16 《プレミアリーグ21-22 第16節》 ブライトン vs トッテナム レビュー
こんにちは。えつしです。
今回は、プレミアリーグ21-22第16節、ブライトン対トッテナムの試合をレビュー。
1. スタメン
・ブライトン
R・サンチェス
フェルトマン-ダフィー-ダンク-ククレジャ
グロス-ビスマ
マーチ-マック・アリスター-トロサール
モペイ
62’ ビスマ⇄ウェルベック
78’ グロス⇄ランプティ、フェルトマン⇄モデル
直近のリヴァプール戦からランプティ、アルザテに代えてダフィー、グロスを起用した〔4-2-3-1〕。
・スパーズ
ロリス
ロメロ-ダイアー-デイビス
ドハティー-ベンタンクール-ホイビィア-レギロン
クルゼフスキ-ソン
ケイン
80’ ソン⇄モウラ、ドハティー⇄エメルソン
90’+2 クルゼフスキ⇄ベルフワイン
直近のマンチェスター・ユナイテッド戦からスタメン変更なしの〔3-4-2-1〕。
スキップ、タンガンガ、セセニョンが怪我で欠場。
2. 1st half
この日のスパーズは序盤からいつもとは少し違った姿勢を見せました。
最近の試合では守備時は〔5-4-1〕のローブロックを敷くことが多かったスパーズでしたが、今回は序盤から〔3-4-3〕でのプレッシングを敢行することで自らボールを奪いに。
大きく開くブライトンのCBに対してクルゼフスキがダンクまで出ていってドハティーがククレジャまで縦スライド。2ボランチには2ボランチが縦ずれして捕まえ、右のハーフスペースに降りることが多かったマック・アリスターにもデイビスがしっかりついて行くことによって、ブライトンのSBに長いボールを蹴らせるか、マークにつかれているボランチなどに苦し紛れに出させたところでボールを奪うという考えです。
2分にはフェルトマンが低い位置でククレジャが高い位置を取る左肩上がりのビルドアップで〔3-4-2-1〕っぽい形になるブライトンに対してがっぷり四つで嵌めていき、それ以降はブライトンもわざわざミラーになる配置にしてくることはありませんでした。
ブライトンの前進の手段としては、フェルトマンが内側にコントロールしてソンを剥がして左足でのモペイへの浮き球だったり、2ボランチが低い位置を取ることによってスペースを創出し、そこに降りてきたトロサールとククレジャのワンツーだったり。
フェルトマンからモペイへの浮き球については、20分に一度それを起点にスパーズを押し込むことに成功しますが、ダイアーがモペイにタイトについて潰すことで何度もそこを起点にさせることはせず。
ボランチが低い位置を取って生まれたスペースに前線が降りてくるパターンについては18分にありましたが、降りていくトロサールにはロメロがついて行っており、トロサールのパスがミスに。その後ボランチでボランチを釣り出して生み出したスペースを使うこのパターンを意図的に使おうという意志は感じられませんでした。
次はプレッシングでボール保持の時間を増やしたスパーズがボールを持ったときにどのように振る舞ったのかです。
ブライトンの守備はトップ下のマック・アリスターが右のシャドーに入り、右SHのマーチがレギロンをみる〔3-4-3〕っぽい布陣、押し込まれたときには〔5-4-1〕のようになっていました。
左右のCBからダイアーへのパスなどをスイッチに〔3-4-3〕でのミドルプレスを仕掛けるブライトンでしたが、後ろが同数になるのを嫌ったのか、ボランチ2人がスパーズのボランチまで押し上げてこないことが多く、マック・アリスターがなんとか絞って抑えようとするもののさすがに3バック+2ボランチの5人を3トップだけでみることはできず。
右から左に持って行くことでマック・アリスターを絞らせて空いたスペースをデイビスが享受する形でブライトンを押し込む時間が増えます。
左の大きく空いたスペースを使ってデイビスがボールを運んだ際にレギロンをへのパスを選択することが多かったですが、個人的にはここでもう少しケインやソンへの楔を狙う意識があってもよかったかなと思いました。
ブライトンを押し込む時間が増えたスパーズは、レギロンのパスミスがマーチに当たってソンにこぼれるラッキーから、クルゼフスキのシュートがロメロに当たり、コースが変わって36分12秒に先制。
1点リードで前半を終えます。
3. 2nd half
後半序盤、トロサールが降りることによってスパーズのブロックの外で受けてから内側へのドリブルでサイドを変えたり、ダンクに対してクルゼフスキが外切りで寄せたときにシャドーとボランチのギャップに顔を出してレイオフでククレジャを使ったりしてスパーズを押し込む機会が増えたブライトン。
しかし、ブライトンが押し込む状況が増えたことを逆に活かすスパーズのカウンターが炸裂。
ククレジャのサイドチェンジを受けたマーチからバイタルエリアでマイナスのパスを受けたマック・アリスターに対してクルゼフスキがプレスバックし、ホイビィアと共に奪い切ったところからのポジティブトランジション。
ベンタンクールの運びで晒されたDFラインの裏にケインが抜け出し、中途半端に出てしまったR・サンチェスの後ろのゴールにボールを流し込んで56分12秒にスパーズが2点目を決めます。
ブライトンは62分にビスマに代えてウェルベックを投入し、プレッシングの方法を変更。
右SHのマーチがレギロンについて行って5バック風になる守備をやめ、トップ下の選手がスパーズのボールサイドのボランチをみて、余るもう1人のスパーズのボランチには逆サイドのSHが絞るかボランチが縦ずれして捕まえにくるかといったプレッシングに。
しかし、逆サイドのSHの絞りが甘く、ロメロ→ベンタンクールのパスで左サイドに展開することができるなど、ブライトンの守備にはまだ穴があるなという印象でした。
そんな穴のあるブライトンのプレスに対してスパーズは、ダイアーがロメロにパスを出してから一列ポジションを上げてアンカーの位置で受けようとするビルドアップを積極的に行います。
このビルドアップについては、ダイアーが一列上げた状態をキープするのではなく、あくまでも瞬間的に列を上げてロメロからボールを受けようとしているように見え、ロメロからロリス経由で左サイドに持って行くようなプレーがないので、相手がプレッシングに来ていて時間のないときには特にそれぞれが適切なポジショニングを取ることができずに、ダイアーとベンタンクールの立ち位置が被ってしまうことが多く見られました。
そういったスパーズのビルドアップの問題もあり、ブライトンがボールを持ってスパーズを押し込む時間が増えます。
〔5-4-1〕のローブロックを敷くスパーズに対し、スパーズの中盤4枚の前にトロサールが降りてポゼッションを安定させることはできていたブライトン。
ケインのプレスバックも甘くなってきた時間に、フロントスペース(ここではスパーズの中盤4枚のブロックとケインの間のスペース)をうまく使ってボランチ経由で素早く逆サイドに展開することができていればよかったのですが、素早く逆サイドに振るというシンプルなプレー選択ができず。
ボールを持つ時間は増えたものの、効果的にスパーズのブロックを崩すことはできませんでした。
スパーズは得意のカウンターで陣地を回復しながら、危ないシーンを作ることなく2点のリードを守って試合終了。0-2でアウェイチームが勝利を手にしました。
4. おわりに
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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