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52年間も売れ続けているビジネス本があります。「私の推し本」シリーズ5


【知的生産の技術】梅棹忠夫・著 岩波新書。

この本は、ビジネス書の古典であり、名著でもあります。

1969年初版で、未だに増刷されている本、ロングセラーです。
52年間も売れ続けている新書は、滅多にないと思います。

知的生産の技術ですから、ビジネスにも使えます。
というか、この本を読んだ人が、いま現役で活躍されているビジネスマンに少なからずいるような気がします。

いま書店のビジネス書コーナーに並ぶ本の中には、この本を読み実践し、そこから得たことを書いたんじゃないか、と思われるような本を、時々見かけます。

この本の中で1番印象に残っている部分があります。

「読書においてだいじなのは、著者の思想を正確に理解するとともに、それによって自分の思考を開発し、育成することなのだ。私は、読書というものは、電流の感応現象のようなものだと思っている。1つのコイルに電流を流すともう一つのほうのコイルに感応電流という、まったくべつの電流が発生する。両者は、直接にはどこもつながっていないのである。たいせつなのははじめにながす電流ではなくて、あとの感応電流のほうなのだ」
(以上、114ページから引用しました)

要は、読んだことを理解するのも大事だが、それよりも、読んだことによって自分の中で何か反応するものがある、それを発展、育成することが大切なんですよ、と著者は言っています。

まさに知的生産のための読書。

なるほど!
ここを読んで、膝をバシバシ叩きました。
覚える、知る、ための読書ではなく、読んだものを自分の頭の中で咀嚼する、これが大事なんだ!

以来、覚える、知るの、ためだけの読書はやめました。
読書中、何か思いついてもいいように、常に三色ボールペンを片手に読むようになりました。

ただ、52年前の本なので、さすがに、情報が古過ぎて、今の時代に合わない部分もあります。
しかし、「読む、書く、考える」ためのヒントは満載です。

次々と出版され消えていくビジネス書の分野で、いまだに生き残っている奇跡のような本。
そこには、普遍性があるからだと思います。

よろしければ、お近くの大きな書店で、この本をパラパラと読んでみて下さい。

古本で、しかも、線引き書き込み多数ありのものでよろしければ、うちの店にもあります。


こちらの【書く習慣】も、ビジネス文書にプラスになると思います。

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