「小さな約束を守る」ことの重要性について
最近、SNSマーケティング周りの案件が急激に増えてきたので、Wantedlyを使って学生インターンと若手社員を募集してみた。結果として、ありがたいことにたくさんの応募があったのだけど、困惑することも少なからずあった。
端的に言うと、基本的な約束を守れない学生さんがとても多かったということだ。たとえば、
・約束の15分前にメールでドタキャンする
・相手の都合に合わせて予定をずらしたのに「寝坊した」という理由でさらにリスケをお願いしてくる
・10分以上遅刻しているのに連絡がない
・「いまから行きたい」と突然連絡してきて「どうぞ」と返事をしたのに、その返信を返さない
最初に断っておくが、私はこれらの遅刻・ドタキャンを一律にけしからんと言いたいわけではない。私も学生の頃はそんなに時間にきっちりしていたわけではないので、学生さんの意識なんてそんなものかなとは思っている。
ただ、1つだけ理解に苦しんでいることがある。
それは、多くの学生さんがそんなことがあってもなお、まだ自分にはチャンスがあると思っているということだ。私が学生なら、ドタキャンしたら「あー、もうこことは縁がないな」と思って諦めるところだが、彼らはまったく悪びれず「次はいつにしましょうか?」と連絡を入れてくる。私にはこの感覚がさっぱり理解できない。まだ気まずくなってバックレる人のほうがよほど理解できる。
おそらく...であるが、彼らは私たち大人が考えるほど「約束を破る」ということの重みを感じていないのではないかと思う。
しかし現実には、企業規模にかかわらず、大多数の企業はこのような学生にセカンドチャンスは与えない。本当の理由は告げず、フェードアウトしていく会社がほとんどではないかと思う。
「ささいな約束を守る」ことの価値が高まっている
しかし裏を返せば、こういった人がもし増えているのだとすれば、現代を生きる若者にとってはチャンスなのではないだろうか。というのも、ただ「約束を守る」ということさえ死守できれば、それだけで自分の価値を大きく高めることができるからだ。
価値が高まるというか、学生あるいは社会人1年目くらいはほとんど仕事のスキルには大差がないので、こういう基礎的なマナーの差がかなり大きくクローズアップされてしまうのだと思う。若くてキャリアがなければなるほど、「たかが遅刻」「たかがドタキャン」がその人の評価に致命的な傷をつけてしまうのだ。
どんなビッグビジネスも「小さな約束」の応酬にすぎない
学生さんとお話しすると、将来大きなビジネスがしたいという人がとても多い。そのために、語学を学んだり、マーケティングを学んだり、学生時代から大きな企業やスタートアップでインターンをしているという。それ自体は、私は大変すばらしいことだと思う。
でも、そんな努力をしている子たちが遅刻やドタキャンをして平気な顔をしているというのは、やっぱりちょっとズレているように感じる。というのも、どんなビッグビジネスも、つまるところは「小さな約束」の応酬に過ぎないからだ。
その小さな約束というのは、支払い期日を守る、納期を守る、指示された数を用意する、最低限のクオリティを保つ、といったことなのだけど、そうした小さな約束を双方が守って初めて「大きなビジネス」になる。なにも複雑なことではない。
だから、多くの企業はこれから採用する人が、約束を守れる人か否かをとても気にする。通常は、一度や二度の面接ではそこまではわからないことが多いので、初回に遅刻やドタキャンをしてくれる人というのは、ある意味企業サイドからすれば親切な人だと言えるかもしれない。
そんなわけで、学生さんは「たかが遅刻」「たかがドタキャン」と思っているのかもしれないけど、それやっちゃった会社とはまず縁はないだろうと思ったほうがいいよ、というお話でした。
反省して、次行きましょうね。
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