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新入学の大学生におすすめの本、その2『言葉の力、生きる力』『「人生の答」の出し方』

著者の柳田邦男氏はノンフィクション作家です。それもかなりメジャーな。その視点からを書評であったり、社会的なエピソードを自分の意見を絡めて評論するみたいな形の本です。

以前読んだ『「人生の答」の出し方』と言う本が良かったので、この本を取り寄せてみたのですが、その前の本にも勝るとも劣らない、ものすごい超濃厚な内容でした。

読書案内ともなるし、これが1つのそれぞれの柳田邦男氏の思想がたっぷりと入れ込んである、社会評論集としても読めます。

私自身、小説とかミステリーとか自己啓発とかそんなのばっか読んできたので、社会的な視野がとても狭くて浅い。そんな私でも読みやすく、なおかついろいろなことを考えさせられる本でした。

ここからそれぞれの人が、取り上げられた社会的な問題に対して興味を持って、自分の価値観や興味や好奇心が広がっていく可能性が大いにあると思う。

だから、大学生の人たちに読んでいただくといいかもしれない。
なぜならば、ともすれば今は大学すら社会人の予備校になっている感じが見て取れるので、このような社会的なノンフィクションの内容、またはそれに伴った本の紹介になっている、この本をさらりと読んでおくと、単純にどこどこの会社が伸びているとか、どこどこの会社が働きやすいと言う視野の狭い物差しで会社の選択をしなくて済むかもしれない。

もっともっと広い視野を持って自分の職業選択をするためにも、こういう本を大学時代に読んでいくのも僕は良いような気がします。

大学時代、「生きがいを求めて」彷徨いつつも、結局のところ車と麻雀と女性にしか興味がなかった僕が言うのもなんですが、本当に誠に僭越な話だと思いますが、おすすめです。

最後に、この本の冒頭にある著者の言葉を引用させていただきます。

「はじめに言葉があった。
それは確かだ。
ケータイ・ネット時代に突入して以来、情報は怒涛のように駆けめぐっているのに、言葉はイマジネーションの膨らみを失って、痩せ細った記号と化し、かけがえのない沈黙の間合いさえ、ミヒャル・エンデの言葉をかりるなら「時間貯蓄銀行」に収奪されてしまった。
一体、終わりまで言葉はあるのか。」

60数年生きてきて、こんな小さな本から、思いっきりボディブローをくらうとは思わなかった。

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