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ナポレオンとマーガリンコンクール

19世紀、フランスの皇帝となったコルシカ出身のナポレオン1世とその甥3世は、現在の私たちの食生活にも生かされている3つの食品開発に携わったことでも知られている。それらは、甜菜で作る砂糖、殺菌された瓶詰食品、マーガリンである。

王冠


*砂糖:1806年、ナポレオンがイエナの戦いでヨーロッパ征服を果たすが、唯一残ったイギリスを屈服させるため、大陸封鎖令を発した。しかしこれが裏目に出てフランスは砂糖不足となる。しかし、実業家バンジャマン・ドゥレセールが、甜菜から砂糖を作ることに提案。ナポレオンは、その実業家にレジョン・ドヌール勲章を授け、この産業の発展を奨励したという。

古代ローマ皇帝風ナポレオン

(ナポレオンはローマ時代の皇帝に憧れており、自らを皇帝をモデルにした像)


*缶詰:缶詰を開発したのは、製菓業を営んでいた二コラ・アペールという人物であるが、
彼は、食品を瓶に入れて煮沸する殺菌方法を初めて思いついた人である。その発明をナポレオン1世は評価し、瓶詰食品の生産を奨励したという。しかし、彼は特許を取得していなかったためその技術は外国人伝わり、缶詰めが考案されるようになった。ちなみに二コラ・アペールの甥、レイモン・シュヴァリエ=アペールは、圧力釜を使用した高圧殺菌法を開発した人物として知られいる。

ナポレオンのベッド?


*マーガリン:マーガリンは、長い航海に出る艦隊乗組員のため、日持ちのしないバターに変わって開発された。1869年、ナポレオン3世の声掛けのもと、バターよりも長持ちし価格の安い油脂食品のコンクールが行われ、イポリット・メージュ=ムリエという人物がマーガリンを考案。当初は液状でマガリーヌと言う名前だったらしいが、これは、ギリシャ語で「真珠のような」を意味するという。1910年には、溶解点をコントロールできる製品になり菓子作りにも使用されるようになる。

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