〜さらば4-3-3、おかえり4-2-3-1〜 21/10/3《プレミアリーグ2021-22 第7節》トッテナム vs アストン・ヴィラ レビュー
こんにちは。えつしです。
今回は、ロンドン勢相手にリーグ戦で3連敗を喫し、ミッドウィークのムラ戦で勝利したものの、依然として厳しい状況のトッテナム対アストン・ヴィラの試合。
グリーリッシュは抜けたものの、今季ここまでのリーグ戦でエヴァートン、マンチェスター・ユナイテッドを破り、カラバオ杯ではチェルシー相手にPK戦まで持っていくなど決して侮れる相手ではないヴィラを相手に、スパーズは復調への一歩を踏み出すことができたのか?!レビューしていきます。
1. スタメン
・スパーズ
ロリス
エメルソン-ロメロ-ダイアー-レギロン
スキップ-ホイビィア
ルーカス・モウラ-エンドンベレ-ソン
ケイン
76’ エンドンベレ⇄ロ・チェルソ
89’ ルーカス・モウラ⇄ヒル
スパーズは、前節アーセナル戦からサンチェス、デレ・アリに代えてロメロ、スキップを起用した4-2-3-1。
直近のミッドウィーク、ムラ戦からはゴッリーニ、ドハーティ、ロドン、デレ・アリ、ウィンクス、ロ・チェルソ、ヒル、スカーレットに代えてロリス、エメルソン、ダイアー、ホイビィア、エンドンベレ、ルーカス・モウラ、ソン、ケインを起用。
・ヴィラ
マルティネス
コンサ-ホウス-ミングス
キャッシュ-マッギン-ドウグラス・ルイス-ジェイコブ・ラムジー-ターゲット
ワトキンズ-イングス
69’ ラムジー⇄ブエンディア
80’ ホウス⇄ベルトラン・トラオレ
89’ イングス⇄アーチャー
ヴィラは、前節マンチェスター・ユナイテッド戦からスタメンの変更はなしの3-5-2。
2. 1st half
ヴィラはリーグ戦でチェルシー、エヴァートン、マンチェスター・ユナイテッド相手に使った3-5-2を採用。下図の様に2トップが2CB、IHが2ボランチ、アンカーがトップ下、WBがSBという形で前線から人が人を捕まえる守備でハメようという狙い。
それに対し、スパーズはCBからビルドアップしていこうとするも、開始10分くらいまでは可変することなくフラットな4-2-3-1のまま。その後ボランチがロメロの右脇に降りてのビルドアップを試すも、ヴィラのマンマークの守備をうまく掻い潜ることはできません。可変で数的有利を作ったところで、トラップの置き所や数歩レベルの細かいポジショニング調整といった個人の部分ができていなければボールを繋ぐことはできないことがよくわかります。
しかし、繋げない時にCBが前線にロングボールを蹴り込んだ時には割と収めたり、セカンドボールを拾ったりすることができていました。ヴィラのマンマークの守備に対して若干繋ぐ素振りを見せてから蹴ることによってプレスを誘い、一気にひっくり返すことができていたことがいつもより高いセカンドボールの回収率に繋がっていたと思います。
26分14秒の先制点も、ロメロのクリアからセカンドボールをソンが拾い、ホイビィアとのパス交換でマッギンとミングスを剥がし、ソンから再びバイタルで待つホイビィアへのパスが通り、最後はホイビィアのゴール隅へ流し込むようなシュート、という形で生まれました。
ヴィラのビルドアップに対して、スパーズは下図の様にワントップとSHで3CBを抑え、トップ下がアンカー、2ボランチがIH、SBがWBという形でヴィラと同じ様に人に人をつける守備で対抗。
ヴィラは特に可変をせずに、スパーズのプレスを受けてロングボールを蹴らされる展開が続きました。
そして下のツイートの通り、前半終了時のスパーズのポゼッション率は62%と珍しく高い数字に。
上記の通りシンプルなロングボールからのトランジションや、マンマークでくるヴィラに対して、ソンやレギロンの1対1の個の質で上回ってサイドからのチャンスを作り出すことによって前半をリードして折り返したスパーズ。ここからは、後半はどうなったのかみていきます!
3. 2nd half
後半ヴィラはCB間の距離を長くし、ミングスを大外に張らせてGKのマルティネスを含めるような形も使ってビルドアップ。そして前半よりマッギンやワトキンズがビルドアップを助けるために低い位置まで降りるように。
そして上図の様にマッギンをレギロンとスキップの2人でみてしまい、ソンがキャッシュを切って外からコンサに寄せたためコンサにドリブルで運ばれ、降りてきたワトキンズが潰れ、上がって来たコンサがラムジーに繋ぎ、ラムジーからイングス、ターゲットに入りターゲットのクロスにワトキンズが飛び込む形で66分57秒にヴィラが同点ゴールを決めます。
後半は前半の様にボールを握ってゲームを支配することができておらず、失点したことによってさらに不穏な空気が流れ始めていたスパーズでしたが、この直後にコンサが釣り出された裏のスペースに走ったソンにレギロンからのスルーパスが通り、カットインの可能性を見せ続ける体の向きから少し中にボールを持ち出しての切り返しでホウスを置き去りにしたソンのクロスにルーカス・モウラが合わせ再び勝ち越し。
その後ヴィラはホウスをベルトラン・トラオレに代え、システムを4-1-4-1に変更するなどして追いつこうとしますが、終盤のスパーズのうまい時間稼ぎもあり、2-1、スパーズの勝利で試合終了となりました。
4. 総括、感想
なんとか連敗を脱することができたスパーズ。磐石な勝ちだったとは言えないものの、今後に期待が持てる要素がいくつかみられました。
新戦力の面々は軒並み良いパフォーマンスをみせており、最初の試合こそエメルソンはザハにけちょんけちょんにされてしまったものの、最近は逆サイドからのクロスへの対応や、サイドでの対人といった守備面において安定したパフォーマンスをみせています。
さらにロメロはやはり別格で、ヴィラがラフなボールで前線に逃げた時のインターセプト、裏に流すボールに対するカバーリング、サイドに大きく振るロングキックなど随所にその優秀さが見受けられます。
フォーメーションを4-2-3-1に戻し、ずっと機能していなかった4-3-3からやっと脱却しましたが、もちろんそれだけでは以前に戻っただけなので、モウリーニョ、メイソン体制から進化したものがみられるかどうか、注目していきましょう。
5. おわりに
いかがだったでしょうか。
現地メディア(The Athletic)からは、ヌーノの2年間の契約にはトップ6に入れなければ来夏に違約金なしでクラブが契約解除することができる条項が入っているとの話も出てきています。新監督がなかなか決まらず、フロントが監督候補リストの後ろの方にいたヌーノをとりあえず次への繋ぎとして据えた説が有力になる中、今後彼はそういったフロント、メディア、そしてサポーターの考えを覆すことができるのでしょうか......?
個人的には新戦力の定着やベルフワイン、エンドンベレ、ロ・チェルソ辺りのブレイクスルーには期待していますし、ケインのパフォーマンスがまだまだ本調子とは言い難い中、そういった選手たちが結果でチームを引っ張ることのできる存在に進化していってくれることを楽しみに代表ウィーク明けの試合を観ていきたいと思っています!
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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