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見知らぬおじさんが私の人生を救ってくれているのかもしれない

今日は、見知らぬおじさんに会ってきました。

この「見知らぬおじさん」と会うのは今日が2度目なので、正確には「見知らぬ」という表現は間違っていますが、ほんの先週初めて会ったばかりのおじさんです。

マスクで口元が見えないけれど、目と眉毛のあたりを見ただけで、優しさが伝わってくる良い感じの雰囲気のおじさんです。

そのおじさんは私の人生を良い方向へ向かわせてくれているのかもしれません。

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私は、最近になってカウンセリングに通いはじめました。そこで担当をして頂いているカウンセラーの方のことを、外では「おじさん」と呼んでいます(失礼にあたることは重々承知です)。おじさんは62,3歳くらいでしょうか。

「今日は何も話すことがないかもしれないなー」と思っていたのですが、おじさんに会うと、話したいことがツラツラと出てきて、時間が経つのがとても早いです。今日なんて、「言いたくないことは言わなくて良いからね」と言ってくれたのですが、おそらく赤裸々すぎるほど私はこのおじさんに色んなことを話しているんだと思います。

1回50分、料金は6000円を切ります。都内にあるのですが、相場と比較をしても良心的なお値段です。私が通っているところについてですが、実はネット上での口コミが良くなく、しかも電話をした翌日に予約を取ることができたので、「人気がないのかな?」と不安もありましたが、自宅の近所で通いやすさ第一にそこに行くことを決めました。ちなみに、もう一か所検討をしていたところがあったのですが、そちらは2か月後の診療になってしまうとのことを言われてしまったので、混んでいるところはなかなか予約が取れないようですね。

今日は主に自分自身の小さい時のことをおじさんに話しました。

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私には重度の自閉症の弟がいます(弟の関連記事は宜しければ下記よりご覧ください)。

私は、幼少期の時に、もっと母親からの愛が欲しかったという意識が今でも強くあります。もっと愛を感じたかったというのが正確な表現なのかもしれません。

幼い頃、母をもっと独り占めしたかったのです。母と二人っきりで出かけたり、外食をしたり、話をしたり、そういう時間がもっともーっと欲しかったのです。でも、障害を持つ弟に付きっきりで忙しそうかつ大変そうな母に、私はそんな我儘が言えず、我慢をして、良い子でいました。

本当は子供なのだから、寂しいと泣いて喚いていじければ良かったのですが、それをやらなかったのですね。

母が私に愛情を注いでくれなかったかというと、全くもってそんなことはないことは頭では分かっています。母は私のことを沢山愛してくれていたはずです。それでも、もっと愛情を感じたかった、もっと私だけを見て欲しかった、もっと独り占めしたかった、それが私の心の根っこに未だ存在する気持ちです。

幼いころ、私は年に数回ある、弟のいない日が嬉しくてしょうがありませんでした。学校の行事や施設のお泊りで弟が家を不在にする日がたまにあったのです。そんな日は決まって、弟がいると普段行くことができない所へ母は私を連れて行ってくれました。その中でも特に覚えている場所が、ディズニーランドです。

私が小学校中学年の頃。母と私は二人っきりでディズニーランドへ行きました。母と過ごす時間をもう本当に楽しくて、母を独り占めできていること、ずっと行きたかったディズニーランドへ行けたことに有頂天でした。

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そこで買ってもらったのがプーさんのぬいぐるみです。母と私がディズニーランドへ行くと知った祖父が、1万円を私にくれたのです。当時、大きなぬいぐるみに憧れていた私は、祖父から貰った1万円と自分のお小遣い数千円をはたいて好きだったプーさんの大きめのぬいぐるみを買いました。当時の私からすると、1万円の買い物なんて何だかとんでもなくお金持ちになった気分でしたが、店員さんにプーさんを袋に入れてもらい、それを道行く人に見せびらかすようにディズニーランドを歩いてまわっていました。母と一日中二人っきりで過ごせて、当時の私にとっては相当高価な欲しかった物まで買ってもらえて、幸せで心が満たされている感覚は今でも忘れることができません。

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おじさんに言われたこと、「あなたは寂しかったよね。お母さんを独り占めできた期間は生まれてから3歳くらいまでで、そりゃ覚えてないもんね。我儘を言いたかったけど、大変そうにするお母さんの前でずっと良い子を貫いてきたんだよね。今こうやって病気になってせっかく実家にいるんだから、今この時間、お母さんとたっくさん一緒に過ごすといいよ。」

たしかに、療養のため帰省中の私は、最近母と良く時間を共にしています。今なお、弟も実家にいるので、やはり完全なる独り占めはできていませんが、弟がいない時はお昼を食べに連れて行ってくれたり、ドライブに連れて行ってくれたりします。30歳になってもなお、母と一緒に過ごせる時間は私にとっては特別なんですよね。

昔のことの話も良くするようになりました。病気で苦しいとか辛いとか負の感情も母に伝えられるようになりました。体調が悪い日は母に泣き喚けるようになりました。

小さい時にはできなかったことを、今すればいいのかなと思えるようになりました。30歳間近だけれどもっと母に甘えていいのだと、自分を許せるようになりました。幼少期の自分の気持ちを受け入れて、その寂しさを引きずって生きてしまっていることを改めて知りました。

色んな気づきがあるけれど、少しずつ自分をまるっと自分自身が愛せるようになりたいなと強く思えるようになりました。

おじさん、ありがとう。そして、これからも宜しくお願いします。


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