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貪欲な若者

昨日、娘の友人である中国人留学生が自宅に来ていました。
今年の秋に日本の大学を卒業し、現在は大学院の受験真っ最中とのこと。英語は堪能なのですが日本語は話すのと聞くのがまだ難しいところがあるようです。

しかし、大学院受験に提出する研究計画書を見せてもらったのですが、非常にしっかりとした日本語の文章で(大学院を受験しようというのですから当たり前と言えば当たり前ですが)読み書きに比べて話したり聞いたりするのがまだ苦手なのだな・・・などと思ってました。
ただ、話していて気づいたのは、大学院に行くと言うのに研究をあまり指向していないということ。本人も大学院卒業後は日本の旅行会社に就職したいと言ってました。

我々の感覚だと、旅行会社に就職するために大学院に行く必要があるのかなぁ、というところです。実際日本では、いまだに一般就職するにあたっては大学院に行った方が不利になるというのは聞く話ですからね。

そこで、本人に聞いてみたのです。
するとやはり、研究職に就く気はないとのこと。しかし、計画書では研究テーマまでしっかりと書かれていて、十分研究職としての素養もあるのでは・・・などと思ってしまいます。
ただ、その娘が言うには、中国は今かなり激しい競争社会(学歴社会)となっていて、しかも大学はもはやみんなが行くらしいのです。一人っ子政策を長らくとっていたため、どの家庭も子どもには教育を惜しまず、大学の数も増え続けた結果誰もが大学に進学することになり、学士資格では良い就職先に入るには全く競争力が足りないらしいのです。そこで、他者との差別化を図るために大学院に進学するようになっているとのことでした。
なので中国で大学院進学希望者(修士課程)はそれほど研究職を志している人は多くないと言ってました。
それよりも、大学院を出て良いところに就職して経済的成功を収めることが、若者たちが目指す最も大きな目標となっているらしいです。
もちろん中国は人口が多いので、そう言う人ばかりでもないのでしょうが、その娘もとても貪欲で競争意識が激しいように感じました。

この姿って、考えてみると過去の日本ですよね。
頑張れば良い就職ができて、収入も高くなり良い生活ができる、みたいな比較的単純明快な人生設計が可能だった時代。
結局どの社会も似たようなプロセスを辿っていくような気がします。
ただ、若者が貪欲なこと自体は悪い気はしませんね。

私も年甲斐もなく貪欲に生きることを目指しましょうかね。

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