【LGBTQ】事実婚をめぐり分かれる判決。急ぎたい本音との葛藤。同性婚と一人一人の選択。

生きている時間なんてものはあっという間で、希望ある明るい未来を信じならが日々過ごしているうちに、残された時間の方が短くなるもの。

LGBTQなどの性的マイノリティ。LGBT理解増進法案やジェンダー平等など、大きな枠組みで議論されている。
国内だけでなく、世界でもLGBTQの権利保護の動きがあり、関連法整備が課題とされている中、同性婚の法整備に注目している人もいるだろう。

同性婚が認められていない日本。法的な選択肢は「パートナーシップ」か「養子縁組」。

日本では同性婚が認められていないため、パートナーシップや養子縁組を結ぶ人たちもいる。ただし、相続権などの問題や配偶者控除がないなど、いずれも婚姻関係と同じ権利は認められていない。

全国各地の自治体で導入されているパートナーシップ制度。(全国初は2015年、渋谷区と世田谷区が導入。2023年1月時点では、10都府県と245市区町村が導入している。)同性婚が認められるのを待ちわびながら、パートナーシップや養子縁組を結んだ人もいるだろう。
また、そうした法的関係を結ばず、事実婚を望む人もいる。

札幌地裁と名古屋地裁、同性婚を認めないことは違憲。

2021年3月、札幌地裁が、同性婚を認めないことは違憲だという判決をくだす。
同年の6月には改正国民投票法が成立したが、その頃は、同性婚には憲法改正が必要との議論がされていた。(この改正法の時は、安全保障に関する憲法改正の議論が中心だったが、人権と平和の観点で注目していたのを記憶する。)この判決により、憲法改正が同性婚の議論には不要となり、同性婚がより現実的で身近なものとなった。
あれから2年が経ち、2023年5月30日に、名古屋地裁が札幌地裁に続き2例目の違憲判決を言い渡した。憲法14条1項と24条2項に違反すると。札幌地裁の判決では、差別に当たるとして14条1項に違反するとされたが、24条2項には違反しないとの判断が下されている。

ここでは詳しく触れないが、2022年に大阪地裁と東京地裁で合憲判決が下されているが、違憲とする判断や違憲になる可能性があるなどの指摘があり、注目すべき内容もある。

同性「事実婚」をめぐる2つの裁判。最高裁は認め、高裁は認めず。

2021年3月、最高裁は、浮気が原因で破局した同性の事実婚カップル(約7年の同居)の裁判の判決で、2人(同性の事実婚カップル)は男女の婚姻に準ずる関係にあったとして、不貞行為を働いた元パートナーに損害賠償の支払いを命じている。同性カップルでも婚姻に準じた事実婚(内縁関係)は成立する(法的保護の対象とする)と最高裁が認め、そうした司法判断が確定するのは初めてとされる。

一方、2022年8月、名古屋高裁は、同性パートナーを殺された男性(約20年の同居)の「犯罪被害者給付金」をめぐる裁判で、受給資格がない理由に「異性間の共同生活関係と同視できる社会的意識が醸成されているとは認められない」と述べ、訴えを退けている。この給付金は、受給できる遺族に「事実上、婚姻関係と同様の事情にあった者」も含まれると規定されている。これは、名古屋高裁が、2人が”異性間の婚姻”に準じた事実婚(内縁関係)にないとの判決を下したことを意味する。

こうした判決の違いは、同性婚が認められていないことから生まれている。

マイノリティが抱える悩みはさまざま。

LGBT理解増進法案では、「性同一性」などの文言や権利保護(差別禁止)の内容などで議論が続いている。LGBTQなどの性的マイノリティだけでなく、様々な内容でマイノリティは存在する。
子どもたちの声は選挙など直接政治に反映されない。ひとりひとりが明るい未来像を描ける多様性ある社会の実現を目指したい。

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