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ある日の夫婦の恋愛は春菊から始まった

お鍋の季節になりましたね。

私たち夫婦は、晩御飯にお鍋をすることが多いです。

たとえ夏でも、私たちはお鍋が大好きですが、本格的に寒くなってきている今日この頃、これからより一層お鍋を食べることが多くなりそうです。

具材を切って入れてしまえば完成しますし、
スープを変えれば色んな味を楽しめますし、
一品で沢山の栄養をしっかりと摂ることができますし、
お鍋って偉大だと結構小さい頃から思っています。

***

ある日のこと。
夫が晩御飯を作ってくれるということで、私は久々にキムチ鍋が食べたくなり、彼にリクエストをしました。

キムチ鍋の素と豆腐やら白菜やらを夫が買ってきてくれ、
作ってくれようとしたんですね。

「私も手伝う!」と伝え、夫と並んで具材を一緒に切り出しました。

その時、彼が買い物袋から取り出したのが春菊。
何事もなく春菊を切ろうとする彼に、

私「え?春菊??!」
夫「え?春菊、好きじゃんEtoile」

この瞬間、

なんだか久しぶりに彼への恋心が生まれました。
(久しぶりとか言ってごめんよ(笑))

彼は春菊が嫌いなのです。
私も昔苦手だったので、なんとなく気持ちが分かるのですが、独特の匂いと大人めな味があまり受け付けないとのこと。

彼は、私が好きだからという理由だけで、春菊を手に取り、それを買い物カゴへ入れて、レジに持っていったんですよね。
この彼の行動を想像すると、なんだかキュンとしたのです。

多分、その時の彼の思考は、
「俺、春菊嫌いだけど、でも妻が喜ぶだろうし、しょうがないから買っていくか」ではなく、
「キムチ鍋に必要なのは、豆腐と白菜と春菊と…」だったのだと思います。

夫は、「自分の嫌い」と「妻の好き」を無意識に天秤にかけ、それを考えるまでもなく、「妻の好き」を取ってくれたのだと思います。
「春菊を買っていく」行為によって相手を喜ばせようという考えなど微塵もなく、キムチ鍋に「必要な」具材として、彼の頭には春菊がインプットされているかのように。

そして、私は彼に嬉しさを伝えました。
「へへへ」と照れ笑いをしている彼。

***

この間、結婚とは何ぞやと悩む友人に問われたこと。
「長く一緒にいると旦那さんにキュンとすることなんてもうないよね?」

その時私は、
「え?うーん、キュンはないかも。」と答えました。
(一応弁解だけしておくと、恋のようなキュンはないけれど、
一緒にいてホっとするとか安心感とかはあるよということ。)

友人に訂正したい、教えてあげたい、
春菊から始まったわたしの恋心を。



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