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〜見えてきた!CL圏内への道筋?!別格だった新戦力〜21/8/26 《ECL21-22 プレーオフ2ndレグ》 パソス・デ・フェレイラ vs トッテナム レビュー

こんにちは。えつしです。


今回は、本戦出場のために絶対に負けられないECLプレーオフ2ndレグ、パソス・デ・フェレイラ戦です。前回はアウェーでリーグ戦からスタメンを総入れ替えしての試合でしたが、今回はホームで、本戦出場を決めることができたのか?!



1. スタメン

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スパーズは、直近のウルヴズ戦からロリスタンガンガサンチェスレギロンスキップホイビュアデレ・アリベルフワインソンに代え、ゴッリーニドハーティロメロデイビスロ・チェルソウィンクスヒルセセニョンケインを起用した4-2-3-1。必勝を期して臨む一戦、1軍ではないものの、スカーレットジョンといった若手を使わず、先日残留宣言をしたばかりのケインをスタメンに。


パソス・デ・フェレイラは、1stレグからFernando FonsecaLuiz CarlosHélder FerreiraNuno Santos、に代え、Jorge SilvaMaracásRui PiresJ.Delgadoを起用した5-4-1



2. 1st half

キックオフ直後、ロメロのフィードにケインが抜け出し、シュート。ここはGKのAndré Ferreiraの良い寄せもあり、ゴールとはなりませんが、スパーズは、いきなりのチャンスを迎えます。
そこからも、終始スパーズがボールを握る展開で、試合を支配し続けます。


パソス・デ・フェレイラは、5-4-1で構えて1stレグでの1点のリードを守り切ろうという姿勢。

スパーズは、ロメロダイアーの2CBと、3CBとまではいかず、サイドに張っている事もありましたが、低めの立ち位置のデイビス、さらにウィンクスの4人でビルドアップ。ロ・チェルソは右のハーフスペース、ドハーティが右の大外レーン、左のハーフスペースはトップ下のヒル、大外にはセセニョン

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ハーフスペースに人がいることによって、スパーズのCBは、相手のSHが絞ってくればSBへ、相手のSHが外を警戒すればハーフスペースにいる味方へ、という2つの選択肢を持つことができます。(上図だと23番のLucas Silvaが絞ればドハーティ、外を警戒してロ・チェルソへのパスコースが開けばロ・チェルソに、という選択肢がロメロに与えられる。)
8分26秒の先制点のシーンも、ウィンクスのタックルとすばらしいパスや、ヒルの良い抜け出し、クロスももちろん良かったですが、ロメロから右のハーフスペースのルーカス・モウラにボールが入り、うまく相手陣内に侵入したところから繋がったものです。


何より良かったのは、8分5秒の、ロメロルーカス・モウラに縦パスを入れたシーンです。ロメロが体の向きを大外のドハーティに向けることによって、相手のLucas Silvaの意識は外へ向き、一歩外側へ動き、ルーカス・モウラへの縦パスを警戒して前へ出てきたCBのMaracásの足は一瞬止まることになります。それを見逃さず、ロメロルーカス・モウラに縦パスを通します。この体の向きでのフェイクはバルセロナのブスケツがよくやってますね。
1stレグでも感じましたが、ロメロ運べてパスも出せますし、今回見せたような、バルセロナのビルドアップの要であるブスケツを彷彿とさせるようなインテリジェンスも持ち合わせています。もしかするとスパーズは、ファン・ダイクやセルヒオ・ラモスのように、これからサッカー界を代表するCBと言われるようになるような逸材を手に入れてしまったのかもしれません。


33分53秒には、相手GKのミスからケインがシュート。ブロックされたそのこぼれ球をロ・チェルソが拾ってシュートしますがこれまたブロック。最後はそのこぼれ球をハリー・ケインが拾い、再びシュート。これがゴールに吸い込まれ、合計スコア2-1でスパーズが優位に立ち、そのまま前半が終わります。


3. 2nd half

後半も一貫してスパーズがボールを支配し続ける展開で、パソス・デ・フェレイラにチャンスを与えません。
63分にはセセニョンに代えてホイビュアを入れ、ヒルがSH、ロ・チェルソがトップ下でホイビュアがボランチに入ります。
これによって、ヒルが左サイドの幅取り役となります。


69分パソス・デ・フェレイラJ.DelgadoDenílsonに代えてHélder FerriraDouglas Tanqueを投入した直後にロ・チェルソが角度のない位置からの直接FK、相手の頭に当たったボールがそのままゴールに吸い込まれ得点。


その後両チーム交代はありつつ、スパーズが何度もチャンスを迎えるものの、得点は動かず試合終了。3-0合計スコア3-1スパーズが本戦出場を決めました。



3. 総括、感想

明らかな格下相手で、こちらのボールホルダーへのプレッシャーがあまりにもなかったのは確かですが、ビルドアップで相手を崩すシーンを何度も作っての勝利。サポーターの皆さんも、観ていて楽しいゲームだったのではないかと思います。


パソス・デ・フェレイラとしては初っ端から引くにしても、スパーズはボールを持つのが得意なチームではないのだから、トップがボランチを抑えたり運ぶCBに対してはボランチが牽制したりしてもう少しボールホルダーにアタックしたかったところ。もしくは5-3-2で中盤の前でウィンクスに楽にボールを持たせないようにするとか。
やっぱり5-4-1は、一見堅いように見えて中盤の前のスペースのケアとか、ライン間に入った時には左右のCBがちゃんと潰しに行くことが出来ないと難しいなと。

プレミアリーグではプレスももっと速く、球際も激しく、ここまでボールが持てる試合はなかなかないと思います。
なので、さすがに今回ほど攻撃的な陣容にはできません。
ただ、ボール非保持時にヒルが中盤の守備をしないですむようなシステムへの可変を採用して、前半途中までルーカス・モウラロ・チェルソがハーフスペースで被ってしまっていたり、ドハーティがハーフスペースを取る役に回っている時が何回かあったりしたことを改善(下図)すれば、リーグ戦でも今回の4-2-3-1を軸に、課題のビルドアップや、格下で引いてカウンターを狙ってくるチーム相手との戦いを克服し、CL圏内、そのまた上の順位を狙っていけるようになるのではないでしょうか?!

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ロメロビルドアップ面でも大いに貢献できる

ヒル大外から仕掛けるだけじゃなく、ライン間でボールを受けてから味方を使うプレーにも十分対応可能で、走る味方をシンプルに使うこともできるし、自分が積極的に裏に抜けて受け手になる事もできる。前評判通り守備でもちゃんと走る。とにかく運動量が多い。

さらに、上記2人の獲得は、この夏のパラティチの大きな成果となりそうです。
今後長いシーズンを戦う上で、カウンター一本ではなく、ボールを保持して戦うことができる兆しが少し見えて良かったですし、残りの移籍期間で、パラティチにはなんとかケインのバックアップストライカーMF右SBCBのうち2人くらいは補強してもらって、なんとかこの4-2-3-1をプレミアリーグでも通用するレベルまで昇華させて戦えるようにしていきたいところ。


4. おわりに

いかがでしたでしょうか。

諸事情により、後半の振り返りが雑になってしまって申し訳ありません。全体的には、前回のミッドウィークの試合よりも丁寧に書いたつもりです😅


週末のワトフォード戦、ローズやシソコが出てくるかはわかりませんが、彼ら相手に勝ち点3を取り、首位で代表期間に突入できれば最高ですが、どうなるか。
ECLでの成功が活かされていることを期待して、試合に臨みたいと思います!


ここまで読んでいただき、ありがとうございました。


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