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普通の会社員ライターがフリーライターとしての一歩を踏み出す方法とその考え方


会社員ライターからフリーランスライターになって早6カ月。同じように転身したいと思っても、なかなか踏ん切りがつかずにいる方が一定数いるのではないかと思っています。
少しでもそういった方の参考になればと思い、どのような経緯で、何を考えフリーランスになることを決めたのか残しておこうと思います。今回は、インタビュー形式でまとめてみました。


――なぜフリーランスになろうと思ったのですか?

私は2015年、会社員ライターになりました。その後、比較的早い時期から、いつかはフリーランスになりたいと思っていました。今振り返ると、組織の中で働くよりも、自由や自立を志向する性格だったのだと思います。

ただ、ライター歴数年で会社を辞めて独立するほどの勢いはなかったですし、勢いで辞めて生きていけるバイタリティーもないだろうと思っていたので、長らく独立へと踏み出していませんでした。

それに、すでにフリーで活動しているライターさんと話している中で「子ども産む予定なら、出産してからフリーになった方がいいよ」と言われました。社会保障は確実に会社員の方が手厚いので、確かにその通りだと思い、2017年に結婚した頃から、独立はしばらくお預けにしていましたし、しばらくは「やっぱり会社員の方が安定するなー」と安定志向が強かったように思います。

――では、フリーランスになることを具体的に考え始めたのはいつ頃だったのですか?

第一子が生まれて産休育休を取得後、職場復帰して3カ月後くらいからです。自分としては、思ったより早かったなと思っています。子どもが生まれてから、より安定志向が強くなっていったので、子どもがそれなりに大きくなるまでは今の会社にいようと思っていました。

――なぜ考えが変わったのですか?

やはり子育てと仕事の両立に関して、理想と現実の乖離にもどかしさを感じることが増えたからだと思います。

私は、子どもが生後8カ月(0歳児クラス入園)の時に職場復帰しました。時短で働いていたけれど、保育園に預けるのは8時10分頃、お迎えは早くて17時でした。子どもを保育園に預けている時間はほぼ9時間。「やっぱり長いなぁ……」と思うようになってしまったんですよね……。

子どもが通っている保育園の園長先生は、比較的何でもはっきり言うタイプ。「0歳児クラスのお子さんの保育時間は、なるべく短い方がいい。お子さんのためを考えると保育時間は8時〜16時とか、9時〜17時」と、当たり前という顔で言われました。もちろん子どものためを思うと園長先生の言うことは正論だと思いましたが、結構グサッときました。

なので、それがずっと引っかかっていたのだと思います。毎朝のように、抱っこして保育園に向かいながら、何時間預けることになるか指折り数えていましたし(何度数えても9時間なのですが)、どうにかして短くできないものかと考えていましたね。

あとはよくある話だと思いますが、頻繁に子どもが発熱して、呼び出し電話がかかってくるんですよね。我が子は、ぴったり3週間に1回は発熱して呼び出されていました。すると、その日は仕事を早退。コロナ禍ということもあり、熱が下がったとしても翌日は休まざるを得ませんでした(解熱後24時間経過しないと登園できないので、夕方発熱すると、必然的に翌日は登園できない)。

後ろめたさを感じる必要はなかったのだと思うのですが、職場に時短勤務者や早退する人が皆無だと、どうしても申し訳なさは感じてしまいますよね。今振り返ると、同じように子育てしている人がいたら、もう少し感じ方が違ったかもしれません。

単なる自分の思い込みに過ぎなかったかもしれませんが、肩身の狭い感じがあり、また、保育時間の長さもささくれのように気になり続け、今のまま働き続ける意味が分からなくなってきて、現状を変えたいと思うようになりました。

――フリーランスになった最終的な決め手は何だったのですか?

フリーランスになる踏ん切りがつかず悩んでいた時、一度ご縁があって単発の仕事を依頼してもらった方から、新規案件の話が来たんです。

同時に、もともと副業で細々とライティングの仕事をしていて、そちらのクライアントさんの案件数を増やせそうな雰囲気があることを知りました。とりあえずクライアントさんが2つになれば、当時の収入は維持できる算段がつきました。それで、フリーランスになる決意ができましたね。

最初にも言いましたが、勢いでフリーランスになるバイタリティーはなかったので、やはり収入面での見通しが立てられたことは、フリーランスへ転身する大きな後押しになりました。

あとは、通勤費や社会保険料などが段階的になくなっていたことも、フリーランスになることへのハードルを下げていたと思います。2019年度から週2回の在宅勤務がトライアル的に導入され、まず定期券を持たなくなりました。「定期券がない」ことは、心理的に結構大きな一歩だったと思います。その後、職場復帰にあたって時限的なパート勤務になり、国民健康保険と国民年金になりました。会社員とフリーランスでは、社会保険の手厚さが大きな違いになってきますし、その点が懸念点でもありました。ところが、その辺りの手厚さがなくなっていたので、ある意味懸念点が払拭されていたのです。

こういった経緯で、フリーランスになることを思いとどまらせているものがなくなり「フリーランスになろう」と決めることができました。本当に最後の一歩は「えいや!」という感じでした。やはりクライアントさんがいるからといって絶対安定な収入にはなりませんし、「仕事がなくなったらどうしよう」という不安は払拭できていませんでした。

でも、フリーランスになるかどうしようか悩んでいる時にタイミング良く新規案件の話が来たということは、フリーランスになることを応援されているような気がして。こういう時に、チャンスをぐっと掴む力は重要な気がします。特に比較的慎重派な方は、収入の見通しを立てて、タイミングをじっと待ち、チャンスが来たらすかさず掴む!という姿勢が大切かもしれません。

そんなこんなで会社と時期を調整し、2021年5月1日に晴れてフリーランスになりました(夫に伝えるのには、かなり勇気が入りました(笑))。

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