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自分以外の人が撮った写真をネットで使うとき。

DVDなどグッズのパッケージ写真を撮ってWEBに載せるのはセーフ。DVDの1シーンをキャプチャして載せるのはアウト。ネットに載せる際、なにが良くてなにがいけないか、法律を出さなくても、およその感じでわかっていらっしゃる方は多いと思います。

ところで最近よく見かけるのが、自分の「推し」をSNSのアイコンなどに使う人たち。

「この人が好きなんです」という意思表示だと思いますが、事務所も本人も何も言ってこないからといって、許されている正当な権利と思ったら大まちがい。

たとえばある日突然、その写真を撮ったカメラマンから使用料を請求されることだって考えられるんです。

...そんなこと全然考えて無かった?ではご説明しましょう。


1枚の写真には「著作権、肖像権、公開権」3つの権利があります。


舞台写真で説明すると、肖像権は被写体や所属事務所、パブリシティー権(公開権)は公演主催者、そして著作権は撮影者にあります。ときどき著作権フリーなんて言葉を見かけますが、著作権は無くなることはありません。

無断使用が著作権者に見つかったら、「それまでの使用料をお支払い下さい」ということになります。連絡が来てあわてて消しても遅い。その時点で相手は画面コピーを取り準備の上で連絡してきます。

自分以外の人が撮った写真をネットで使うときは注意してください。判例もあります。「知らなかった」では済まされないんです。もし事前に(これって大丈夫かな?)少しでもそう思ったら、それはアウトの場合が多い。あと「ほかの人もやってるから」は全く理由になりません。その人は権利者に使用許可を受けた人かもしれない。


舞台写真を撮って30年になります。マスコミから「公演の宣伝してやってんだから関係ないだろ」と言われた時代もありました。師匠たちの地道な活動のおかげで、今は舞台写真にクレジット(撮影者名)が入るようになりました。マスコミ関係者の間では「舞台写真だけは使うとき著作権に気をつけないと厄介なことになる」と評判になるほど。

そんな中、5月31日には劇団休止のニュースが、6月4日には運営会社のニュースが流れました。

ふり返って思い出してみてほしいんですが、それらのニュースで舞台写真が使われたでしょうか。前者は顔写真、後者は建物写真。舞台写真は一枚も出て来なかった。これが著作権です。

写真は著作権に守られています。無断使用も改変も認められていません。


新聞や雑誌の編集者など「著作権がどれほど強いか知ってる人たち」はわかっていますが、WEBで目を引きたい人は無断で写真を使います。自分のSNSの「彩り」や、書いた記事のアクセス狙いのために。

そりゃ書き手の側から考えたら、劇団についての記事なら舞台写真を使いたいですよね。「なぜニュースで舞台写真を使わないんだろう」って思いますよね。それが素人のこわいところ。

ブログや画像から無断で写真を盗って自分で使ったり、勝手に公開したりするのは、推しがどんなに好きでも、どんなにステキか伝えたくても、撮影者の権利侵害です。


ネットに「写真が落ちていた」とか「拾った」なんて言う権利意識の低い人は、それらが他人の持ち物ということに気付かない。逆の立場になればわかりそうなものを、訴えられて初めて気付くことになります。


権利を持つ人や許諾を受けた人が掲載した写真は、誰でも自由に使える写真ではありません。ネットであなたが見つけても、あなたの持ち物ではありません。リツイートはセーフですが、保存して自分のアイコンにしたり、写真を無断でブログに載せるのはアウトです。

もちろん個人使用は認められます。しかし写真を取り出して自分のアイコンにしたり自分のブログに載せた時点で、個人使用ではなくなります。あなたは人に見せるために、写真のイメージを無断使用しているのですから、撮影者に対価を払う必要があります。


ひとつの舞台作品は、戯曲や音楽など多くの要素で成り立っています。舞台に関わる人ならわかるでしょう。戯曲も音楽も「上演許可」や「使用許可」を取りますよね。それぞれが、ひとつの作品で創作物なんです。

舞台は創作物の集まりなんです。だからとても魅力的なんですね。

舞台写真もポートレートも創作物。


著作権は創作物を守るためのもの。
どうぞ大切にしてあげてくださいね。




写真使用について疑問や使用申請があれば、twitterのDMまで気軽にご連絡下さい。(すべてに対応をお約束するものではありません)


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