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新卒採用調査をめぐるモヤモヤについて

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いつもお世話になっています、株式会社エスノグラファーの神谷です。

このメルマガでは、月に2回のペースで、当社に寄せられたお悩みや共通する課題、
プロジェクトの実例、イベント情報など旬なトピックをお届けしたいと思います。

有益な情報の発信に努めていきたいと思います。


今回から頂いたご相談については動画で解説する試みを行っております。
ご興味のあるテーマでしたら、ぜひ御覧いただけたらと思います。


今回もお付き合いどうぞよろしくお願いいたします。

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◆新卒採用調査をめぐるモヤモヤについて
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最近、問い合わせが非常に増えているのは新卒採用領域です。
2023卒の選考を進めている取引先より、「受験者調査」に関する
お問合せを多く頂いています。

毎年、この時期に売上をかなり積み上げるヒット商品ではあるのですが、
この調査を進めるにあたって「モヤモヤ」していることについて、
今日はお話したいと思います。


まず、どのような調査なのかを簡単にお伝えしますと……

個別企業の採用選考を受験した学生に対する調査です。選考に参加した学生のうち、

1 選考中に辞退した学生、
2 内々定後に辞退した学生、
3 内々定後に承諾をした学生

に対して、WEBアンケートを配信してデータ収集・分析を進めていきます。

具体的には……
受験意欲・入社意欲レベルやキャリアイメージ形成レベル(A)を測定し、
このAの変数に対して影響与えていた要因(B)を抽出する、
という分析を行います。データもクリー二ングするし、比較分析(検定)や重回帰分析、
テキストマイニング分析(対応分析)など、かなり“ガチ”に分析を進めています。


これによって……

どうすれば意欲レベルを刺激できるのか?
どのような情報提供が求められるのか?
なぜ、選考離脱しているのか?

などのメカニズムを「解像度」高めで理解できます。


たとえば、活動時期や志向性・価値観、情報収集量、
理解レベル、社員接触量や、企業・仕事イメージなど、
多様な影響要因のなかで何に注力・改善をすればよいのかが見えてきます。


さて、営業的な企画説明はこれぐらいにして「モヤモヤ」の話をしましょうか。
企業側と就活生の間で生まれている、ある「ズレ」に関するモヤモヤです。


それは、レクチャー(企業)と学習(就活生)のタイミングのズレです。

一般的に企業が積極的に情報をレクチャーするのは、
インターンシップや説明会など「選考前」の段階です。


一方で、学生が投下される企業情報に価値を見出して、主体的に
学習を進める時期は、なんと「内々定獲得後」であることが多いのが現状です。


「受験時にたくさん情報を収集するんじゃないか?」というご意見もあるでしょう。
確かに、彼らは選考時にも情報収集をします。


でも、選考時に彼らが多く収集する情報は次のようなものなのです。

「企業の選考にどうすれば通過できるのか?」

就活生は、内々定を獲得するまでのあいだ「受験モード」に入っており、
「受かるための情報」を効率的に収集する傾向が強くなっていることが多い。


例えば、「口コミサイトで共有されている選考回数や面接内容に関する情報」や、
「志望動機の事例」、あるいは面接で意欲をPRするための「企業理念」
「先輩社員のやりがい」に関心やインプットが集中してしまう傾向がどの企業でも見られます。


反対に、全体傾向として次のような情報は閲覧レベルが低いのです。

「どこの顧客を相手に、どのような仕事をするのか?」
「どのようなキャリアを歩むのか?」
「求められる能力や知識はどのようなものか?」


このような仕事に関する情報は、実はすべての選考が終了して
内々定をもらった「後」に注目されるわけです。でも、これはあまりに遅い。


企業は、採用目標数を計画的に達成するために入社してもらえるかを早めに判断したい。
だから、2週間程度の期限を設けて「入社意思」があるかを確認するわけですね。
つまり、学生が企業のことを学び直す猶予期間は、たった2週間です。


そのなかで企業や仕事について学び直して、
キャリアイメージを醸成しなくてはいけない。

しかも、他企業を受験している学生は、そっちの選考にも参加したり、
面接準備をしたりしなくてはいけない。


結局はタイムアップが迫るタイミングでご両親や学校の先生に相談して決めたり、
年収や福利厚生、業界ランクなどの「スペック検討」をしたりして、意思決定してしまう。


調査データを見る限り、腰を据えて吟味することができずに
意思決定をしている学生は結構多そうです。

このように企業理解や業務理解が希薄なまま入社すれば、当然ながら
リアリティショック(こんなはずじゃなかった!)のリスクは大きくなります。


意欲は低下し、能力発揮もしにくくなる。本人の幸福度も低下するし、
企業への貢献レベルも下がる。
「受験モード」の先には、誰も嬉しくない未来が待っている。


企業側が、受験プロセスのなかでもっと学習機会を提示すべきなのかもしれない。

そう思って、コンサルを進めてもきました。

しかし、就活生たちの「受験モード」の仮面はかなり分厚く、
「学習機会」に参加しても「これは選考だ!」と脳内変換し、
全然学習してくれなかったりする。困ったものです。


この「脳内受験パラダイム」を、どのように解除してやろうか。
毎年、モヤモヤをしながら採用戦略の構築を進めているわけです。


一緒に調査をして分析結果を見ながら、戦略をモヤモヤ考えたいという
企業のご担当者のみなさま、お問合せをお待ちしています。

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◆ NEWS・「質問箱」への返答(動画コンテンツ)
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さて、前号ではいただきましたご質問に対して、テキストにて
回答しておりましたが、今号からは、新たな試みとして動画で
解説することとしまして、YOUTUBEで限定公開しております。


今回は以下のテーマにてコンパクトにお話しています。

■リモートワークにおけるオンボーディングの要点とは?
https://www.youtube.com/watch?v=B9rcYdG-qu8

リモートワークを導入した初期は、「現場社員をリモートワークにいかに根付かせるか」
「リモートワークでは、マネジメントの目が届かない」などのお悩みが多かったですが、
ある程度浸透した現在の状況において、今回は新人の教育やフォローに焦点が当てられています。


同じお悩みをお持ちの方がいらっしゃいましたら、ぜひご覧いただけたらと思います。


今後もテレワークに関する調査や、人事課題(たとえば、組織開発・人材開発、
戦略人事や研修、採用・オンボーディング等)に関するご質問やご相談がございましたら、
以下からお気軽にご記入いただけたらと思います。


【匿名質問箱Peing】匿名でご質問いただけますので、お気軽にご利用下さい。
https://peing.net/ja/ethnographer


このメルマガでも取り上げさせていただこうと思います。

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◆ NEWS・情報発信
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~~~ 取材・記事掲載情報 ~~~

■MVVの効能と副作用(マイナビキャリアリサーチラボ)
https://a10.hm-f.jp/cc.php?t=M1022952&c=1489&d=0081

■リモートワークで『放置』しても成果を上げさせるコツ(マイナビニュース)
https://a10.hm-f.jp/cc.php?t=M1022953&c=1489&d=0081

■みんなのアンラーニング論 組織に縛られずに働く、生きる、学ぶ(長岡健 著)
本書は、かつての慣習や常識を問い直す「アンラーニング」をテーマとした書籍です。
そのなかで、神谷俊が「先駆者」のモデルケースとして取り上げて頂いています。ぜひ、ご一読ください。
https://a10.hm-f.jp/cc.php?t=M1022954&c=1489&d=0081

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今回も最後までお読みいただきましてありがとうございました。
これからも有益な情報をお伝えできるように努めて参ります。

今後とも宜しくお願いいたします。


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◆ ご質問やご相談がございましたら、以下の質問箱からお気軽にご記入下さい。
【匿名質問箱Peing】 https://peing.net/ja/ethnographer
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株式会社エスノグラファー
神谷 俊 / KAMIYA SHUN
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