21/10/24 《プレミアリーグ2021-22 第9節》 ウェストハム vs トッテナム レビュー
こんにちは。えつしです。
今回は、ウェストハム対トッテナムの試合をレビューしていきます。
1. スタメン
・ウェストハム
ファビアンスキ
ジョンソン-ズマ-オグボンナ-クレスウェル
ソーチェク-ライス
ボーウェン-ベンラーマ-フォルナルス
アントニオ
85’ ベンラーマ⇄ランシーニ
90’+1' ボーウェン⇄ドーソン
ウェストハムは、前節エヴァートン戦からはスタメンの変更はなしの4-2-3-1。
直近のミッドウィーク、ELでのヘンク戦からはアレオラ、ドーソン、ディオプ、ヤルモレンコ、ランシーニ、ヴラシッチに代えてファビアンスキ、ズマ、オグボンナ、ベンラーマ、フォルナルス、アントニオを起用。
・スパーズ
ロリス
エメルソン-ロメロ-ダイアー-レギロン
ホイビュア-スキップ
ルーカス・モウラ-エンドンベレ-ソン
ケイン
84’ レギロン⇄ヒル、エンドンベレ⇄ロ・チェルソ
90’+1’ ルーカス・モウラ⇄ベルフワイン
スパーズは、ここ最近のリーグ戦ではお馴染みのスタメンで4-2-3-1。
直近のミッドウィーク、ECLでのフィテッセ戦からはスタメンを総入れ替え。
2. 1st half
試合は珍しくスパーズがボールを持つ展開に。
上図の様にスキップがダイアーの左脇に降りる形でビルドアップ。
その選択は良かったものの、全体的なポジショニングにはまだまだ難ありでした。
上図の通り、後ろ3枚の距離が近く、スキップはダイアーの斜め前、ハマーズの2トップのラインと同じ高さでボールを受けようとするので、アントニオのスライドが間に合う場面がちらほら。
また、この試合では裏を狙う意識が高かったのもあってかレギロンのポジショニングが高く(左のエメルソンも同様)、スキップからレギロンへのパスコースがうまく作れず、さらにエンドンベレがライスとソーチェクの間に立たずにそのラインよりも下に降りてきてボールを触ろうとするので、ハーフスペースのソンにも縦パスをさせず。というか、そもそもソンもハーフスペースで受ける意識が徹底されていたわけではなく、相変わらずのふわっとしたポジショニングで、CBにはあまりプレスをかけてこないハマーズのミドルブロックに対して、ボールは持てるものの効果的にボールを前進させることはできないスパーズ。
8分過ぎ、ソンがハーフスペースに立ってボーウェンを引きつけてスキップから大外のレギロンにボールが出ます。そしてソンのチャンネルランで相手のラインを押し下げ、レギロンから前線中央への斜めのパスコースが見えた時、ケインはそこにおらずボールを受けに下がったところから戻る最中。ここはレギロンも、ケインに「そこいとけよ!」という感じのジェスチャー。
後ろだけでなく、前線の選手のポジショニングにも疑問が残ります。
ハマーズは、そんなスパーズの拙いビルドアップを引っ掛けてショートカウンターを狙う形。
途中までは、4-4のブロックを作り2トップのスライドでスパーズの後ろ3枚の縦パスを牽制していたハマーズでしたが、22分辺りからは上図の様に3枚を作るスパーズに対してSHを出して前から圧力をかける場面も出てきます。
ビルドアップの局面では、途中ライスがオグボンナの左脇に降りることもありましたが、基本は可変しない形。
スパーズは上図の様にケインがCB間を切って前からボールを奪いにいく雰囲気を見せるも、ライスとソーチェクのダブルボランチの内、エンドンベレにマークされていない方や、降りてくるベンラーマを使われてボールを運ばれます。
ここでのライスの運んで自力でパスコースを作っていく力は光っていました。
スパーズは、ゾーンではなくある程度人についていっている中、余るボランチや降りるトップ下にホイビュアとスキップのどちらがいくのか、それともソンやルーカス・モウラに絞らせて対応するのか、これもまた曖昧な感じ。
上のスタッツの通り、ボールは支配して前半を終えたもののうまくいった前半とは言い難いスパーズ。
後半はどのような展開になったのでしょうか。
3. 2nd half
後半開始からまずチャンスを作ったのはスパーズでした。
上図の様にエンドンベレがダイアーの左脇に降りてスキップがハーフスペースを取る形で前進。
このように、縦パスを恐れずパス&ゴーですぐに動き出してくれるエンドンベレがDFラインまで降りてビルドアップに関わり、ハマーズの1stラインと2ndラインの間で前向きでボールを受けることに成功。そしてダブルタッチ風にルーカス・モウラに縦パスを繋ぎ、そこから大外のレギロンにスルーパスが通り、クロスにスキップが飛び込むも、そのタイミングが少し早くクロスには合わずというシーンでした。
その後、後半はSHはプレスにいかず、ミドルブロックを敷いて戦うハマーズに対し、スパーズはチャンスを作ることができず、71分49秒にクレスウェルのコーナーキックからアントニオにゴールを決められて失点。ここはアントニオの足元にボールが届くまでにスキップがボールの落下地点を見誤らずにクリアしておきたかったところ。ここまでの試合でセットプレーでの失点がまあまあ多いこともありますし、試合後の記者会見でヌーノ監督が言っていた通り、この失点の仕方は良くありませんでした。
スパーズは、84分に左大外に張る役割のレギロンに代えてヒル、エンドンベレに代えてロ・チェルソを投入するも、時すでに遅し。
1-0、ハマーズの勝利で試合終了となりました。
4. 試合総括、感想
スパーズは、スキップや両SBのポジショニングもとりあえず5レーンには立ってみました〜というようなふわっとしたもので、チームとしてのビルドアップの形が確立されていない中、エンドンベレがDFラインまで落ちてタクトを振るわなければ一向に敵陣に侵入できない状況は変わらず。
ホイビュアがCB間に落ち、スキップがダイアーの脇に降りて後ろが激重な状態になっていたり、スキップが降りていってフリーで受けても縦パスを狙う素振りがなかったり。トップ下の位置から毎回降りてくるのは負担が大きいと思いますが、これからもビルドアップはエンドンベレがうまくやってくれることを願うしかなさそうです。
守備に関してもイマイチ前と後ろで意思疎通が取れているとは思えない動き。ここもいくかいかないか、ホイビュア個人のバランス感覚に頼ることになりそうです。
5. おわりに
現地でもヌーノ監督への風当たりは強くなってきている様ですし、いくらクラブからの期待値が低いとは言え、このまま改善がなされずサポーターの解任を叫ぶ声が大きくなってくると、今シーズン中にクラブが動く可能性もなきにしもあらずといったところ。
次節は絶不調中のマンチェスター・ユナイテッドとの順位争いをかけたホームでの直接対決なので、なんとか勝ち点をもぎ取ってもらいたいですね。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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