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「鳩と狛犬」えとふみギャラリーNo.4

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                                                                                             (↑ 油彩 F10号)
静岡県の三嶋大社を訪れた時、狛犬の前を通りかかったら、2羽の鳩が頭と尻尾に止まっているので足を止めた。
狛犬は何処の神社でもあるので見慣れているが、鳩がその上に堂々と止まっているのは初めて見た。私が側で見ていても飛び立つ様子もない。

多分2羽はつがいに違いないく、頭にいるのはダンナさんだろう。この見晴らしの良い場所は誰にも譲らないぞという姿勢であたりを見回している。尻尾に止まっているのは奥さん。主に下の方を見回しているが、大事な餌場を見張っているのか。神社には沢山の鳩がいるのだが、群と離れてここにいる二羽にとっては、ここはまさに自分たちのテリトリーの最上の席なのかもしれない。

三島は古くから東海道の要所、たくさんの旅人や物資が行き交い、この地の三島神社には詣でる人も多かったろう。そして地域住民の日常生活にも広く根差して現在にも至っているのだと思う。

私が訪れたその日はお日和の良い日だったのか、社殿では結婚の儀式が取り行われていた。やがてたくさんの参列者とともに夫婦となった和装の二人が外に出てきて、きちんと並べられ用意された椅子に座る。社殿を背に記念写真の撮影が始まった。厳かさと静かな華やかさが漂う一連のシーンは、何か映画の場面を見ているような気がした。

狛犬は入口に2匹が左右に分かれており、向かって右が「阿吽」の阿で、口を開けている。左は吽で口をギュッと閉めているが、私が見たのはこちらだ。邪悪のものが近寄らぬように見張る為にいると聞く。鳩は平和のシンボルといわれているので、狛犬たちと鳩たちに今日結ばれたお二人は勿論、どうか世界中の人々の上に平和な日々が訪れるよう、力を貸してほしいと願う。

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