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「書き捨て」という技。【神・文章術】

神・文章術。フミコフミオ。

書き捨て、と言う手法がすごい。
いままで多数の文章術の本を読んできたが、初めて知った。
驚きだった。
何を驚いたか?
書いたその文章を捨ててしまうことにも驚いたが、捨てる前提で書くことで、自分の本音を引き出せる、というプロセスに驚いたのだ。

その部分を読んで、じっくりと考えた。
確かに、今書いている文章が絶対誰にも読まれない、後に残らないと思ったら、なんでも書けるなと。
自分の全てを吐き出していい場所。
なるほど!と思った。
なんでいままでやってこなかったんだろう?

毎日書いている日記はどうか?
自分は、
日記に悩みとか怒りとか愚痴とかは書いていない。
意識的に書かないようにしているところがある。
言葉は「全てを引き寄せる」、どこかで覚えたその法則を、馬鹿の一つ覚えのようにずっと信じて自制してきたから、多分書かなかったんだろうと思う。
でも、後に残らないなら、吐き出してもいいんじゃない?
と思えた。

(ここから「書き捨て」の実演です)
なぜそう思ったか?
近頃得体の知れないモヤモヤが体の奥底に溜まっているように思えてならない。
それが継続されることで、少しずつストレスとなっている。
モヤモヤの正体
わからない。一つだけではなく、色々なことが少しずつ集まってモヤモヤとなっている感じがする。
もしかしたら、人に会えていないことが、または、「本の力」のようなアウトプットできる場がなかったから、など、人との接触がないことによるストレスがあるのかも知れない。

他には、毎日家族のために、朝晩の料理を繰り返し作り続けていること、しかも、別々のテーブルで食べていること、この辺りにもストレスの原因があるのかも知れない。(家庭内ソーシャルディスタンスの徹底)
ハッキリと体に負担になるほどの重さがないから、やり過ごすことができてしまう。だから、意識的に何も対処しようと思わない。
しかし、体は正直で、そのモヤモヤの発露が現れることがある。
日常の些細な出来事で、癇癪めいたプチ怒り爆発が1日の中で数回起こる。
それが、人にではなく、自分のミスに対してキレるのだ。
例えば、料理中に菜箸を足元に落とす、
「ぁあ!もうっ!」
ってイラつく。
同じく料理中に、出来上がった食べものを皿に盛る時、ポロッと床に落とす。
「ぁあ!もうっ!」てキレる。
など、実に些細なことで怒っている。
こういう怒りの発露の仕方は以前は無かった。
(ここで「書き捨て」終わり)
(本当の意味での書き捨てならばもっと辛辣の言葉を使っていると思われる)

と、このように、自分の悩みの原因を深掘りして、書いたあと読み直して、ポイって捨てる。
こうすることで何が起こるか?
一つは、その悩みそのものが、かなり減少する。これ、けっこういい。
そして、もう一つある。
自分の世界観が少しずつ構築されるのだ。
自分は世界をこうみているんだとわかる。
この世界観を構築できれば、おそらく、自分に自信が出てくるように思える。
すると悩みも少なくなり、仕事の上でも自分の意見をハッキリ言える人間になっていく、みたいなことが想像できます。
(まだ私自身の「書き捨て」体験が少ないため確信的に書けません。その少なき体験からすでに感じたことをもとに書いています)

実は著者自身が、悩みが多くて自分に自信がない人だった。それが「書き捨て」を繰り返しやり続ける(20年)ことで人生が変わってしまった経験を持つ。
この本は、その経験から書かれた文章術なのでした。
だから、めちゃくちゃ説得力あります。

この本は、精確に言えば文章術の手前の本と言えるかも知れません。
技術の前、心構え、みたいなポジションにあるように思う。
書き捨てすることで、書くことに慣れる。自分の中にある思いや考えを言葉に変換する練習台としての「書き捨て」。
まず何度も書き捨てを行う。
ここまでやったのち、自分の文章にはなにが足りないかがわかる。
その足りない部分の答えを求めて優良な文章術の本を選択し、読む。
この方が吸収力も上がる。

という感じで、書けないでお悩みの方、または、人生や仕事でお悩みの方におすすめの本かと思います。
セルフカウンセリングの役割もしれくれそうです。

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