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英語力でやはり日本人は淘汰される

 やっぱりだなあ。朝日新聞に先日出た記事をお読みになられたでしょうか。

 結局、英語が海外で、それも英語圏でできないがゆえに仕事がないというのはもはや現実なのです。今回はこれについて少し考えます。

 日本人の英語力は年々下がっています。EF 英語能力指数 (EF EPI)で2023年の指数で日本は113か国中87位。2011年のスコアはまだよかったのですが、これは2016年からどんどん落ちていって、2023年は前年の80位からも転落。「英語の能力が低い国」と認定されています。これどうするんですか?

 結局、英語に限らず語学の勉強というのは本人の情熱によってしまうのですが、今回のこのワーホリの記事で思うのは、オーストラリアにまで行って日本の企業で働いているということ。「英語は身に着けないの?」という疑問が湧いてくるのです。

 昔、やはりワーホリに行った人が英語ではなく、関西弁身につけて帰ってきた人がいましたが、何のために行ったのかなあとそのときも思いました。

 そもそもワーホリは英語の修行や文化の体験という意味合いもあって展開されていると思いますが、なぜオーストラリアの日系企業で働くのかイマイチ理解ができません。英語の環境下で一生懸命働いて、人間的に向上してほしいという思いもこのプログラムの中にはある気がするのですが。。。

 ところが、プログラムに参加する人たちは英語力がないゆえに地元の企業で働けないということなんでしょう。

 そうだとすると「何しに行ったの?」と思うのは僕だけでしょうか。ワーホリの意義を何か勘違いしているのではないでしょうか。オーストラリアで仕事がなくてホームレスになっているとも記事では書いていますが、海外でホームレス?? むむむ。。。 

 マレーシアも準英語圏で働きに来る人が多いのです。「英語不問」というよくわからない求人をよく見かけます。

 つまり、「業務では英語は使いませんから安心して働きに来てください」という人材会社のお誘いなのです。人材会社も人が来てくれないと仕事にならないので、こういったもう目も当てられない求人広告を出して人を誘うのです。

 人材会社の人たちもそんなことはわかっているのですが、それでも「英語ができないと仕事がありませんよ」とも言えず、苦肉の策で出しているようです。

 ただ、それは業務だけの話であって、日常生活で英語ができないとマレーシアはやはりきつい。それについては人材会社は何も言わないのですが、日常生活で英語が必要になることはどうも求職者は想像ができないようなのです。

 これは想像の欠如? 日常生活でも日本人のみでかたまり、ローカルの人たちとはほとんど接触はしない。これでは英語はうまくなるはずがありません。

 先日、人材会社の人と話す機会があったのですが、昨今マレーシアに来る人たちはやはりほとんどが英語ができないそうです。面接で自己紹介はなんとか英語でできるものの、それ以外はできないのだとか。それだとどうしても職を得るのは難しいのではないかと思うのですが、本人たちはどうもそうは思っていないらしい。

 BPOという形式の企業のカスタマーサポートセンターで働く人たちの多くは英語を使わない仕事、かつ高卒でもビザが出てしまうので、こういったところに人が集まってくる。英語を頑張って身につけて仕事の幅を増やしたいと思っている人はごく一部のようで、ほとんどは英語なしの仕事に応募してくるとか。

 日本での就職がなかなか難しいという事情もあるのかもしれませんが、果たして海外を「日本の延長線上」と今の若い人たちは考えているのではないでしょうか。これ、僕ら海外在住組にとっては深刻だと考えないといけないと思います。

 上記の記事を読むと、何だか日本人の質も落ちてしまったなあとも感じます。確かに昔から日本人は英語はできませんでしたが、何だか最近の人たちの英語のできなさは「質が違う」ような気がするのです。うまく説明できませんが。

 海外に来てホームレスになるって、昔タイの中年日本人が女に入れ込んですべて財産をもっていかれてホームレスになったというのは何度も聞きましたが、それともまた今回のは意味合いが違う。

 ワーホリの場合、英語ができればそこそこのところで職が見つかるのではないでしょうか。そこをクリアすれば、道は開ける気もするし、オーストラリアがだめなら、別の国ということも考えられる。お金がなくなってしまい、海外でホームレスになることほど辛いものはありません。

 そもそもなぜオーストラリアに向かうのかは、これはまた人それぞれだとは思うけど、英語ができても結局、インドネシア人やベトナム人、ミャンマー人といったアジア人とオーストラリアでは競り合うことになります。そこの競り合うだけの力にもなっていないのかもしれない。これって、日本の英語力が落ちた「はての結果」の気がします。

 戦前、シンガポールなどには「からゆき」さんという人たちが日本から来ました。要は売春です。

 日本人女性が日本で仕事がなかったので、致し方なく東南アジアに来て売春をしていたのですが、もしかしてこういう時代が近く来るのではないか。

 欧米では多くの若い日本人女性が疑われて入国を拒否される事例もあるようですが、時代が逆に向かっていると思います。

 以前、下記の記事を書きました。2年も前に書いた記事ですが、そのときと今ではあまり考えていることが変わっていないなあと思っています。

 マレーシア国内でも英語ができない人は仕事がかなり狭まります。英語ができないと金持ちにはなれません。この国では英語ができることは金持ちになる必須条件なのです。

 この条件はもはや万国共通になっているような気がしますが、さて、日本人たちはどうするのでしょうか。そんな人たちの手助けはしたいとは考えていますが。。。

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