マガジンのカバー画像

わたしが絵画講師になるまで

9
運営しているクリエイター

記事一覧

わたしが絵画講師になるまで その8

わたしが絵画講師になるまで その8

前回での内容、マニュアルの独自の視点での形を文章にて説明してみます。

例えば

『レモンを描きます』

マニュアルの仕立てとしては

レモンの形をしっかり観察して描く。

内訳は、

1、六角形のフォルム、どの角度が一番レモンらしく見えるかを考える。

2、そのフォルムに合わせた陰影のあり方。

3、机の上に置かれた状況をよく観察し、設置面の見え方、表し方を考える。

4、しっかりとレモンに見え

もっとみる

わたしが絵画講師になるまで その7

今までの内容をおさらいしてみます。

大学を出てすぐついた街の絵画講座で訪れた、講師としての迷走。

生徒の一言で決まった方向性

多人数への講義のため必要に迫られて作成したマニュアル

マニュアルの質を見直し独自に開発。

成果を設定したことによる、運用方法を考案

と、だいたいここまでが前回までの内容です。

今回は、マニュアルをもとに少しずつ講座の内容も変わっていったというお話。

マニュア

もっとみる

わたしが絵画講師になるまで 補足☆グリザイユ編

その6のお話は絵画講師をするにあたって作り始めたマニュアルの内容についてでしたが、今回はその内容にあったグリザイユについて少し補足説明をしたいと思います。

マニュアルにて初心者用の最初のカリキュラムとしてよく使用しているグリザイユ画法。今回はその画法がどんなものなのかを簡単に説明したい。

グリザイユとは、フランス語でモノクロで描かれた絵のことを指す。
その画法で描かれたのちに職人の手によって有

もっとみる

わたしが絵画講師になるまで その6

マニュアル式の講座を考案し、作成する過程で、その後の運営方針ができ始めた、というのが前回までのお話。
今回はそのマニュアル課題の成果をどこに定め、生徒をどのように育てていくか、というお話です。

マニュアル課題はどのくらいの成果そもそも、大人数を教えるためだけに作ったマニュアルが、その後の講座運営持続のための鍵として運用していくにはどのくらいの成果を設定するか、を考える必要があった。

少なくとも

もっとみる

わたしが絵画講師になるまで その5

前回はハウトゥーマニュアル作りでしたが、今回は使用した結果どうなったか、と今の活動に繋がる、講師として、作家としてどのように熟成していったかのお話です。

狙いと違った使われ方独自製法マニュアルの使用結果は狙った効果とは違うものだった。
マニュアルの全体像をまず説明しようと思う。

例えば、空気遠近法課題。
端的に言えば空気遠近法は遠くに行くほど徐々にを淡く描けば良い。そこに色彩遠近法を取り込むと

もっとみる

わたしが絵画講師になるまで その2

その1では私の絵画講師になりはじめた時期の混乱を書きました。
それは、今の状態のためには必要不可欠な混乱だったわけですが、当時は本当に混乱に次ぐ混乱の連続でした。
2回目の本項では混乱をどう切り抜けたかを書きたいと思います。

わからないことがわからない「意味がわからない」と言われたことで現実に引き戻されたのはそれはそれとして、問題は何の「意味がわからない」かであった。
わからないことがわからない

もっとみる

わたしが絵画講師になるまで、その1

突然ですが、絵画教室の講師って何を考えているかご存知でしょうか?
大体からして、絵を教えるっていったいなんなんだろうって思いませんか?
まずはそのあたりからお話ししたいと思います。

講師になったのに何も教えられなかった私は大学出るか出ないかの頃に初めて趣味の絵画サークルで講師として迎えられた。当時21歳。自分がしてきたことを教えて謝礼をもらえるなんて、最高だと思った。ところが、やってみたら、何を

もっとみる

わたしが絵画講師になるまで その3

第2回で、マニュアル式講座にしようと思ったのは何よりも、誰もやらない方法だと思ったからです。
どう考えても大変すぎる。効果が見込めても作るのが難儀すぎる。
でも、それでもどうしても作ってみたかったのです。
それは作家なら誰しも持っているであろう感覚によるものでした。
今回はその精神性のお話しです。

表現者として生きていこうと思った時、自ずと『誰もやらないことをしよう』というような精神が根付いてい

もっとみる

わたしが絵画講師になるまで その4

前回はマニュアル作りを決心した根底の理由をお話ししました。今回はそのマニュアルをどのように作っていったか、というお話です。

このマニュアルづくりを発案したころ、時期を同じくして大人数での水彩画講座にて講師を任されたのだった。それはとても乱暴な企画で2時間の講座で週1回ペース、全6回。しかも人数は25人の初心者。さらに、講座終了までに成果は最低2つ、というものだった。

「これは困ったぞ」と、純粋

もっとみる