21/9/26 《プレミアリーグ2021-22 第6節》 アーセナル vs トッテナム レビュー
こんにちは。えつしです。
今回は、3節終了時は最下位と首位、順位表の1番下と1番上という正反対の位置付けにあったアーセナル、トッテナムのノースロンドンの両チームが、そこからそれぞれ2連勝、2連敗と試合を重ね、これまた対照的な結果を経て迎えるノースロンドンダービーです。
内容がとても良いとは言えないまでも、冨安の加入や怪我人の復帰によって直近2試合で勝ち点3を取れているアーセナル。両クラブにとって重要なこの一戦。アウェイでスパーズはどのように戦ったのか。レビューしていきます。
1. スタメン
アーセナルは、前節バーンリー戦からニコラ・ペペに代えてジャカを起用した4-2-3-1。
直近のミッドウィーク、カラバオ杯でのウィンブルドン戦からはレノ、セドリック・ソアレス、ホールディング、パブロ・マリ、タヴァレス、メイトランド=ナイルズ、ロコンガ、マルティネッリ、エンケティア、ラカゼットに代えてラムズデール、冨安、ホワイト、ガブリエウ、ティアニー、ジャカ、サカ、ウーデゴール、スミス=ロウ、オーバメヤンを起用。
ミッドウィークに大幅なターンオーバーをし、今回のスタメンはほとんどが休養十分といった感じでしょうか。
スパーズは、前節チェルシー戦からエメルソン、ロメロ、ロ・チェルソに代えてタンガンガ、サンチェス、ルーカス・モウラを起用した4-3-3。
直近のミッドウィークウルヴズ戦からはゴッリーニ、ロメロ、ベン・デイビス、スキップ、ロ・チェルソ、ヒルに代えてロリス、ダイアー、レギロン、ホイビュア、ルーカス・モウラ、ソンを起用。
チェルシー戦、ウルヴズ戦ともに先発で長い時間出場したロメロはベンチ、ルーカス・モウラが怪我から復帰となりました。
2. 1st half
試合開始直後アーセナルはスパーズの出鼻を挫こうとハイプレスを敢行。それに対しスパーズは無理して繋ぐことなく、ケイン目掛けて前線にボールを蹴り込んでいきます。
アーセナルのハイプレスも開始直後だけで一旦落ち着き、試合のテンポも下がりますが、そこからはアーセナルが主導権を握っていくことに。
上図の様にスパーズは守備時はいつも通りの中締め3トップによる4-3-3。基本的にアーセナルのCBに対してはあまりプレスにはいきません。
アーセナルは冨安が右サイドの大外に張らず、3バックを形成したり、偽SBの様な位置を取ってビルドアップしたり、スミス=ロウがガブリエウの左脇に降りてビルドアップしたりしていました。
そして今回もこのスパーズの守備が機能しません。2分12秒と5分54秒の2回、開始6分の時点で2回もアーセナルのCBからボランチへの縦パスを許しています。
2分12秒の時はボールを受けてスムーズに前を向くのが得意ではないパーティにボールが入り、少しボールコントロールがおぼつかないところをホイビュアが縦スライドでアタックしてファールで止め、5分54秒の時はデレ・アリがハーフスペースにいるスミス=ロウについていたところ、ホワイトからジャカにボールが入り、遅れてホイビュアと、スミス=ロウのマークを捨て慌てたデレ・アリが寄せに行きますが、その捨てたスミス=ロウにジャカがワンタッチでパスを通し、間延びしたライン間で前を向かれることに。最後はオフサイドになりましたが、最終的にオーバメヤンのシュートにも繋がりました。
この様にスパーズはボランチへのパスコースも切れていないことにより、3センターが縦スラでアーセナルのボランチを潰しにいかないといけない状況になっており、3トップはプレスをかけないのに中盤は後ろのスペースを放棄して前に出てきてDFラインとの間が間延びしまくるというチグハグで、リスクの大きい構造になっていました。
そしてレギロンがケインにロングボールを送り、ケインがホワイトに競り負けたところからのカウンターでサカのクロスにスミス=ロウが合わせて11分14秒にアーセナルが先制します。
このネガトラの場面でも中盤の切り替えが遅く、サカとレギロンが1対1になっている状況でのホイビュアのポジショニングは悪かったです。しかし、相手のSBにボールが出た時にはスライドしてそこに寄せていかなければならず、さらに3トップが2ボランチへのパスコースを切れていない時に個人で状況判断をしてボランチを消すor潰しにいかなければならないといった過剰な負荷が3センターの選手にかかっていることがその背景にあることを忘れてはいけないと思います。
スパーズはホイビュアやエンドンベレがダイアーの左脇に降りてビルドアップしようとしますが、細かいポジショニングなどを指導されていないからか、少しポジショニングが高かったりして降りたところでボールを受けてもうまくパスコースを作れずボールを前進させることができません。
さらにビルドアップ時にデレ・アリとルーカス・モウラの位置を入れ替えるような形も見られました。IHの位置で受けてドリブル突破させたいのか、いまいち狙いが見えてきません。
DAZNの中継で解説の戸田さんもおっしゃってましたが、その位置でドリブルを仕掛けて奪われた後の守備ができるスキームを用意しているのならいいですが、基本はあの位置で相手の2ndDFラインに対してドリブルで突破を仕掛けていくことはサッカーではほとんど見られない光景です。
前線のケインやソンに割とあっさりロングボールを蹴っていたので、そこからのセカンドボール回収を見越しての配置換えなのかもしれませんが、あれだけ競り合いが弱いと言われているホワイトにがっつり空中戦で負け、そこから失点に繋がってしまいましたし、前節のチェルシー戦のレビューでも書いた通り、ボールを蹴り込んでもクリステンセンにほとんど競り勝つ場面を作れていなかったケインがロングボール争いで競り勝つことを、試合に勝つためのプランとして組み込んでいたとしたら驚きです。
3. 2nd half
スパーズは、HTにデレ・アリに代えてスキップ、タンガンガに代えてエメルソンを投入して4-2-3-1に変更します。それによって前半程アーセナルに簡単にボールを運ばれるシーンは減ったものの、いきなりビルドアップが改善するわけでもなく、70分にエンドンベレをヒルに交代し、ヒルのプレーから78分5秒のソンのゴールに繋がるも、3点の差は覆すことができませんでした。
82分にジャカからロコンガ、87分にサカからメイトランド=ナイルズ、スミス=ロウからタヴァレスと交代し、後半も途中からスパーズの心許ないビルドアップをハイプレスで突き続けたアーセナルに軍配が上がり、3-1でホームチームの勝利で試合終了となりました。
4. 総括、感想
ノースロンドンダービーでの敗戦で、今まで以上にサポーターからの風当たりは強くなりました。
この試合後の記者会見では、
という力強いメッセージをファンに伝えたヌーノ監督ですが、ここからチームは上向いていくことができるのでしょうか......
5. おわりに
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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