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今週の地域活性化、自治体関連ニュースまとめ(2021/11/1~7)

毎週600~800本に近く配信される地域活性化、自治体関連のニュースに目を通し、個人的に「これは!」と思ったニュースを要約&解説しています。日々多忙な地域、自治体に関わる皆様の情報収集の一助になれば幸いです。

今週は「デザイン、アート」をキーワードにニュースを多くピックアップしました。

■「アーツカウンシルしずおか」が地域住民とアーティストとの交流を促進する ”マイクロ・アート・ワーケーション” を開催

アートによる地域振興を手掛ける アーツカウンシルしずおか が、アーティストのワーケーションを促進する「マイクロ・アート・ワーケーション」を実施。アーティストを「旅人」、地域住民との交流を支援する団体を「ホスト」とよび、それぞれをマッチングすることで地域住民とアーティストが出会うきっかけをつくります。

アーティストによる地域の魅力発信や、関係人口の増加、地域における新たなプロジェクトの創出などに寄与するとともに、今後の創作活動に活かしてもらうことが目的です。

”アート” や "デザイン" はまちづくりにおいて様々な可能性を秘めており、地域資源の活用や社会課題をアーティストやデザイナーさんの力を活用しておしゃれでイケてる町のイメージをつくりだすことで、「若者を中心とした観光客の増加」や「アーティストやデザイナーの移住」、「アート&デザイン企業や教育機関の誘致」等、様々な波及効果が見込めるでしょう。実際に瀬戸内海の「直島」等は現代アートの「聖地」として多くの注目を集めています。

全国でワーケーション受入に関して様々な取り組みが行われていると思いますが、今回の取り組みはワーケーション募集人材としてアーティストにをターゲットとし、コンセプトや目的がかなり明確化されているのがいいなぁと思いました。ターゲットを絞って人材を募集することで「お。私も」というような同業者同士での雰囲気や盛り上がりを醸成できますね。アーティストだけでなく、エンジニアやマーケター等様々な募集ができそうです。

■自治体向け定額デザイン相談・制作依頼サービス「ジチタイデザイン相談室」の試験運用を開始

自治体向けサービスを展開する株式会社ホープが自治体向けに定額制でデザインの相談・制作依頼ができる「ジチタイデザイン相談室」の試験運用を開始しました。

自治体の課題の1つとしてHPや自治体発行物が「見にくい、わかりにくいところがある」「内容を整えたいと思うが、どうすればみやすくなるかわからない」等があります。

「ジチタイデザイン相談室」は月額3.5万円で、自治体発行物の「読みやすさ」「見やすさ」「理解のしやすさ」を向上させるための相談、制作受注を実施。行政施策に関する情報を適切に住民の人に伝えることで、行政サービスの利用や各種手続き、補助金の申請等を促進します。

デザインはそれ一つで読み手に与える印象や理解のしやすさが全く異なってきます。そのためデジタル庁発足の際等にも様々なデザイナーが試行錯誤してフォントやロゴなどのガイドラインなどを策定していました。

デザイナー等の人材の確保等が大変難しい自治体にとっては大変嬉しいサービスですね。将来的には発行物だけではなく、自治体が行うデザイン全般の相談も受けられるようにするということです。

■官民共創マッチングプラットフォーム「逆プロポ」とは

株式会社SCALAが提供する官民共創マッチングプラットフォーム「逆プロポ」にてマッチングが成立しました。

「逆プロポ」とは自治体が地域課題の解決策を民間企業から募集する「公募プロポーザル」を180度反転させたサービス。企業側から提示される「解決したい地域課題」に対して自治体側がエントリー。適切にマッチングしたり企業側から寄付金を交付することで、官民共創側の取り組みを促進するプラットフォームです。

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逆プロポHPから拝借

各プロジェクトを見る限り、逆プロポのイメージとしては企業側のニーズである「事業開発における実証実験やPoCを公募する」側面が強そうですが、最近技術や公募された課題に対して実証実験フォールドを提供したい自治体側にも利用メリットがありそうです。

ニュースでは株式会社電通国際情報サービスのオープンイノベーションラボが進める、「人と人との『思いやり』をテクノロジーでスコア化し、関係人口を生み出すプロジェクト」に対し、京都市と生駒市がエントリーしています。「思いやり活動スコア」を用いた関係人口創出やまちづくりの推進の可能性を、協働で調査するようです。

「逆プロポ」の仕組みは従来の枠にはまらないイノベーティブなアイデアを創発できる企業側、それを現実的なサービスに丁寧に落とし込める自治体側のそれぞれの強みが発揮される興味深い事例だと感じました。

■TeamPlace×長野・立科町、関係人口を見える化するモデル事業開始

「人でつながる」ワークプレイスプラットフォーム「TeamsPlace」を運営する株式会社 AnyWhere は長野県立科町と連携し、関係人口を見える化するモデル事業を開始。取り組みの第一弾として学生アイデアソン「タテシナソン」の過去の参加者や関係者を可視化。ゆるやかなつながりを作り、関係人口の増加、地域活性化を目指します。

「TeamPlace」は過去にも本記事にて紹介しました「人」を軸に全国のワークプレイス(時間や場所に限定されることがなく知的創造活動を行える場所)を検索できるサービス。関係人口の見える化にも積極的に力を入れいている企業です。

町内の事業者が抱える経営課題を学生のアイデアで解決する「タテシナソン」は2017~2019年の間で述べ55人の学生が参加し実際に事業化される等注目を集めるイベント。しかし、イベント終了後に学生や立科町が継続的なコミュニケーションをとりにくい等の課題を抱えていました。

そこで「TeamPlace」を活用し、タテシナソン参加者の過去の学生を中心に立科町や学生同士のつながりを可視化する実験を開始。参加者にTeamPlace↑でスキルや価値観を登録し、同じコミュニティに属する人を見える化。緩やかな繋がりを作ったり、イベント情報の告知を行います。これにより以下のようなメリットが。

参加者
相手の属性が分かることで交流やコラボレーションのきっかけとなる

立科町
関係人口を創出し、今後の地域イベントへの参加や移住が期待できる

地域づくりの担い手として「関係人口」に注目が集まる中、さらなる交流やコラボレーション促進を目的に、「地域人材」や「関係人口」の可視化、検索、交流をしたい自治体は多いはず。TeamPlaceの取り組みはこれらの良いヒントになりそうです。


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