【随想または詩】爪を保つ
少し割れた
爪の端が
やっと伸びて
切って元通り
髪も伸びた
爪を保つにも
髪を保つにも
活力が要る
切り落とされて
屑になった
かつて私を構成していた
爪の欠片が
あの過去の
最後の経験者で
私に残されたのは
複製の記憶だとして
たしかに忘れていくのに
薄まらない想いが
今も示している
入れ換わり続けるなかで
保たれている私を
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