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集中力のないプロ作家が、Zoffの集中メガネで集中できるのか

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Zoffが珍しい商品を販売したのは1月17日のことだった。メガネに装着したカバーにより視界が狭くなり、目の前の作業に集中できるという「Zoff +集中」。競走馬が前方に集中するために装着する馬具「ブリンカー」から着想を得たというこの商品は、好評の内に売り切れとなった。
https://www.fashionsnap.com/article/2020-01-14/zoff-calmdown/

その「Zoff +集中」が8月から再販を開始している。1月販売分を入手できなかった私は、早速購入して本当に「集中」できるのか試してみた。

視界の制限が不十分に感じる

私はスランプ中の作家なので、本当に集中ができるのならありがたい。SサイズとLサイズがあるが、今回はLサイズを購入して装着してみた。
最初の感想は「え、全然見えるんですけど」という残念なものだった。周囲の視界がほぼ遮られ目の前しか見えないようなイメージだったが、意外に視界は確保されている。過去にもっと見えないメガネを装着した記憶があるのだが、それに比べたら視界は良好だ。視界が狭いメガネ……あれは何だったのだろうか……そうだ、水中メガネだ。

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このイラストのようなタイプだと目の周りを大きく覆われ、奥行きもあるので視界が狭くなる。しかし同時に鼻の呼吸も制限されるので、これを作業に使用するのは現実的ではない。そもそも海だと視界が狭いと感じるが、作業においてはどうなのだろうか……。

ともかく──Zoffのメガネで集中することはできるのか? このメガネをかけたからと言って、すぐに集中、作業に没頭することは不可能だ。多少視界が狭まっただけなので、それだけで集中できるわけがない。
残念ながら執筆には不必要だろうか。それでも装着しながらしばらく作業を続けてみた。すると……。

「集中」が「より深い集中へ」へ

作業を開始すること数十分。徐々に没頭してきた時に私はこう感じた。
普段より集中力が増している気がする。
そう、通常時は視界の制限が不十分だと感じたが、没頭して視線が固定された状態になると、周囲が気にならない程度には視野が制限される。それにより普段よりも「深い集中」をしているのだ。
装着しただけで集中する「集中のスターター」ではなく、集中をより深いものにする「集中のブースター」の役割を担ってくれた。例えば私は耳栓を執筆時に使用しているが、耳栓は装着した瞬間にノイズが減少し、ガラリと環境が変化する。これは「集中のスターター」と言っていいだろう。それに対して「集中する」ところまでは自力で持っていかなければならないのだが、集中さえしてしまえば、普段に比べて「深い集中」となるのがこの商品だ。
何かと邪魔が入りやすいリモートワークにおいては、集中した状態までどう持っていくかが重要なので、そういった状況の手助けとしては心許ないかもしれない……。

余談だがクラウドファンディングで発表された「WEAR SPACE」は非常識なまでに視界を遮断し、ノイズキャンセリングまでついている代物だ。

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https://greenfunding.jp/lab/projects/2463
ちょっとやりすぎなんじゃないの、という印象が拭えないが、どうせやるならこれぐらい気合が入っていた方が頼もしい。装着したことがないので効果のほどは不明だが、テストできる場所もあるそうなので興味がある方は調べてみたらいかがだろうか(と言っても、購入したくとも今ではメルカリぐらいでしか入手できないが)。

結論 道具のひとつとしてならアリだが……

「Zoff +集中」は装着しただけで集中できる魔法の道具ではなかったが、集中をより深くしてくれる頼もしいアイテムであった。ブルーライトをカットするレンズも無料で付けられるので、PCで作業することが多い人は選択肢に入れてもいいだろう。

唯一気になるのは8000円という価格だ。WEAR SPACEの35000円を考えれば安いが、メガネにちょっとしたカバーをつけたものが8000円というのは、気軽に手を出すには(私には)少し高価に感じる。さらに視界を狭めた「超集中」交換用カバーを付属してくれたら文句はないのでメーカーさんにはご検討頂きたいものだ。また、私は「通常使用もできるようにという色気」などいらない集中に特化した仕様を求めている。WEAR SPACEの大胆さと、Zoff +集中」の手軽さを兼ね備えたアイテムが出てくるもを待つしかないのだろうか。

私は集中する為の道具として「耳栓」「目薬」「ヤードム(鼻から吸うミント)」を用意している。それらをセッティングすることで「これから集中する」というマインドセットを作っているのだが、今後はその中に 「Zoff +集中」も加わえるつもりだ。このアイテムひとつですぐに集中できるわけではないが、いくつかある集中の為のアイテムのひとつとして用意するならアリだ。

……価格が気にならなければ。


また面白い物語が書けるようになりたいのでサポートお願いします。本当にそんな日はやってくるのか?