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22/2/12 《プレミアリーグ21-22 第25節》 トッテナム vs ウォルヴァーハンプトン レビュー
こんにちは。えつしです。
今回は、プレミアリーグ21-22第25節、ウォルヴァーハンプトン対トッテナムの試合をレビュー。
直近のリーグ戦5戦で3勝1敗1分という成績を収め、チェルシーとマンチェスター・ユナイテッドから勝ち点を獲得しているウルヴズ。
そんな難敵を相手にスパーズはどのような戦いを見せたのでしょうか。
1. スタメン
![](https://assets.st-note.com/img/1645279405052-frQH9mDf1Q.png?width=800)
・スパーズ
ロリス
サンチェス-ロメロ-デイビス
ドハティー-ウィンクス-ベンタンクール-セセニョン
モウラ-ソン
ケイン
28’ セセニョン⇄クルゼフスキ
71’ モウラ⇄ベルフワイン
82’ ドハティー⇄エメルソン
直近のサウサンプトン戦からエメルソン、ホイビュア、レギロンに代えてドハティー、ベンタンクール、セセニョンを起用した〔3-4-2-1〕。
依然としてダイアー、スキップ、タンガンガが怪我で欠場。
・ウルヴズ
ジョゼ・サー
キルマン-コーディー-サイス
セメド-デンドンケル-ルーベン・ネヴェス-カンドル-アイ=ヌーリ
ヒメネス-ポデンセ
81’ ポデンセ⇄ファン・ヒチャン
84’ カンドル⇄トリンカオ
86’ ヒメネス⇄ファビオ・シウバ
直近のアーセナル戦からマルサル、トリンカオに代えてカンドル、アイ=ヌーリを起用した〔3-5-2〕。
2. 1st half
2-1. ウルヴズの〔3-4-3〕ミドルブロックとスパーズの問題
まずはホームのスパーズのボール保持の局面から考えていきます。
〔3-4-2-1〕でビルドアップするスパーズに対してウルヴズは右IHのデンドンケルをデイビスに出して〔3-4-3〕、ミラーになるように。
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3バックに枚数を合わせてWBにボールを誘導するとそこには自チームのWBに縦スライドさせて出ていき、平行サポートしに行くスパーズのボランチはルーベン・ネヴェスかカンドル、どちらかボールサイドの選手が抑えにいきます。そしてデンドンケルやポデンセといったシャドーの位置にいる選手がWBからCBへのバックパスを切り、降りるスパーズのシャドーに対しては左右のCBがしっかりと出ていき、ゾーン2で奪い切ろうという守備です。
![](https://assets.st-note.com/img/1645852127045-oxznauJ5jJ.png?width=800)
このウルヴズの守備に対してスパーズはうまくボールを前進させることができず。
ウルヴズのカウンター局面からスパーズのビルドアップ局面に移行し、ウルヴズが〔5-3-2〕気味の配置のままデンドンケルがデイビスを意識して早く前に出過ぎてしまったところをサンチェスが2トップの間を通すボールでベンタンクールへ届け、しっかりとデンドンケルがいないことを首振りで確認していたベンタンクールがファーストタッチで前を向いてソンへのスルーパスでチャンスを迎えられた15分47秒のシーン。
スパーズはこのシーンのように2ボランチをうまく使った前進ができず。ウルヴズの3トップの間に2ボランチが立ち続け、相手の1stプレッシャーラインの後ろで我慢する、ということができずに下がってきたりブロックの外に逃げて受けたり。
さらに先述の15分47秒のチャンスシーンの前、ベンタンクールが顔を上げた瞬間にケインとソンがどちらも足元でボールを受けようと被ってしまっていたことや、ソンの抜け出した後の外に流れてしまったファーストタッチ、ライン間で受けたにも関わらずわざわざ大きいファーストタッチでウルヴズの中盤ラインより後ろに下がって前を向くモウラ、カンドルが縦ずれで自分を抑えに来れておらず、WBからボールを受けられたのにそこからのキックの質、プレー選択の判断力が伴わずボールを失ってしまうウィンクスなど構造云々意外にも選手の判断、プレー精度の部分でかなり問題があるように感じました。
2-2. ウルヴズのカンドルが降りるビルドアップ
次はウルヴズのボール保持について。
ウルヴズの3バックに対して3トップを当て、アンカーのルーベン・ネヴェスに対してはボールサイドのボランチが出るスパーズのプレッシングに対して左IHのカンドルがサイスにプレスをかけるモウラの外側まで降りることによってビルドアップの出口に。そしてアイ=ヌーリが高い位置で張ることによってドハティーをピン留めできていました。
![](https://assets.st-note.com/img/1645863641813-hDWPEGuXB9.png?width=800)
このウルヴズのビルドアップに対して初めの内はカンドルをフリーにしてしまうことが多かったスパーズ。2点目を取られた後辺りから降りていくカンドルに明確にサンチェスがついていくように。
2-3. 2点先行された後のスパーズの修正
前半18分という短い時間でウルヴズに2点先行されてしまったスパーズは28分にセセニョンに代えてクルゼフスキを投入。アンカー番としてクルゼフスキをトップ下に入れた〔4-2-3-1〕に修正。
これによってプレッシングが機能するようになり、ウルヴズにロングボールを蹴らせてボールを回収できる機会が増えました。
しかしビルドアップはデイビスが3バックの左に入るような右肩上がりの形。フォーメーション変更以前と特に変わったことはなく、スパーズのボール保持は停滞したままでした。
2-4. 1st halfまとめ
ウルヴズの1点目は5分57秒という早い時間。スパーズの選手は全員自陣に戻りブロックを〔3-4-3〕のブロックを組んでいる状態で運んでくるキルマンに対してソンが飛び込んでかわされ、ポデンセに縦パスが入ったところをロメロが潰してファール。アイ=ヌーリのフリーキックの流れから誰も寄せることなくルーベン・ネヴェスにミドルシュートを打たせてしまい、二度のロリスのセーブも虚しく最後はヒメネスが押し込んでゴール。ロリスの2回目のセーブ時の弾き方についてはどう考えればいいのかわかりませんが、デンドンケルのシュートがもっと強いものであったかもしれないことを考えると早く立ち上がることを優先してハイボールに対する踏ん張りが甘かったのは責められないのかな、なんて。改善できるとしたら起き上がるところの速さなのでしょうか。
2点目はドハティーのバックパスを受けたロリスが利き足の左足でのパスであるにも関わらずデイビスへのパスをミスし、デイビスのクリアをデンドンケルに拾われてデンドンケル→セメド→ポデンセと繋がれてシュートを打たれ、サンチェスがブロックしてベンタンクールに跳ね返りポストに当たってこぼれたボールをデンドンケルが詰めてのゴール。
2失点とも守備の怠慢やくだらないミスからの失点であり、失点シーン以外でもプレッシングの強度や速さ、トラップミスやボール保持、カウンター時のプレー選択と精度に疑問符が残る前半でした。
システムも代え、ウルヴズのビルドアップに対する修正は見せたスパーズでしたが、攻撃面での改善は見られなかった中、後半はどのような展開となったのでしょうか。
3. 2nd half
後半も〔4-2-3-1〕のプレッシングでウルヴズのビルドアップを阻害するスパーズ。しかし自分たちのボール保持の局面がうまくいきません。
ボランチの2人はウルヴズの2トップの間にどちらが立つかはっきりしておらず、CBからのパスで前を向くこと以前に遊びのパスで2トップの間を締めることすらできていない状態。
サンチェスのトラップミスによるピンチやモウラが飛び込む守備でかわされてサイスに運ばれてしまうようなこともあり、後半ボールを持つ時間は増えたものの効果的に決定機を作ることはできずに0-2、ウルヴズの勝利で幕引きとなりました。
4. 感想、総括
スパーズとしてはあまりにも早すぎた2失点が試合を難しくしてしまったというところ。前半途中の修正も結局スコアを動かすことはできませんでした。
CBからボランチがウルヴズの2トップの間に顔を出してボールを受けることができていないために2トップの間が閉まることもなく、SBの立ち位置も低い状態でビルドアップは停滞。
結果論ですが、〔4-2-3-1〕にしてあそこまで攻撃が機能しないのならば〔3-4-2-1〕のまま降りるカンドルにはサンチェスが出ていくアプローチを継続する方がマシだったのかなとも。
5. おわりに
ここまで読んでいただいてありがとうございました。
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