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マレーシアでの暑さ対策について

 マレーシアは赤道に近く、一年を通して高温多湿な熱帯気候の国です。特に日中は気温が30度を超える日もあり、年間の平均温度は27度。といっても、日本ほどの暑さではなく、日陰に入れば、暑さは凌げますし、実際マレーシアのほうが涼しかったりします。そんななかマレーシアの人たちはどのような暑さ対策をしているのでしょうか。


●服装

まずは、服装です。

通気性の良い素材を選ぶ人が多いです。汗を素早く吸収し、蒸れを軽減する素材が好まれます。また、色も暑さが体に響く黒ではなく、白など明るい色をよく着ます。黄色やオレンジといった派手な色を着るのもこのためなのでしょうか。黒っぽい服は蚊を寄せるつけるため、あまり着ないのは虫刺され対策でもあるようです。男性は短パンを穿いている人が多いです。

また、サングラスをかける人は多い。日焼け止めをつける人はあまり見かけませんが、紫外線は目に良くないため、サングラスをつけて日差しを避けるようにしています。

●水分補給

日本人は日常生活の中であまり水を飲みませんが、東南アジアの人はよく水を飲みます。

暑さで汗をよくかくため、水分を補給することで脱水症状を防止しします。また、マレーシアだと100PLUSというスポーツドリンクもよく飲まれます。
会社務めの人は大きな水筒に水を入れて出勤する人も多いです。学校でも水筒をもっていく子どもたちは多く、それほど水分補給を子どもから大人までするのです。

飲む量は人にもよりますが、人間はだいたい1日あたり2リットルほどの水分補給が必要とされているので、これは目安になるでしょう。

また、冷たい飲み物を飲む人が圧倒的に多いです。これは体を冷やすにはある程度効果的ですが、中国医学で考えるとこれはご法度。人間の体は冷やすといろんなところに問題が生じます。飲むのもほどほどにしたほうがいいのですが。

●辛い食べ物

東南アジアには辛い食べ物が多いのですが、これも暑さ対策の一つのようです。

辛いものを食べると発汗作用が働き、カプサイシンといった刺激成分で汗をかきやすくなります。汗をかくことで体の熱を外に出し、体温を下げるようになっています。また、代謝もアップさせることで、体内の熱を効率よく消費させて暑さを感じにくくさせることもあるようです。

ただ、これは人によって効果が異なります。一定の効果は認められているようで、冷たいものを飲むよりかはより健康的ともいえそうです。

●日陰を歩く

初歩的なのですが、直射日光をマレーシアの人たちは避けます。日陰があれば、そこに沿って歩きます。「直射日光の中を歩くのは欧米人か犬ぐらい」ともこちらでは言われていますが、最近では雨傘をさして歩く人もいます。
マレーシアの日陰は日本と異なり、涼しい。日本では日陰に入っても、うっとおしいですが、こちらの日陰はかなり温度が下がります。町中に緑が多いのもそういった対策の一つなのかもしれません。

●エアコンガンガン

マレーシアだけでなく、東南アジア全体で同じような傾向ですが、室内はエアコンを極端に寒く設定しています。特に公共交通機関の中は冷蔵庫のよう。暑い中から入るとひやっとして気持ちはいいのですが、この冷蔵庫のような中にずっといると今度は寒さを感じます。

会社内でもガンガンにエアコンをかけているところは多く、雨季に入って外の気温が下がるととたんにみな風邪を引いたりします。暑さ対策ではありますが、この方法は健康的ではないと思います。

●果物

熱帯地方では多くのフルーツも暑さ対策の一つになります。多くのフルーツができますが、中でもスイカやキウィ、バナナ、マンゴー、パイナップルは、利尿作用があるカリウムが豊富にあるため、体の体温を冷やす効果もあります。水分補給だけでなく、こういった果物を食べることで体から暑さを取り除いてくれるようです。

●その他

マレーシアの伝統的な家屋は風通しがよく暑さをしのぐ工夫がされていますが、現代の建物はそうではありません。逆にコンクリートの建物を建てることで都市部には暑さを助長させているようです。

昔から不思議だったのですが、マレーシアには、うちわを使う習慣がありません。東南アジア全体であまり使わないのですが、うちわは中国で使われ、日本に持ち込まれた歴史がありますが、華人も多い東南アジアでなぜうちわが発達しなかったのか。うちわはもともと宗教的な要素も含まれていたから、東南アジアでは普及しなかったのかもしれません。

繰り返しますが、マレーシアは熱帯の国ではあるものの、暑さは日本の夏ほどではありません。特に今僕が住んでいるマレー半島東海岸では10月以降の夜は寒かったりします。冷房をつけなくても過ごせ、毛布を被って寝ることもしばしば。雨が降ると特に肌寒いときもあります。

東南アジアではバンコクより北は12月から1月にかけては寒い。セーターを着ないと寒く、ひどい時はヒーターをつけるほどです。なので、日本での「東南アジアは暑い」というイメージは実はそれほどではありません。日本の暑さを避けるために東南アジアに来たほうが涼みにはなるでしょう。

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