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音楽家の旅行記 金沢編 -Part4 1日目 午後 白川郷-

バスに乗り白川郷まで1時間半の旅。バス会社の人が気を使ってくださりなんと隣に乗車予定の外国人観光客を他の場所に配置転換し二席分使って良いとの事。おかげで気楽に車内で寛ぐことが出来た。思えば夜行バスで到着しここまで殆どずっと大きなバックパックを背負い歩き詰め。だいぶ疲労がきていた。元気なら移動の道中も景色を見て楽しんでいただろうが窓の外を見ても気持ちにあまり余裕がないせいか響いてこない。ぼーっとしている時間の方が長かったように思う。バスの後半は睡眠不足もあってだいぶうとうとしていた。そんな中でも道中が気になりGoogleマップを開きルートを確認する。金沢発で富山県を経由し岐阜の白川へ向かうルートだった。富山県はまだ訪れたことがない。いずれ黒部ダムや大きな雪の壁を見に行きたい。一番富山県で興味のある事はホタルイカの身投げだ。春にホタルイカが産卵のために浅瀬に集まる。その際に発光する景色がたいそう美しいそうだ。そんな景色を見てみたい。また掬って取り立てのホタルイカを味わってみたい。

そうこうしているうちに白川郷へ到着。


バスを降りた景色

むかしむかしあるところに・・・
そのあるところが本当にあった。そんな第一印象だ。心が洗われるような絶景、メルヘンな町並み、そんな景色が好物でヨーロッパ在住の際そういったものを求めて旅をしてきたがまさに日本のメルヘンだった。外国人がたくさん集まるのもわかる気がする。滞在時間が1時間半と長くないため早足でまわる。一番大きな和田家は順番待ちの列が長いため後回し。まずは出発地点の反対側の集落の外れを目指し散策する。

古い建築だからだいぶ汚くなっているかと良くない偏見を持っていたが、想像していたより木の色、乾拭き屋根が明るい色で綺麗だった。途中の水路には鯉だけではなくニジマスもいてギョッとした(魚だけに)。温泉施設や宿泊施設、お土産屋、カフェ、農協もあり観光するにも一通りのものは揃っているようだ。が今は節約のため泣く泣く全てパス。集落の橋まで歩いた後展望台はどこだとマップを見たが、なんとスタート地点近くまで引き返さなければいけないことにいまさら気が付き泣く泣く急ぎでUターン。和田家の脇の道へ入り少し足を進めると結構な坂道に。歩き詰めに登山リュックの身にはつらい。ロッカーに預けておけばよかったかなと思いながら坂を上がる。道中あちこちからドイツ語が聞こえてきてつい話しかけたくなったりしながらなんとか展望台へ。

有名な例の構図

かの有名な白川郷の景色はここから撮られたものだった。雪がつもりライトアップされた景色はさぞ綺麗なのだろう。冬シーズンにまた来たいものだ、どう思いながら登りきってたどり着いた景色を達成感とともに噛みしめる。

さあせめて一軒でも中に入ってみないと。そんな思いとともに和田家を再訪問。だいぶ列が短くなっていたため並び、入場。中は和室だ。畳を見るたびにゴロゴロとくつろぎたくなる。温泉に入り、美味しいものを食べ、酒を飲み、そのままゴロゴロしながらいい頃合いに敷かれている布団にもぐり込みたい。縁側から庭園を眺めながらそんな願望に浸る。少しした後二階へ。

和田家

二階から見える景色はまた良いものだった。合掌造りの構造のせいか、非常に風通しが良くいい感じの湿度に保たれているように感じた。内側から見る合掌造りの屋根の構造はなかなか見張るものであった。乾拭きが屋根としてしっかり固まっている様は不思議な感覚であった。
時間も迫りバス停へ向かう。しばらくした後バスが到着し、乗車。今回は隣の席には中年のドイツ人がいた。久々にドイツ語で会話する。帰国以来めっきりドイツ語を話す機会がなくなってしまった身にはありがたい練習相手だ。暫く話をしていたが疲労が勝ってしまい、次第に口数は減り、最終的に沈黙。さらに時間があき金沢駅に戻った。別れた後駅のスーパーでずっと気になっていた能登牛の薄切りと、ご飯、コロッケ、ビールを買い今回の宿のユースホステルへ向かう。

次回へ続く。

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