拝啓 私へ(8通目)
私が届けたかった音楽とは何か。
あの時届けたかったのに、否定され続けていたのに、夢見ていた姿のシンガーソングライターはどんな姿だったのか。
ワタワタとギターを抱えて走り続ける今、しっかりと見えていると思いきやまだ何もつかめていないままだ。
守ってもらえるような、支えてもらわないと吹き飛んでしまうような女の子ではないから、ルックスなんかで満足させられないや。ただ思いを、歌を伝えたかったのに、自分の音楽を押し付けてしまってはないだろうか。
写真でも、グッズでもない、歌の中で貴方の中に伝えられる世界を観て欲しい。きっと私が思い浮かべている世界は、すべて貴方に伝えられないけれど、同じ空間の中にいる人達を音楽という“海”に沈めてしまいたい、とひっそりと思っている。
演者さんからも、お客様からも、音楽に対するいろんな気持ちが聞けるの嬉しい。
私は私の世界にずっと閉じこもっていたから、皆はじめるきっかけや持っている世界がそれぞれあって、同じ匂いのする方や全然違う“自分”を持っている人。それぞれのクレヨンが描いた絵や色が、今日1日を作っている。
ライブハウスさんはその色んな世界を観ていて、たくさんの目指す世界を観てきているから、いただく言葉が刺さるのだ…。
誰かと音楽を作りたいとずっと思っていて、今やっと夢が叶い始めている。
地元で始まる〝guitar track〟というラジオ番組。
かのんちゃんという心強い相方がいる。かのんちゃんは可愛くて、私との話し合いの中で湧き上がるワードを本当にうまくまとめてくれるとても頼もしい女の子。
2人がワイワイする姿や、やりたいことを支えてくれるとてつも頼もしい方もいる。(嬉しいなあぁぁ…!)
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FMPiPi 76.3MHz 毎週木曜 21:00〜
(第1・3週目更新【第2・4・5週目は再放送】)
https://fmpipi.co.jp
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私は踏み出すことだけ考えて、つまづきながらも走り出しているけど12月のワンマンいいものにしたい。
2023年10月 下書きに残っていたもの
ワンマンギリギリに体調崩して、早く治さねばーと思っていた矢先、大切な祖母が天国へ旅立った。
元々心臓が悪く身体が弱かった祖母、86まで生きてシャキシャキと動いていた。年々物忘れがひどくなり、歳のせいだと思っていたのだけれど、数日前頭をぶつけ検査した結果、大きな脳腫瘍がみつかった。医師は、数ヶ月待たないと行った。
仕事の帰りに病院へ通い、祖母の顔を見に行く。視界も狭くなり、もしかしたら家族のことも分からないかもしれないと言われていたので、初めて顔を見た時「私だよ。(本名)だよ、わかる?」と覗き込んだら「わかるさー!」と言われて泣いてしまった。
父が平静を装う姿と、日に日に痩せていく姿が苦しかったけど、目が合うと笑ってくれて、ゼリー食になったご飯も、スプーンを運ぶと一生懸命に食べてくれた。
電車に揺らされながら、「私は我儘だな。こんな時でも音楽のことばかりを考えている。」と視界がぼやけてゆく。鳴らしたい音楽がある。前を向くためには何かを捨てられるのが良い、わかっている。それでも望月マコトは私を殺してはくれないから、二兎を追う生活をする。
祖母の腕は細いが、伸ばしてくれる手は力強い。また来るね、と声をかけるとすごく悲しい顔をしてポロポロと涙をこぼした。その手を握り返しながら、頭に鳴り響く音楽は「お前はお前自身を生きろ。」と私の心を掻き立てる。
日に日に話す言葉は減って、ご飯が食べれなくなってしまった頃には、声掛けに頷くだけになってしまったけれど、見える景色を追いかける瞳は綺麗だった。
ワンマンまでに体調をなおすぞ、と診察に行き「声の枯れ治ってきた!」と喜んでいたら、祖母の心拍がなくなったと連絡が来た。
最期を見届けるのはやっぱり寂しい。
病室に着いた時、まだ温かかった頬は、氷のように冷たいけれど祖父のことが大好きだったのできっともう会いに行ってるよね、と皆で笑っていた。
結果はやっぱり私次第だ。とひしひしと感じている。
私は私のことを捨てきれないや。
でも感情を抑えなくてはと思っていた自分を、しっかりと受け止めてこの日に解放させるぞ〜🔥
私自身の音楽と一緒に、向き合ってくれて、曲の中の芯の部分に手を伸ばしてくれるめいさんに感謝しかないです。
好きな物語の中に住んでいたい、非日常の中にある発見や微睡みの時間を一緒に大切にしていただけると嬉しいな。
2023年12月の望月マコトより
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